- 腸吻合術後の合併症の一つで腸管の盲嚢や盲環を主原因とする病態の総称
- 邦名は盲管係蹄症候群や盲端症候群,盲管症候群など未統一(のようです)
- 症状は下痢や消化吸収不良,貧血に加え腹部膨満や腹痛のみの場合もある
- 吻合型式から①短絡による悪性循環,②盲管,③盲嚢の3つに分類(下図)
- 原因は盲嚢内のうっ滞・過伸展・重積・細菌異常増殖による粘膜障害など
- 初報は米国の医師であるEstesとHolmの4例報告(Ann Surg 1932;96:924-9)
- 発現は術後1月~37年と個人差が大きく必要に応じ盲嚢切除術などを考慮
参考)日臨外会誌 2019;80:1497-1500,ほか
😕 関連病態(胃切除後症候群)
- 輸入脚症候群(afferent loop syndrome)➜ BillrothⅡ法再建後では輸入脚に胆汁や膵液が充満 ➜ 食後の内圧上昇時に残胃内に急激流入 ➜ 胆汁性の大量嘔吐
- ダンピング症候群(dumping syndrome)➜ 胃全摘後などは残胃容積低下と幽門輪喪失 ➜ 食物が十二指腸~空腸に高張のまま急速流入 ➜ 発汗や動悸,顔面紅潮,腹痛,嘔吐,高血糖,めまいなど
(投稿者 堀内/川崎)
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