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2020-06-22

CV:堀田法(敬称略)

内頚静脈からの中心静脈カテーテル挿入
概念:皮下の血管の走行を超音波で把握し、その位置、角度、深さのとおりに穿刺、ワイヤ ー留置、カテーテル挿入をする作業。

失敗する理由:マーキングが間違っている。エコーのプローベをあてたとおりの角度で穿刺できていない。マーキング後に体動でマークがずれている。脱水で静脈が虚脱している。不要な操作により静脈の血管断面を小さくしてしまっている。道具の使い方が間違っている。 操作が粗雑。手順を覚えていない/道具の準備の仕方が悪いことで手技に集中できない環境を自ら作り出している。



  1. 台の高さを設定する。脇を軽くしめた状態で自然に操作できる高さに
  2. 患者の頭を台ぎりぎりに設定する
  3. 患者の右肩上のスペースを広め・平らに設定する
  4. 患者の頭を左向きにし、動かないよう指示する
  5. 患者にサチュレーションモニターを装着する



  1. リニアプローベを使用する、もしくは腹部プローベで深度を4~5cmまで浅くする
  2. プローベ中央のみに、ごく少量のゼリーを塗布する
  3. もっとも足側(鎖骨直上あたり)のレベルに、プローベを、地面に対して垂直に、体軸に対 して水平に位置させ、水平断で観察する
  4. プローベの中央直下に内頚静脈を位置させる
  5. プローベ中央のすぐ頭側に、黒のマジックで点状にマーキングする
  6. プローベを約1cmずつ頭側にすべらせながら、点状マーキングを3、4か所行う
  7. いちどゼリーをふきとる
  8. 点状マーキングを、線でつなぐ 線の縦軸方向にプローベをあて、内頚静脈が左右方向に描出されることを確認する
  9. 実際に穿刺する角度(45度程度頭側に倒す)にプローベを設定し、穿刺点を決める
  10. 穿刺点から内頚静脈までの距離を把握する
  11. 再度、ゼリーをふきとる
  12. 穿刺点に黒のマジックで×印を打つ
  13. ×印のすぐ左側に内頚動脈の拍動を触れ、拍動と×印との位置関係を確認、記憶する
  14. 体動によってマーキングと内頚静脈との位置関係がずれたとしても、動脈の拍動をたよりに追跡できるようにする
  15. 清潔になる
  16. 清潔台の上で、カテーテル挿入の物品を展開する
  17. 穿刺点を中心に、右鎖骨、頸部正中、右下顎縁を超えるように消毒する
  18. 大き目の穴あきシーツをかぶせ、右手前のスペースを平らにならす
  19. 10mlのシリンジにキシロカインを満たし、23G(ブルー)針を受け取る
  20. シリンジは羽が左右、目盛りが正面にきた状態で、針孔も正面にくるように装着する
  21. 穿刺点に皮下局所麻酔を行う。穿刺前に声掛けをし、2~3mlで皮下に膨隆を作成する



  1. カテーテルキット内もしくはシャーレなどに、生食20mlを出してもらう
  2. 穿刺針に装着する2.5もしくは5mlのシリンジでガイドワイヤーをフラッシュ
  3. 同じく、ダイレーターをフラッシュ
  4. カテーテル内を生食で満たし、ストッパーをできるだけ手前で、左手でロックする
  5. ダブルルーメン以上の場合は、どちらのルーメンをガイドワイヤーが通るか確認しておく
  6. フラッシュに用いたシリンジに、2.5なら1ml、5なら2ml の生食を満たす
  7. シリンジに本穿刺針を装着し、フラッシュし、内筒・外筒の可動性を確認する
  8. ヘパリンロックシリンジを受け取る
  9. ヘパリンロックシリンジのキャップをとり、押し子をいちど引いてからエア抜きする
  10. CV閉鎖回路用のキャップを受け取る
  11. 尖刃を受け取る
  12. 2-0ナイロン糸を受け取る
  13. 3の角針を受け取る



  1. 声掛けしてから4つ折り清潔ガーゼを胸の正中に置く
  2. そのガーゼを囲むように、かつ(右手ですぐ操作しやすいよう)操作部が手前に、ワイヤー 先端が左方向を向くように、ガイドワイヤーを置く
  3. 4つ折り清潔ガーゼを右手前のスペースの右肩ぎりぎりに置く
  4. 右手前ガーゼの上に針先が来るように(枕にするイメージ)、右側に局注シリンジ、左側に 本穿刺シリンジを置く
  5. 局注シリンジと本穿刺シリンジの長さがほぼ同じで、操作性に大きい違いがないことをイメージし、確認する


ひといきつく


  1. 穿刺点の左側に動脈の拍動を触れることを再度確認する
  2. 想定された傾き、角度に局注シリンジを設定する
  3. 声掛けし、針先を皮下に挿入し、軽く陰圧をかけながら局注シリンジをすすめる
  4. 静脈血が返ってきたら、即座に陰圧を中止し、血液の吸引を最小限にとどめる
  5. 皮下に挿入されている針長を把握したのち、局注シリンジを抜去する
  6. 穿刺点から視線を動かさず、局注シリンジを右手前スペースのガーゼ上、本穿刺シリンジの 右側に戻す
  7. 本穿刺シリンジを持ち、さきほどと同じ角度に設定する
  8. 声掛けし、(必要な症例ではまず左手で皮膚を軽くけん引して)針先を皮下に挿入し、軽く 陰圧をかけながら本穿刺シリンジをすすめる
  9. 静脈血が返ってきたら、即座に陰圧を中止し、血液の吸引を最小限にとどめる
  10. 静脈の深部に動脈が位置している症例でなければ、さらに 2~3mm針をすすめる
  11. 外筒を、皮膚直上で、左右から、左手の親指と人差し指でしっかりと把持する。
  12. その際に、左手の第3~5指は穿刺部にテンションがかからないように、かつ左手を安定さ せるべく、穿刺部より足側に軽く添える
  13. 内筒をシリンジごと抜去し、右手だけで内筒とシリンジとを分離する
  14. 内筒は右手前のスペースに置く
  15. 右手だけで外筒とシリンジとを軽めに接続する
  16. シリンジに軽く陰圧をかけ、静脈血が返ってこなければ0.5mmずつのイメージでゆっくり ゆっくり外筒を抜去する
  17. 静脈血が返ってきた時点で即座に陰圧を中止し、右手だけで外筒とシリンジとを分離する
  18. 左手は固定したまま、右手でガイドワイヤーを持ち、右親指でやさしくワイヤーを挿入する
  19. ガイドワイヤーが15~20cm挿入されたら、外筒を根元まで挿入する
  20. ガイドワイヤーを抜去し、外筒にシリンジを再接続し、返ってきた血液が確実に静脈血であることを再度確認する
  21. ガイドワイヤーを15~20cm挿入し、外筒を抜去する
  22. ガイドワイヤーは手前にまっすぐ垂らし、決して弯曲させない
  23. ここでガイドワイヤーの位置を透視で確認する
  24. 穿刺部周囲に血液が付着していれば、ガーゼで綺麗にふきとる



  1. 局注シリンジ、本穿刺シリンジを清潔台に戻し、針は針だけで端に固めておく
  2. 尖刃のカバーを除去する
  3. 尖刃を上から右手親指、人差し指ではさむように持つ
  4. 尖刃をガイドワイヤーの上に添わせるようにする
  5. 尖刃を、カテーテルが挿入可能な太さまで真皮を切開するように、挿入・抜去する
  6. この際に、カテーテル挿入に不要な切開創をできるだけ作成しない



  1. 尖刃を清潔台の針ゾーンに置く
  2. カテーテル本体を右手前スペースに置く



  1. ダイレーターを、皮膚の近くで把持し、挿入、抜去し、穿刺部を左手で軽く押さえる
  2. カテーテルの先端からガイドワイヤーを入れていく
  3. カテーテルのロックを解除し、ガイドワイヤーを手前に出す
  4. ガイドワイヤーが心房内にすすまないよう、右手でワイヤー手前を固定する 左手でカテーテルをすすめ、12~13cmまで挿入する
  5. ガイドワイヤーをケースに回収し、カテーテルの孔を指でふさぐ
  6. カテーテルにヘパリンロックシリンジを接続し、地面に対して垂直に向ける
  7. カテーテルのエアを抜き、血液の返りは最小限にとどめ、2~2.5mlフラッシュする
  8. カテーテル内に血液成分が残らないようにし、必要以上のヘパリン注入はしない
  9. カテーテルをロックし、ヘパリンロックシリンジをはずし、キャップをつける
  10. ダブルルーメン以上の場合、サイドルーメンはエア抜きせずヘパリンフラッシュのみする
  11. サイドルーメンにもキャップをつける
  12. ここで、念のために透視で位置確認してもよい



  1. カテーテルの皮膚ぎりぎりの位置に固定の羽を装着し、皮膚側まで確実にはまっているこ とを確認する
  2. 固定の羽の溝2か所(穿刺側1か所のみでも可)を2-0ナイロンで結紮し、結び目ギリギリ で切断する
  3. 固定の羽の固定具をはめる。羽と固定具とを、親指人差し指ではさみこむようにして確実に最後まで押し込む



  1. 固定具の穴を通して、皮膚と固定具とを2-0ナイロンで結紮する
  2. カテが抜ける方向に対して最大の固定力を発揮するように + 皮膚とカテーテル固定具との隙間をなくすように、穴の足側から穴に向かってタイトに糸をかける
  3. 糸を結紮したのち、約1cm残して糸を切断する
  4. 最後にレントゲン記念撮影をする


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(投稿者 堀田/川崎)

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