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2018-07-05

トリグリセライド 6,377 mg/dL

アルコールがトリグリセライドの著明上昇を誘発したV型高脂血症の1例
松下記念病院循環器科 大石佳央梨,他(松仁会医学誌 2011;50:99-103

【要旨】症例は50歳代前半の男性。全身倦怠感を主訴に近医を受診した。3年前までは採血を含む健康診断を毎年受けていたが異常を指摘されたことはなかった。麺類の摂食1時間後に施行した採血でトリグリセライド6,377mg/dL、総コレステロール620mg/dL、HDLココレステロール31mg/dLであったため精査加療目的で当院へ紹介された。身長 166.0cm、体重70.0kg、眼瞼黄色腫・角膜輪・結節性黄色腫・アキレス腿肥厚はいずれもなかった。当院初診時における少量の白米摂取2時間後の採血では、トリグリセライド2,990mg/dL、総コレステロール750mg/dLと著名に上昇していたが、LDLココレステロールは77mg/dLで正常であった。血清は強乳ビを呈し、静置で上層に乳濁層を伴う白濁が出現した。本症例の表現型は、VLDLの増加を伴った高カイロミクロン血症でありV型高脂血症と診断した。本症例には脂質異常症の明らかな家族歴はなかったが、5年ほど前からエタノール換算で約500g/週の飲酒歴があった。禁酒を含む食事指導を行ったところ、脂質プロファイルは完全に正常化した。本症例は原発性よりも続発性V型高脂血症の可能性が高いと考えられた。

中性脂肪 TG
(投稿者 川崎)

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