- 関節リウマチのスクリーニング検査項目にRFとIgG-RFがありました.
- 両者の違いがよく分からなかったので他項目も含め調査してみました.
RF(リウマトイド因子)
IgG-RF
抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド[cyclic citrullinated peptide]抗体)
MMP-3(血清メタロプロテアーゼ―3)
- ヒトIgG(immunoglobulin G)のFc部分に対する自己抗体である(血清中のRFはIgMが主体).RA(関節リウマチ)に対するRFの感度は80%程度で,発症早期では50%程度.また正常人でも数%はRF陽性であり,加齢とともに陽性率が上昇する.その他,結核や慢性肝疾患,種々の膠原病などでも陽性となることがあり,疾患特異性は低い.
IgG-RF
- 糖鎖にガラクトースを欠損したIgGを抗原とした抗ガラクトース欠損IgG抗体.慢性炎症やSjögren症候群などでも上昇する.IgG-RFはIgM-RFに比べ,感度は低いが特異度が高い.関節外症状や血管炎を伴うRAで陽性例が多く,RAの活動性とも相関するとされている.
抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド[cyclic citrullinated peptide]抗体)
- RAに特異的な自己抗体として注目を集めている.その感度は 33~87.2%と報告によりばらつきがあるが,特異度が90~95%以上と極めて高く,健常者の陽性率は3%未満と低い.さらにRF陰性例でも30~50%が陽性となる.早期RAでは感度は40~50%と高くはないが,陽性の場合にはRAである可能性は極めて高い.さらに,抗CCP抗体はRAの進行度,骨破壊度の予測因子としても有用である.
MMP-3(血清メタロプロテアーゼ―3)
- RAの発症早期から血中濃度は上昇するが,急性,慢性を問わず種々の滑膜炎でも上昇するため,必ずしもRAに特異的な検査とはいえない.ただし,血清MMP-3はRAの疾患活動性の指標としてもきわめて有用である.
💁 関節リウマチに関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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