下肢閉塞性動脈硬化症(lower extremity artery disease: LEAD)
- 腰部交感神経節ブロックは,交感神経の過緊張を低下させることにより,疼痛緩和と側副血行路の血管拡張からの下肢血流増加を目的とする.
- CLTI(包括的高度慢性下肢虚血)を対象とした研究で疼痛緩和の報告はあるが,切断のリスクを軽減する明確エビデンスはない.
バージャー病(Buerger disease)
- 血行再建術の適応のない重度の虚血肢には,内視鏡的交感神経焼灼術などの交感神経遮断手術も考慮してよい.
- ただし足関節血圧が60 mmHg未満やABIが0.3未満では効果は期待しづらい.
レイノー現象(Raynaud syndrome)
- 壊死に陥った場合には,内科的治療では疼痛コントロールも困難であることが多く,交感神経節ブロックないし交感神経節切除を行うことになるが長期にわたる効果にはエビデ ンスはない
- 膠原病を背景疾患とする場合には,原疾患が活動性の場合には原疾患に対する治療を行いつつ上記内科的治療が無効な場合には交感神経節切除を考慮する.
肢端紅痛症(erythromelalgia)
- 有効な治療法は少なく,まずアスピリンに加え血管拡張作用のある抗血小板薬を使用する.無効な場合には交感神経節切除を考慮するが,その効果に定まった評価はない.
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome: CRPS)
- 薬物療法が有効でない場合には,交感神経ブロックや外科的な交換神経節切除などを考慮する
💁 下肢動脈に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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