- 突然の動悸を自覚してERを受診した妊娠中期の女性
🗿 解説
- QRS幅が狭くて心拍が規則正しい頻脈(心拍数は180 bpm前後)である
- 発作性上室頻拍(PSVT)・心房粗動・発作性心房頻拍(PAT)のどれか
- よく見ると逆行性P波がありそう(下図の矢印)➜ 発作性上室頻拍の疑い
👶 臨床現場
- PSVTを疑いアデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(アデホス)10mgを急速静注で洞調律に回復した.アデホスの添付文書には「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。」と記載されている.
- すべての抗不整脈薬は妊婦と胎児に対して毒性をもつと考えなければならないが,症状が著しく強く不整脈が妊娠継続の支障になる場合に抗不整脈薬が使用される(ガイドライン 14ページ).本例では修正バルサルバ手技でも停止しなかったためアデノシンを用いた.
- 妊婦のPSVT停止に対しては,副交感神経刺・アデノシン投与・電気的カルディオバージョンの3つがクラス1・エビデンスレベルCで推奨されている(ガイドライン 表34).
関連投稿 🉐
ATP
(投稿者 川崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿