先日の週末ERでは通常とは少し異なる腹痛症例が続きました
🚑 解説
- 症例1 ➜ 上腸間膜動脈(SMA)にフラップと周囲の脂肪織濃度上昇 ➜ SMA解離の疑い(下図は拡大)
- 症例2 ➜ 腹部大動脈の拡大(7cm)と右側後腹膜の血腫 ➜ 腹部大動脈瘤の破裂(下図は追加造影)
- 症例3 ➜ SAMの拡大と三日月型の造影不良域,内腔の狭小化 ➜ SMA解離(下図は造影CTの矢状断面)
😎 追加コメント
- 臨床現場では同じような症例が続くことがあります(例えばクラウンド・デンス症候群).いろいろな原因が考えられますが,アベイラビリティ・バイアス(最近遭遇した疾患を考えて誤診する原因)も一因だと思います.もっともこの場合はいい意味で働いているのでバイアスではありませんが…
- 孤立性腹部内臓動脈解離には注意が必要と思います.同疾患を意識しながら画像を読影しないと見逃してしまいます.実際に上記の症例1は診断が遅れました(翌日にご本人に電話/最終的に他院を受診).ちなみに症例3のSMA解離ではDダイマーは陰性でした(0.6 μg/ml/当院の基準値は1.0未満).
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(投稿者 川崎)
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