相互作用の内容
ワルファリンの作用を増強する。
抗菌薬投与中のビタミンK欠乏症は多数報告されている。特に、その構造にN-methylthiotetrazole(NMTT)基を持つ抗菌薬は投与中の出血傾向の報告が多い(CMZ,CPZ,LMOX等)。NMTT基はビタミンK依存性凝固因子合成過程でビタミンK利用障害作用を有する。
相互作用の機序
- ビタミンK産生腸内細菌を抑制して、ビタミンK産生を抑制する。
- 肝細胞のビタミンK依存性凝固因子の生成を阻害する。
- 腸管からのビタミンK吸収を阻害する。
併用時の注意
血液凝固能の変動に注意し、ワルファリンを減量するなど慎重に投与すること。
低プロトロンビン血症は抗菌薬によっても増強されることを念頭に置いておく。
ビタミンK欠乏症を発症する危険因子としては、
- 広域スペクトルの抗菌薬(ビタミンK産生グラム陰性桿菌の抑制)
- 胆汁移行率の良い抗菌薬
- 肝・腎毒性の強い抗菌薬
- NMTT基を有する抗菌薬
などがあげられる。
【参考:Warfarin適正使用情報 第3版(エーザイ株式会社)】
(投稿者 小森)
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