このブログを検索

2022-10-31

心尖拍動の収縮期陥凹

慢性左心不全の症例(端座位)

🐦 解説
  • 左乳輪の下内側に明瞭な心尖拍動 ➜ 乳輪外側でなく心拡大とは言えず
  • 乳輪の上にも僅かに拍動あり ➜ 2肋間以上の拍動で心拡大の可能性あり
  • 本例の心尖拍動は脈触知や聴診との組み合わせで収縮期の陥凹と判明
  • 陥凹時間は十分に長いため抬起性の拍動(ただし本例に心肥大はなし)

🐳 ひとり言
  • 心尖拍動の収縮期陥凹(systolic retraction)は収縮性心膜炎で出現することが有名ですが,臨床現場では稀で固執すると診断を誤ります(自験例).
  • 本例にように通常の左心不全に加えて右心の反映(自験例),肥大型心筋症(自験例),慢性閉塞性肺疾患(自験例)など様々な病態で出現します.
  • 代表2疾患は限局した収縮性心膜炎と右室拡大を伴う三尖弁逆流(特に僧帽弁狭窄合併)ですが,健常者にも少しは生じると報告されています().

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

0 件のコメント: