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2025-02-09

「私の血液型はオモテO型,ウラB型」

💫 ABO血液型の亜型
  • オモテ検査(赤血球と抗A,抗Bとの凝集反応)とウラ検査(血清中の抗A,抗Bの有無)が一致せず
  • 抗体試薬やレクチンへの凝集反応,不規則抗体,糖転移酵素活性,分泌型唾液中の型物質などで分類
  • 本邦で多い亜型はBm型(オモテ検査O型でウラ検査B型)とABm型(オモテ検査A型,ウラ検査AB型)
  • 遺伝子解析で多くの亜型はエキソン6/7変異(ただBm型やABm型はエンハンサー領域を含む欠失他)


<質問19>
  • B型の亜型、Bm型についてABO式血液型の1つに「Bm」という血液型がありますが、この血液型の人が輸血を必要とする場合、苦もなく手配できるものなのでしょうか?たとえば、Bmの血液型を持つ人にRh+Bの血液を輸血した場合はどうなりますか?また、この血液型の人は日本人中に何%程度存在するんでしょうか?データがあれば是非教えてください。

<回答> 
  • ABO式血液型で、赤血球表面のA抗原やB抗原の、主として量的な差と各種抗体やレクチンに対する反応性の違いにより、亜型(subgroup)として分類されるタイプが存在することが知られております。
  • 手元にある文献を調べてみましたが、日本人での頻度に関しては、A2の頻度はA型中の0.16%(A型)、AB型中の1.07%(A2B型)となっております。A2を除くAの亜型の頻度は0.021%で、Bの亜型はこの約10倍ということですので、0.2%ぐらいということになるでしょうか。日本人の亜型の中で一番多いのは、Bm型とのことですので、頻度はA2よりやや多いことを前提にして、0.16~0.2%の間と推測されます。
  • 輸血を受ける場合は、B型の血液を輸血して問題はありません。Bm型血球は抗Aや抗Bの試薬で凝集しないのに、Bm型の人の血清はA型血球を凝集し、いわゆる「血液型検査のおもて・うら試験不一致」をきたすので、血液型判定上は問題となります。しかし、輸血をする上では、Bm型だからといってBm型を入れる必要はなく、交差試験を行って問題のない血液、つまり、B型の血液を輸血して何の問題も生じません。日本人ではB型の頻度は約20%ですので、B型の供血者をさがすのに苦労することはまずあり得ません。


💁 血液型に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

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