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2025-06-26

今週の一枚 🎯

胸やけが持続する症例茶は来院時緑は数年前



(投稿者 川崎)

2025-06-25

レボドパチャレンジテスト Levodopa challenge test

  • パーキンソン病(PD)の診断確定が必要な場合に考慮される薬剤の試験
  • PDは(特に初期段階の)診断が難しく確定できる検査や血液検査はない
  • PDの主な特徴の一つは黒質緻密部と呼ばれる脳領域のニューロンの減少
  • これらのニューロンは神経伝達物質であるドーパミンを産生・放出する
  • レボドパはドーパミンに変換される(現在でもPD治療で最も効果的な薬)

👯 具体例(統一された方法は未確立)
  • 12時間~服用しないオフ時にレボドパ(ドパストン注)の1回量の1.5~2倍(最大300mg)を静脈内投与
  • 1時間観察し被験者が最も効果が出たと感じた段階でUPDRS運動スコアで判定(30%以上の改善で有効と判定)
  • 客観的な評価をするためオフ時とオン時をビデオで記録して両者を比較することが重要である(そうです📷)


(投稿者 川崎)

2025-06-24

UPDRS 統一パーキンソン病評価尺度

Unified Parkinson's disease rating scaleの略で以下の6セクションから成る

  1. パートI ➜ 精神状態、行動、気分の評価
  2. パートII ➜ 発話、嚥下、筆記、着衣、衛生、転倒、唾液分泌、寝返り、歩行、食物カットを含む日常生活動作(ADL)の自己評価
  3. パートIII ➜ 臨床医によるモニタリング運動評価
  4. パートIV ➜ 治療の合併症
  5. パートV ➜ パーキンソン病の重症度に関するHoehnとYahrの分類
  6. パートVI ➜ SchwabとEnglandのADLスケール
※判定の目安: 軽度:0〜86点 中等度:87〜173点 重度:174点以上

💫 実際の確認シートは コチラ からどうぞ
💁 パーキンソンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-06-23

フィジカルクイズ(No. 9 & 10)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-06-22

パテラ Patella

  • 英語で膝蓋骨を意味し,発音はパラ(pəˈtel.ə/音声).世間ではペット犬の膝蓋骨脱臼として使用されています.整形外科の先生に尋ねたら,ヒトの膝蓋骨脱臼をパテラと呼ぶことはないと言われました. 
  • パテラになった犬には次のような症状が出現するようです ➜ スキップしたり跳ねたりする,脚を引きずる,起き上がらない,動きが硬くぎこちない,ひざを外側に向けて座る(参考:KINS WITH動物病院
🐶 分類
  • 膝蓋骨内方脱臼:子犬に多く遺伝的な要因あり
  • 膝蓋骨外方脱臼:大型犬に多く骨格異常と関連
  • 外傷による脱臼:転倒や事故に関連して生じる

🐕 重症度
  • グレードⅠ:用手的に外したり戻せる状態で症状には乏しい
  • グレードⅡ:脱臼と整復を繰返す状態で痛みを伴うことあり
  • グレードⅢ:常に外れていて(戻せる)歩き方に支障が出る
  • グレードⅣ:常に外れていて(戻せず)歩行に異常をきたす

🐾 対応
  • 予防:床材調整,体重管理,適度の運動,爪管理など
  • 内科:サポーター,サプリメント,消炎鎮痛薬など
  • 外科:滑車溝造溝術,脛骨粗面転移術,骨切り術など

超小型および小型犬種における膝蓋骨内方脱臼の発生率

💁 膝蓋骨に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-06-21

前心不全に対する心保護薬

腫瘍内科から「前心不全に対する心保護薬」について相談を受ける機会が増加してきました.癌治療の進歩にエビデンスが追い付いていない領域ですが,ガイドラインの関連記載をアップしておきます.

📗 日本臨床腫瘍学会 Oncocardiology ガイドライン - 総説

📙 日本循環器学会/日本心不全学会 心不全診療ガイドライン

💁 化学療法に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-06-20

痔疾患治療薬(内服薬)

治療の主は「外用薬」であるが、補助的に「内服薬」を使用する場合がある。

ヘモナーゼ®配合錠(ブロメライン・トコフェロール酢酸エステル配合剤)
【効能・効果】
  • 痔核・裂肛の症状(出血、疼痛、腫脹、痒感)の緩解
  • 肛門部手術創
【薬効・薬理】
  • ブロメライン:抗炎症作用、血栓溶解作用
  • トコフェロール酢酸エステル:末梢血行改善作用・創傷治癒促進作用

ヘモリンガル®舌下錠0.18mg(静脈血管叢エキス)
【効能・効果】
  • 痔核の症状(出血、疼痛、腫脹、痒感)の緩解
【薬効・薬理】
  • 生体アミン類の循環機能調節作用、線維素溶解作用、抗炎症・抗浮腫作用、組織修復作用

ヘモクロンカプセル®200mg(トリベノシド)
【効能・効果】
  • 内痔核に伴う出血・腫脹
【薬効・薬理】
  • 循環障害改善作用、抗浮腫作用、創傷治癒促進作用

乙字湯(トウキ、サイコ、オウゴン、カンゾウ、ショウマ、ダイオウ)
【効能・効果】
  • 病状がそれほど激しくなく、体力が中位で衰弱していないものの次の諸症:キレ痔、イボ痔
【薬効・薬理】
  • トウキ:血を補い、めぐらせる(補血・活血)
  • サイコ:熱を冷ます(清熱)、気を持ち上げ、活力や緊張を回復(昇提・止痛)
  • カンゾウ:緩和
  • ショウマ:気を持ち上げ、活力や緊張を回復(昇提・止痛)
  • ダイオウ:瀉下

💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 小森)

2025-06-19

今週の一枚 🎯

心不全で入院中の男性



(投稿者 川崎)

2025-06-18

歯科治療時のアモキシシリン 2g

感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017年改訂版)では,抜歯などの菌血症を誘発する歯科治療に対する感染性心内膜炎の予防にはアモキシシリン2gの術前1時間以内の経口単回投与が推奨されています.
  • 成人の高度リスク患者に対し,抜歯などの菌血症を誘発する歯科治療の術前には予防的抗菌薬投与を推奨する(推奨の強さ1:強く推奨する,エビデンス総体の強さB[中])
  • 成人の中等度リスク患者に対し,抜歯などの菌血症を誘発する歯科治療の術前には予防的抗菌薬投与を提案する(推奨の強さ2:弱く推奨する(提案する),エビデンス総体の強さ C[弱])

🐌 深堀
  • アモキシリンの量に関して添付文書には「ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症ならば成人:アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」と記載されています.2gは通常量の2倍なので必要時にはおおむね許容されると思われます.ただし1日量であり1回量ではありませんが...
  • アモキシリンの投与に関して添付文書には予防投与の記載がないため,本来は保険請求できません.ただし投与しないことは患者さんの多大な不利益になり,これは公的保険制度の理念・趣旨に反します.社会保険診療報酬支払基金の回答を見つけることはできませんでしたが,必要時には投与すべきと思われます.査定されても250㎎ 8錠(2g)で約80円ですし...

💁 予防投与に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-06-17

左心耳閉鎖システム:WATCHMAN

【使用目的又は効果】添付文書
非弁膜症性心房細動患者のうち、以下の3つの項目すべてに該当する、左心耳に起因する血栓塞栓症のリスクを低減する目的で使用する。
  • CHADS2又はCHA2DS2-VAScスコアに基づく脳卒中および全身性塞栓症のリスクが高く、抗凝固療法が推奨される患者
  • 短期的(45日間程度)にはワルファリン投与が適応可能と事前に医師により判断されている患者
  • 抗凝固療法を長期間実施できない医学的に妥当な理由を有する患者(HAS-BLEDスコア3点以上の出血リスクが高い患者等)

旧デバイスWATCHMAN2.5 vs 新デバイスWATCHMAN FLX
(手技の簡便化・周術期合併症の減少・長期ヒーリングの改善)

👿 CVIT適正使用指針(2024年9月13日改訂)
以下のうちの 1 つ以上を含む、出血の危険性が高い患者。
  • HAS-BLEDスコアが 3 以上の患者
  • 転倒にともなう外傷に対して治療を必要とした既往が複数回ある患者
  • びまん性脳アミロイド血管症の既往のある患者
  • 抗血小板薬の 2 剤以上の併用が長期(1年以上)にわたって必要な患者
  • 出血学術研究協議会(BARC)のタイプ 3 に該当する大出血の既往を有する患者

なお、機械的人工弁の植込み患者、凝固能亢進状態の患者、または再発性DVT患者など、非弁膜症性心房細動以外の理由で経口抗凝固薬の長期使用が必要な患者は、本治療の適応ではないことに留意すること。

術後レジメ:本邦では留置後45日間の抗凝固薬+アスピリン,6ヵ月までアスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬,術後6ヵ月以降アスピリン単剤を継続 (心臓 2021;53:1043-56)が多いようです😐

(投稿者 川崎)