従来から左室駆出率で二分(カットオフの目安は40~50%)
😄 近年,新たな3種類の治療薬が加わりました
推奨クラス | 薬剤 | 病態 |
I | SGLT2阻害薬 | 最適な薬物治療(最大量あるいは最大忍容量のβ遮断薬, ACE阻害薬 [またはARB] およびMRA)が導入されている にも関わらず症候性で,収縮能の低下した(LVEF≦40%) 慢性心不全患者に対し,心不全悪化および心血管死のリス ク低減を考慮してダパグリフロジンまたはエンパグリフロジンを投与する. |
I | ARNI | ACE 阻害薬(またはARB),β遮断薬,MRAがすでに投 与されているHFrEFにおいて,症状を有する(または効果が不十分)場合,ACE阻害薬(またはARB)からの切替えを行う. |
IIa | ARNI |
ACE阻害薬(またはARB)未使用の入院中のHFrEFへの投与を考慮する.
or 利尿薬が投与されているNYHA心機能分類 II 度以上のHFmrEFにおいて,ACE阻害薬(またはARB)からの切替えを考慮する. |
IIa | イバブラジン |
最適な薬物治療(最大量あるいは最大忍容量のβ遮断薬, ACE阻害薬[またはARB]およびMRA)にもかかわらず症候性で,洞調律かつ心拍数≧75拍/分のHFrEF(LVEF≦35%)患者において,心不全入院および心血管死のリスク低減に考慮する.
or ACE阻害薬(またはARB)およびMRAを投与されているものの,洞調律で安静時心拍数≧75拍/分の症候性HFrEF(LVEF≦35%)患者であるがβ遮断薬に不耐容あるいは禁忌である患者において,心不全入院および心血管死のリスクを低減するために考慮する. |
IIb | ARNI | HFpEFに対する投与を考慮してもよい. |
2021年 ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療より(2021年12月閲覧/記載順など一部改編)
😈 現在の基本薬は4剤に集約 (いわゆるFantastic four)
これらの4薬剤はすべて長期予後を改善することが証明されています.しかし心不全治療では,急性期の自覚症状を改善することも重要です(急性の心不全に使用する薬剤の推奨).
上記の素晴らしい4つ薬剤のなかでSGLT2阻害薬は急性心不全の治療にも有用であることが示されつつあります(例:Circ Heart Fail 2021;14:e007048.).これは注目すべきすごいこと!
- ARNI (アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)
- BB(ベータ遮断薬)
- MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)
- SGLT2 inhibitor(ナトリウム/グルコース共輸送体2阻害薬)
これらの4薬剤はすべて長期予後を改善することが証明されています.しかし心不全治療では,急性期の自覚症状を改善することも重要です(急性の心不全に使用する薬剤の推奨).
上記の素晴らしい4つ薬剤のなかでSGLT2阻害薬は急性心不全の治療にも有用であることが示されつつあります(例:Circ Heart Fail 2021;14:e007048.).これは注目すべきすごいこと!
(投稿者 川崎)
2 件のコメント:
古い時代の循環器内科医です。
ジギタリスは推奨されていないが、禁忌でもないと考えればいいでしょうか。
時々使用します。短期効果を感じます。
ジギタリスのガイドライン記載は「急性心不全に使用する薬剤の推奨」かつ「下記の病態」でクラスIになっています
頻脈誘発性心不全における心房細動の心拍数コントロール目的での投与
https://matsushita-er.blogspot.com/2019/05/blog-post_30.html
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