発熱と頸部~顔面の発赤で来院した中年男性
👺 丹毒(Erysipelas)
- 主に溶連菌による化膿性炎症で表皮から真皮浅層を水平方向に急速に拡大
- 顔面(特に頬部,眼囲,耳介など)に好発して特徴的な外観から診断する
- 病巣部の皮膚は深紅色を呈し,境界は鮮明で腫脹し稀に水疱や膿疱を伴う
- 以前は頻度の高い皮膚感染症疾患であったが衛生環境の改善で現在では稀
- 鑑別診断は帯状疱疹や接触性皮膚炎,結節性紅斑,薬剤性紅斑,酒さなど
- 細菌学的検査でβ-溶血性連鎖球菌・起因菌の検出率は高くない(約30%)
- 治療は抗菌薬(ペニシリン系やセフェム系などを改善後もしばらく継続)
- 危険因子はアルコール中毒,糖尿,肝硬変,免疫不全,白癬,リンパ浮腫
参考)歯科薬物療法 2008;27:131-5,他
🉐 関連投稿(皮膚紅斑編)
- 酒さ(しゅさ)
- ヘリオトロープ疹 Heliotrope rash
- 猩紅熱 しょうこうねつ
- レッドマン症候群(Red man/neck syndrome)
- Hutchinson's sign ハッチンソン徴候
- 伝染性紅斑(リンゴ病) Erythema infectiosum
👿「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 川崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿