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2026-07-25
花筵
はなむしろ
状線維化 Storiform fibrosis
炎症細胞浸潤と小型紡錘形細胞からなる極めて特徴的な病理像で,さまざまな程度の線維化を伴う(花筵 [=
storiform
] パターン)
IgG4関連疾患
の包括診断基準の病理学的診断の一つ:特徴的な線維化,特に花筵状線維化あるいは閉塞性静脈炎のいずれか(下図)
他の病理学的診断の2項目:著明なリンパ球・形質細胞の浸潤と線維化を認める&IgG4陽性形質細胞浸潤(40%以上かつ>10/hpf)
引用)
日内会誌 110:1494~1501, 2021
- 花筵様線維化と閉塞性静脈炎 -
(
日内会誌 110:962~969, 2021
)
(投稿者 川崎)
2026-07-24
臨床検査 News No. 4
当院の
臨床検査技術室
が発行するニュースです(過去の投稿 ➜
コチラ
)
(投稿者 林/川崎)
2026-07-23
今週の一枚 🎯
2週間前からの動悸と息切れで来院
🔒 解説
両側の外頚静脈が隆起(呼吸変動なく怒張)
頚部に拍動ありそう → 陥凹の疑い(矢頭)
左だが内頚静脈の視認なら非代償性心不全
その拍動は規則正しく早い(>100回/分)
病歴からも頻拍誘発性の心筋症が疑われた
最終診断は2:1伝導の心房粗動による心不全
😶 独り言
座位での外頚静脈の視認は必ずしも心不全とは言えません。頚部の筋緊張等で静脈灌流が阻害されることがあるためです。しかし本例のように両側で怒張している場合は、中心静脈圧の上昇が疑われます。なお怒張という用語は注意を要しますが(
過去の投稿
)、本例ではOKです。
本例の頚部の拍動は内頚静脈の陥凹です(陥凹時間<隆起時間)。しかし一見、隆起か陥凹かの区別が難しいかもしれません。これは特に頻脈症例で多いと思いますが、こういう場合は右側よりも左側の方が分かりやすい症例があります。なお隆起なら頚動脈拍動との鑑別が必要です。
動脈か静脈かの鑑別は触診をすればすぐに分かると思います。しかしそこはじっと我慢して、視診でどこまで診断に迫れるかが腕の見せ所です。頚静脈拍動から不整脈の鑑別も可能ですが(
過去の投稿
)、そこは
フロッグサイン
を除きあまり拘らないようにしています(
苦い思い出
)。
👻「今週の一枚」の過去の投稿は
コチラ
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(投稿者 川崎)
2026-07-22
ボクサー骨折 Boxer’s Fracture
パンチ動作に関連し生じた骨折で環指や小指の中手骨に多い
特に先端の太い骨頭の根本の細くなった部分(頚部)に発生
若年の男性でスポーツや喧嘩、肉体労働に従事する人に多い
- 職場での口論で机を叩きボクサー骨折を生じた56歳男性 -
(
N Engl J Med 2019;381:969
)
(投稿者 川崎)
2026-07-21
奇脈(Pulsus Paradoxus)の生理学
📧
N Engl J Med 2026;394:2487
に掲載されたレターより
奇脈
は吸気時に収縮期血圧が10mmHgを超えて低下する現象と定義され、しばしば重篤な疾患を疑う手がかりである。
収縮性心膜炎
や
心タンポナーデ
といった心疾患との関連でよく知られているが、喘息やCOPDなどの肺疾患でも見られる。
その機序として、吸気時の全身静脈還流増加、肺血管系への血液プーリング、心室間相互依存性、胸腔内圧の変動の誇張など、複数の要因が示唆されている。なお
この現象は奇脈という名称にもかかわらず、正常な生理反応の誇張に過ぎない
。
奇脈は、他に異常のない肥満患者でもよく見られる所見である。これは腹囲増大が胸壁・横隔膜を圧迫し、呼吸仕事量を増加させる効果によるものと考えられている。従来からストロー呼吸(気道閉塞の模擬)を用いて、教育されてきた。
しかし呼吸速度を遅くするだけで奇脈は有意に増大する。特に注目すべき点として、10秒/呼吸という遅い呼吸だけで、ストローなしでも血圧低下が20mmHgを超えた(下図)。再現性の高いこのプロトコルは教育的に有用である。
肥満や心肺疾患のない健常者でも、遅い呼吸だけで容易に10mmHgを超える奇脈が生じうるということは、呼吸速度の変化が、重篤な疾患を見分けるトリアージツールとしての奇脈の臨床的有用性に影響しうる可能性を示唆している。
- 奇脈に対する呼吸の影響 -
(
@NEJM
)
(投稿者 川崎)
2026-07-20
循環器フィジカル - 100本ノック -
循環器領域の身体所見を学習するために作成された無料アプリ「
循環器フィジカル -100本ノック-
」の動画版です.2026年4月から
循環器Physical Examination講習会
の公式SNSに毎週金曜日にアップしています.こちらのコンテンツにも2週分ずつまとめてアップします.
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心臓Physical Examination広場
とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
2026-07-19
乾癬と扁桃摘出
💁
先日の学校健診で...
医師「大きな病気したことありますか?」
学生「別にないです。でも手術しました」
医師「手術ですか…どんな手術ですか?」
学生「
扁桃摘出
です。
乾癬
があったので」
医師「
乾癬
で手術?…扁桃を摘出…??」
📑 乾癬における扁桃摘出術の有用性
尋常性乾癬7例に対する扁摘の効果とその病理学的特徴について検討
7例の内訳は男性3例, 女性4例であり, 年齢は9歳から46歳であった
扁摘による効果は3例が消失, 2例が著効であり, 治療効果は約70%
病理では, T領域の拡大, Bリンパ濾胞の縮小, アポトーシス細胞増加
乾癬の中には扁桃病巣感染症の特徴を持つ症例が存在することが示唆
引用)
日耳鼻 104:1065-70, 2001
(投稿者 川崎)
2026-07-18
チューリング・テスト Turing test
ある機械が「人間的(人工知能)」かどうかを判定するためのテストで、イギリスの数学者
Alan Mathison Turin
(1912-1954)が考案した(Turing AM. Computing machinery and intelligence, Mind, Vol. LIX, No. 236, 1950:
日本語訳
)
具体的には、「二つの部屋があり、それらの部屋にはケーブルがつながっている。人間とのテキスト対話でコンピュータを人間と誤認したら、そのコンピュータは人間なみの知能をもっているとみなしてよい」というのがこの論文での主張
引用)
人工知能学会誌 26巻 1号 2011年
チューリングテスト
(
AI時代の教育論文誌 2019;1:1-6
)
(投稿者 川崎)
2026-07-17
日本内科学会 第252回近畿地方会より
😀
個人的に気になった報告
演題12
失神精査で発作時心静止と診断した閉塞性肥大型心筋症の1例
心疾患併存例の失神では心原性が疑われやすいが、てんかん発作に伴う発作時心静止(Ictal Asystole:IA)の可能性も念頭に置く必要がある。今回、閉塞性肥大型心筋症(HOCM)を背景とする失神に対し、脳波検査でIAを同定し、ペースメーカー(PM)留置を回避できた1例を報告する。今回の精査中、モニター心電図で心静止が記録され循環器内科でPM留置が予定された。しかし、脳波検査で右側頭部に進展を伴う律動性徐波と一致して心静止を認め、IAと診断した。協議の結果、PM留置は中止とし抗発作薬(ASM)を開始し、以降発作はなく経過している。
演題114
電子処方箋導入に苦慮した診療所の1例
オンライン資格確認の準備段階で光回線を電話通信用とは別に引く必要性を後になり知らされ工期が延び開院は1ヶ月遅れた。業者が用意したオンライン資格確認用のパソコンには診療報酬振込額明細ダウンロードに必要なExcelが入っていなかった。クライアント証明書とHPKIセカンド電子証明書の違いも当初は理解できなかった。クライアント証明書はパスワードとともにベンダーに渡すように指示されたが受取対応を拒否され混乱した。厚労省マニュアルにあるICカードリーダー購入は電子処方箋導入には不要であった。概算費用は顔認証リーダー16万円、オンライン資格確認導入40万円、電子カルテへのオンライン資格確認連携20万円および電子処方箋導入30万円などを要した。電子処方箋導入は補助金を申請したが2回取消となり断念した。
演題115
長期経過の神経性やせ症患者の死後画像
【症例】72歳、女性【主訴】意識障害【経過】やせ願望があった。意識障害で救急搬送されてきた際の身体計測でBMIは11であった。各種問診から神経性やせ症と診断された。低血糖や電解質異常、たこつぼ型心筋症などの対処を要した。各科の協力のもとrefeeding症候群を予防しながら経腸栄養を続けたが、第19病日に死亡された。死後CTを最終生存確認から約2時間後に行い、脳溝、大動脈、左心房、右心房、肝門脈、両腎に散在するガス像を認めた。本症例は著明な代謝性アルカローシスに対する代償性の高PaCO2血症をきたしており、死亡前の採血ではCO2分圧が100torr以上ありそれが循環停止により気化して広範なガス像を形成した原因の可能性もあると考えられた。
💁
学会
に関する過去の投稿 ➜
コチラ
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(投稿者 川崎)
2026-07-16
今週の一枚 🎯
息切れを訴える症例(座位)
🔎 推理
座位で右頚部に周期的な隆起を認める(矢頭)。左側ではあまり隆起が目立たないことより、頸動脈の拍動(
コリガン脈
)よりも頚静脈の拍動(
ランチシ徴候
)と考えられる。よって中心静脈圧は高度に上昇しているため、非代償性心不全と診断できる。
次に心尖部を確認すると複数の肋間で心尖拍動を視認するため(矢印)、心拡大が疑われる。さらに男性であるにも関わらず、乳房が発達している(女性化乳房の疑い)。つまりスピロノラクトンなどミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の服用が疑われる。
さらに左前胸部に埋め込まれているデバイスは通常よりも大きいため、CRTD(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)等と思われる。これらすべてに合致するのはHFrEFで、肋間筋の萎縮も考慮すると悪液質に陥ったステージDの重症心不全の疑い。
🎩 独り言
上記の予想はすべて正解です。まるでシャーロック・ホームズの推理でしょうか? 彼の推理は微細な事実の観察と、そこから論理を組み立てる推論の組み合わせです(AI解説)。
身体所見も少し慣れれば、同じことができるかもしれません。以前にも
フィジカルでここまで分かったという症例
をアップしているので、よろしければご覧ください(
ココ
)。
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(投稿者 川崎)
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