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2022-11-27

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

横紋筋融解症
Tc-99m-PYPの全身像
Honda S et al : Intern Med. ;56(10):1175-1178 ; 2017



(投稿者 杉原)

2022-11-26

COVID-19 brain fog 新型コロナウイルス感染症関連 "脳の霧"

👾 概説
  • Post-COVID conditionとはCOVID-19発症から3月の時点で少なくとも2月以上持続する他では説明がつかない症状
  • Brain fogとは精神的に遅い,曖昧な,ぼーっとした感覚を表す用語で,症状は記憶障害や集中困難(定義は困難)
  • よってCOVID-19 brain fogとはpost-COVID condition(Long COVID)の一表現系としてbrain fogが出現した状態

👿 COVID-19 brain fog
  • Brain fog に関与する因子は女性・呼吸器症状で発症・集中治療室入室あり(COVID-19 の重症度とは無関係)
  • COVID-19感染3月後の患者で7.2%〜1/3に集中困難,集中力と思考力の悪化などbrain fogを認めた報告あり
  • 原因として血液脳関門から侵入したSARS-CoV-2ウイルスによる脳内炎症説や免疫系の過活性化説などが提唱
  • 現時点では根本的な治療法はなく,薬物・非薬物療法を含めた対症療法のみ(2回のワクチン接種でリスク減)

参考)血栓止血誌 2022;33:421-5,ほか

(投稿者 川崎)

2022-11-25

カタトニア Catatonia

  • 異常な動きや不動など特徴とする複雑な神経精神医学的行動症候群
  • 具体的には昏迷やカタレプシー(受動的姿勢の保持)や無言症など
  • 初報はドイツの精神学者 Karl Ludwig Kahlbaum (1828–1899)(
  • 日本語では緊張病(or 症)と訳されるが単なるあがり症とは異なる
  • 原因は統合失調症や気分障害,器質性精神障害,脳炎,薬剤性など
  • 治療は原疾患治療+定型抗精神病薬の中止や電気けいれん療法など

参考)精神経誌 2010;112:396-401,ほか

カタレプシーや無言症を呈したカタトニアの1例

(投稿者 川崎)

2022-11-24

🎯 今週の一枚

倦怠感で来院した慢性心不全症例



(投稿者 川崎)

2022-11-23

なんでも名前があるんだ 😲

💁 会議で司会者が...「ではレジュメ1番のかたかっこ2をご覧ください」
  • 1)、2)、3) ➜ 片括弧 
  • (1)、(2)、(3) ➜ 両括弧

👾 ルール1
  • 「 」➜ 鉤括弧(かぎかっこ) corner bracket
  • 「    ➜ 始め鉤括弧 left corner bracket
  •     」➜ 終わり鉤括弧 right corner bracket

👿 ルール2
  • 『 』 ➜ 二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ)
  • ( ) ➜ 丸括弧(まるかっこ) ※小括弧はおすすめではないようです
  • { } ➜ 波括弧(なみかっこ) ※中括弧はおすすめではないようです
  • 〔 〕 ➜ 亀甲括弧(きっこうかっこ)
  • 〈 〉 ➜ 山括弧(やまかっこ)
  • 《 》 ➜ 二重山括弧(にじゅうやまかっこ)
  • 【 】 ➜ 隅(付き)括弧(すみつきかっこ)

 👮 おまけ
  • 日本語の補助記号に当たるのは丸括弧・鉤括弧・二重鉤括弧で,これらは句点(。)や読点(、),中点(・)と合わせて区切り符号と呼ばれるようです(wiki

(投稿者 川崎)

2022-11-22

AMR:非医療従事者にも浸透してきた?

大阪の地下鉄Osaka Metroでも掲示されているポスター
(2022年11月はAMR対策推進月間です)

  • AMR (Antimicrobial resistance)=薬剤耐性
  • 抗菌薬の不適切使用を背景とした薬剤耐性菌が世界的に増加
  • 2015年の世界保健総会ではAMRに関する国家行動計画を要求

💁 耐性菌に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-11-21

ハプトグロビン Haptoglobin

  • 主として肝臓で産生されるヘモグロビン(Hb)結合蛋白で,血中Hbがあると迅速かつ強固に結合する
  • その後に細網内皮系に取り込まれて分解処理(遊離型Hbの毒性中和+腎糸球体からのHb喪失防止)

👻 基準値
  • 1-1型 83~209 mg/dL
  • 2-1型 66~218 mg/dL
  • 2-2型 25~176 mg/dL

減少溶血性疾患,肝脾疾患,先天性無ハプトグロビン血症,薬物投与など
上昇 ➜ ネフローゼ,亜急性甲状腺炎,悪性腫瘍,感染症,月経期,薬物など


👾 おまけ
  •  ハプトグロビンの名称はヘモグロビンのグロビン(globin)に親和性を有するハプテン(hapten)に由来している
  • ハプテンとは低分子で単独では抗原にはならないが,適当なタンパク質に結合することで抗原となることができる物質


(投稿者 川崎)

2022-11-20

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

心アミロイドーシス合併AMI
急性心筋梗塞症の心電図とTl/PYP dual SPECT
済生会滋賀県病院循環器科提供



(投稿者 杉原)

2022-11-19

WOC (ウォック) ナース 

  1. Wound(創傷)➜ 皮膚トラブルの対応や創傷の発生予防など
  2. Ostomy(ストーマ)➜ 人工肛門・膀胱の管理やサポートなど
  3. Continence(失禁)➜ 尿や便の失禁の予防・改善を促すケア

👺 追加情報
  • 認定看護師(Certified Nurse)の一つで本邦では1997年にWOC看護認定看護師が誕生(ただし2007年より皮膚・排泄ケア認定看護師に名称変更)
  • 看護師免許の取得後に通算5年以上の経験+A課程(受講645時間~)or B課程(受講808時間)が必要(2020年の時点で認定は2,581人/当院は2名
  • ただし教育機関などへの必要経費は入学検定料約50,000円,入学金50,000~150,000円,授業料850,000~1,050,000円()と金銭的ハードルも高い

💁 看護師に関連する過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2022-11-18

Susac症候群

  • 脳症,網膜動脈分枝閉塞,難聴を特徴とする微小血管障害(多発性硬化症と鑑別要)
  • 原因は不明であるが小動脈の内皮細胞に対する抗体産生による自己免疫疾患の疑い
  • 初報は米国の脳神経科医スサックらによる女性2例の報告(Neurology 1979;29:313-6
  • 治療は免疫抑制剤やプレドニゾンなどのステロイド,静脈内免疫グロブリンなど
  • 10症例の検討では受診時の平均年齢は38歳(30〜45歳)で男性4例,女性6例(

😓 読み方問題
  • 日本語表記ではスザック症候群やササック症候群などを認めます.中枢神経内多発血管症と記載している論文もありましたが(),あまり普及していないようです.YouTUBEではスサックと聞こえますが,pronouncekiwiではスザックが多いようです.

(投稿者 川崎)