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2022-03-25

急性高山病 Acute mountain sickness

高山病のタイプ
  1. 山酔い(acute mountain sickness, AMS):頭痛や倦怠感など
  2. 高地脳浮腫(high-altitude cerebral edema, HACE):運動失調や混乱など
  3. 高地肺水腫(high-altitude pulmonary edema, HAPE):息切れや呼吸困難感など

高山病の予防及び治療
  1. アセタゾラミドダイアモックス®など)➜ 高地に上がる前あるいは症状出現後に服用.作用機序は利尿作用というより,血液が酸性になり呼吸数が増加して高地に順応できるため.通常の投与量は125mgあるいは250mgを1日2回,高地に行く前日から服用
  2. デキサメタゾンデカドロン®など)➜ 副腎皮質ホルモン剤で山酔いと高地脳浮腫の予防と治療に効果がある(ただし高地順応への効果はなし).山酔いの防止のためにアセタゾラミドを服用し,激しい症状に対する屯用として使用.投与量は6時間毎に4mg
  3. ニフェジピンニフェジピン®など)➜ 高地肺水腫を起こしやすい人に対して高地肺水腫を予防し改善することが知られている.投与量は8時間毎に10mg


🌄 追加コメント
  • 高山病のかかりやすさは生まれつきの要因による部分が多いようで(),2000メートル程度でも生じる場合があるようです.山に登る時は積極的な水分摂取に加えて,アルコールや睡眠薬の回避が望まれます.治療は速やかな下山や酸素投与が有効ですが,上記の3剤は知っておきたい知識です(いずれも保険適応なし).処方箋を発行してもらえる施設のリストはコチラです.

(投稿者 川崎)

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