- 薬物相互作用には吸収や分布,代謝,排泄があるが,代謝が最も多く認められる
- 特に主要な第Ⅰ相薬物代謝酵素であるシトクロムP450(CYP)の阻害と誘導が多い
- CYPには約60種あり肝臓のCYP2C19はその一つ(下表:基質特異性を有す代表薬)
- CYP2C19には遺伝子多型が存在し*2または*3の変異アレルでは野生型(*1/*1)と比較して酵素活性が低下
- 変異アレルのヘテロ・ホモ・複合へテロ接合体ではCYP2C19活性が低下~欠損し薬剤の代謝速度が低下(下表)
- 変異アレルはアジア人で多い(日本人を含むモンゴル系人種で13〜20%,コーカサス系人種で3〜4%:下表)
😒 とてもややこしい...
- 抗血小板作薬クロピドグレル(プラビックス)はプロドラッグでCYP2C19により代謝されて活性体になるため,遺伝子多型の活性欠損者では期待する抗血小板効果が得られない.一方,プロトンポンプ阻害剤はCYP2C19で代謝されるが,同時にCYP2C19を阻害する.よってクロピドグレルとオメプラゾールやランソプラゾールの併用は避けたい.また真菌薬ボリコナゾール(ブイフェンド)もCYP2C19の阻害作用を有しているため併用禁忌薬が少なくない(添付文書)
- 一方,リファンピシン(リファジン)やフェニトイン(アレビアチン),フェノバルビタール(フェノバール),ハーブの西洋オトギリソウ(セントジョーンズワート)はCYP2C19を誘導する.その結果,ワルファリン(ワーファリン),シクロスポリン(ネオーラル),ジアゼパム(セルシン),ニトラゼパム(サイレース),ジゴキシン(ジゴシン),メキシレチン(メキシチール),テオフィリン(テオドール)等多くの薬剤の代謝を亢進させるので注意が必要
💁 薬物代謝に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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