- 心室中隔穿孔(ventricular septal perforation; VSP)は,左室自由壁破裂,僧帽弁乳頭筋断裂とともに,急性心筋梗塞の急性期に生じる重篤な機械的合併症である.
- VSPの頻度は急性心筋梗塞の約2%で,梗塞発症から約2~3日後に生じることが多い.血行動態が急激に悪化するため,本症の自然予後は1ヵ月以上の生存率20%以下と不良である.
- VSPに対する直接穿孔部閉鎖術は梗塞心筋が脆弱なため短絡が高頻度に遺残する.一方,David-Komeda法は穿孔部に直接侵襲を加えず健常部心筋のみに心膜パッチを縫着し穿孔部を閉鎖する.
- 心臓血管外科医の米田正始先生らが開発した(Komeda M, Fremes SE, David TE. Surgical repair of postinfarction ventricular septal defect. Circulation 1990;82:IV243-7)
- David-Komeda法は,前壁中隔梗塞,下壁梗塞いずれにも応用可能で,遠隔期の左室リモデリングを低減できる.しかし急性期の手術では健常部と梗塞部の区別が難しく,遺残短絡を生じることもある.
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(投稿者 川崎)
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