突然生じた動悸感と起立時の立ちくらみで来院
🐸 フロッグサイン
- 右鎖骨上窩に内頸静脈の早い拍動が視認できる(由来はカエルの喉元の動きに似るため/命名者は不明?)
- 心電図では2:1伝導の心房頻拍が疑われた(下図)➜ 治療抵抗性で最終的に電気的除細動で洞調律に回復
- 機序は心房収縮のタイミング(矢印)が収縮期(三尖弁閉鎖中)であるため心房内血流が内頸静脈に逆流
- 本例ではP波のタイミングは2種類(QRS直前とT波後半)➜ よくみると頸静脈の隆起も大小の2種類?
🐤 独り言
- フロッグ・サインは日常臨床でしばしば見かける(自験例1・自験例2).頸静脈の規則正しい速い拍動から安易にフロッグ・サインと誤診しないことが大切(自験例).フロッグ・サインは内頸静脈の早い隆起(陽性波)であるのに対して,心不全の頻脈時は早い陥凹(陰性波)を示す(自験例).
- 身体所見の大家サパイラ先生は心拍数が毎分100回以上では(初心者は)波形解析を試みないよう述べている(Sapira's Art and Science of Bedside Diagnosis, p363)が,フロッグ・サインは分かりやすいので覚えておきたい.ついでに不整脈を停止させる修正Valsalva⼿技も復習しておきたい.
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(投稿者 川崎)
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