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2023-03-06

日本内科学会 第239回近畿地方会より

😐 個人的に気になった報告

演題5 上部消化管内視鏡検査を契機に診断されたCowden症候群の1例
  • Cowden症候群は、様々な臓器に過誤腫性病変が多発する常染色体優性遺伝形式をとる疾患であり、PTENと呼ばれるがん抑制遺伝子の病的バリアントが原因とされる。乳癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、大腸癌、腎細胞癌などの悪性腫瘍を高率に合併する。

演題15 著明な低脂血症で発症した後天性LCAT欠損症の1例
  • HDL-C9mg/dL、LDL-C5mg/dLと著明低値を認めた。LCAT欠損症は、コレステロールのエステル化に重要な酵素であるLCATの欠損や活性低下により、脂質代謝障害を来す稀な疾患である。

演題88 心不全を契機に診断された中性脂肪蓄積心筋血管症の1例
  • 中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)は非常に珍しい症例でありPNPLA2遺伝子ホモ型変異を伴うものを原発性、遺伝的原因が不明なものを特発性と分類する。

演題94 99mTc製剤によりアナフィラキシーショックに至った1例
  • 6分間のアデノシン持続静注及び99mTc製剤静注の数分後に顔面、前胸部、両上肢の紅潮及び掻痒感を伴う膨疹を認めた。ステロイド点滴で症状は速やかに軽快し、アデノシンによるアレルギー反応と考えた。予定通り3時間後に2回目の99mTc製剤静注を行った所、全身の膨疹・紅斑、気分不良、冷汗、胸部不快感が出現し、収縮期血圧70mmHgまで低下した。

演題115 移動盲腸により腸重積を来した1例
  • 移動盲腸は胎生期に右側結腸が後腹膜に固定されない発生異常であり、発生率は10-20%程度である。便通異常や腹痛など症状出現時は薬物療法や外科的治療を行う。

演題217 ニューマトセルの破裂で緊張性気胸・膿胸になった1例
  • 膿気胸(pyopneumothorax)=胸部CTでは肺内外にniveauを伴う嚢胞性病変。内部に感染を伴う場合、気胸・膿胸などの合併症のリスクがあり、縦隔偏位を伴う緊張性気胸になれば、致死的になることも留意が必要である。

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

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