労作時の動悸を訴える糖尿病例の負荷心電図
🐤 現場実況
- 紹介元のマスター負荷心電図を持参された
- 軽度ST低下に加え2:1伝導の房室ブロック
- 当院の心エコー図とホルターには問題なし
- 運動負荷タリウムで心拍は上昇し虚血なし
- その後にベータ遮断薬を含む目薬が判明
🐥 徐脈と目薬
- 日常臨床では薬剤性の伝導障害にしばしば遭遇します.本例も初めに確認しましたがベータ遮断薬を含む内服薬はありませんでした.長年変更もないようです.目薬の申告はありましたが,ドライアイに対する処方でした.
- その後の外来フォローでブロックの再発がないため,もう一度薬歴を確認しました.すると労作時の動悸~紹介元で負荷心電図時はミケラン(カルテオロール塩酸塩)点眼薬を使用していたことが判明しました 😐
- 謎かけ「点眼とかけて失神と解く.その心は?」は有名です(答えはβ遮断薬を含む目薬:謎かけでもなんでもない😅).ただし臨床現場で遭遇することは稀です.逆に緑内障に禁忌薬の処方の方が臨床アルアル?
- 本例は薬剤性(点眼誘発)の房室ブロックが疑われました.ミケラン点眼薬の徐脈の頻度は0.1〜5%未満と記載されています(DI).本例には潜在的な刺激伝導系の障害があると思われるので今後も要注意でしょうか.
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(投稿者 川崎)