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2023-06-09

心房中隔脂肪性肥大 LHAS: lipomatous hypertrophy of the interatrial septum

心臓脂肪腫(心臓良性腫瘍の約10%)
  1. 真の脂肪腫(true lipoma)➜ 皮膜に被覆された成熟脂肪細胞にて構成
  2. 心房中隔脂肪性肥大(LHAS)➜ 心房中隔の脂肪細胞増生で皮膜に被覆されず過誤腫様(腫瘍と奇形の中間的な性格) 
  3. 浸潤性脂肪腫(infiltrating lipoma)➜ 皮膜に被覆されず筋線維が徐々に脂肪組織に置換

心エコー図検査の診断基準
  1. 心房中隔の肥厚が15 mm以上
  2. 卵円窩は侵されず特徴的なダンベル様形態(dumbbell-shaped)
  3. 肥厚の原因を説明できる他の疾患を認めない


心房中隔脂肪性肥大(LHAS)と診断された症例の心エコー図と心臓CT

😀 独り言
  • 確定診断には生検が必要と思われます.ただし特徴的な心エコー図所見に加えて,CT値(−50~−100)やMR所見(T1高信号,T2高信号,脂肪抑制画像で抑制)から臨床診断されている症例がほとんどと考えられます.

自験例:本例は心房中隔脂肪性肥大に心房中隔瘤(右房側への固定性変位)を合併

💁 心房中隔に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

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