心雑音と動悸で受診した症例
💀 解説
- ABI(足関節上腕血圧比)低下なし(むしろ高値)
- 下肢血圧が高値(通常は下肢が10~20mmHg↑)
- その差>20mmHgでヒル徴候(Hill's sign)陽性
- 心エコー図では右冠尖bending+重症AR(下図)
👀 ヒル徴候(Hill's sign)
- 英国の生理学者Sir Leonard Erskine Hill(1866–1952)が発見(過去の投稿).一回拍出が増加した速脈で出現することがある.ただしその機序はシンプルではない(過去の投稿).
- 臨床現場ではヒル徴候は大動脈弁逆流に多い(60mmHg以上の差なら重症AR).肥満低換気症候群 OHS に生じた高心拍出性の心不全でヒル徴候が陽性だった症例の経験あり(ココ).
- ABI低下の有無を見る検査のため,実際の血圧値をあまり見ていない方も少なくないのでは?(投稿者を含む😓)本例のような症例もあるためABI値だけでなくて実測値も要確認.
- なおABI検査は心音マイクを装備しているので簡易な心音計として活用可能です.特にマイクを心尖部に置けば,過剰心音を描出してくれます(当院の研究).ただし雑音は苦手?
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 川崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿