このブログを検索

検索キーワード「抗がん剤」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示
検索キーワード「抗がん剤」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示

2020-04-19

HER2 ハーツー

  • HER2=human EGFR-related 2(ヒトEGFR関連物質2)
  • 細胞表面に存在する糖タンパクで細胞の増殖・分化を調節
  • 初めてのクローニング報告は Science 1985;230:1132-9

HER2陽性の乳がんは全体の10-30%程度で比較的予後が不良であった.しかし2008年に抗HER2療法のトラスツズマブ(ハーセプチン®)が登場し生存率は大きく改善した.

サブタイプ分類 ホルモン受容体 HER2 特徴と基本戦略
エストロゲン プロゲステロン
ルミナルA型 陽性 陽性 陰性 進行は遅い
ホルモン療法
ルミナルB型 陽性 or 陰性 弱陽性 or 陰性 陰性 進行が早い
ホルモン療法と抗がん剤
ルミナルHER2型 陽性 陽性 or 陰性 陽性 進行が早い
ホルモン療法と抗がん剤
HER2型 陰性 陰性 陽性 ホルモン療法+抗がん剤
+抗HER2療法
トリプルネガティブ 陰性 陰性 陰性 化学療法
(PD-L1陽性なら+免疫チェックポイント阻害薬)

🉐 関連投稿(乳房関連)

(投稿者 川崎)

2023-03-08

ドセタキセル(Docetaxel)と浮腫

👾 ドセタキセル(Docetaxel)
  • 概略 タキサン系抗がん剤で微小管に結合し有糸分裂を阻害(商品名:タキソテール他)
  • 適応 乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌、卵巣・子宮体癌、食道癌、前立腺癌(DI

👿 注意点
  • 抗がん剤であるため脱毛・血球減少・嘔吐・アレルギーなどが生じ得るが,ドセタキセルには体液貯留という副作用あり.これはタキサン系薬剤による血管透過性の亢進による特徴的な有害事象で,四肢だけでなく体幹にも出現し胸水や腹水貯留を引き起こすこともある(引用).

👾 癌治療後の浮腫:リンパ節郭清後 and/orドセタキセル関連
  • 対象 5年内にドセタキセルの投与された乳がん43例
  • 除外 心機能障害例,肝機能障害例,深部静脈血栓例
  • 頻度 30.2%に下肢浮腫,投与4回目が最多(46.2%)


💁 乳がんに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-06-15

妊孕性

妊娠するために必要な能力のことで読み方は「にんようせい」

妊孕性を構成する主な要素
  • 女性 ➜ 子宮・卵巣・卵子・排卵
  • 男性 ➜ 精巣・精子・射精・勃起 


妊孕性は手術や抗がん剤,放射線治療などの“がん治療”によって障害される.よって様々な妊孕性温存療法が開発されている(詳細は日本癌治療学会がん診療ガイドラインの妊孕性温存へどうぞ)

😒 過去の漢字に関する投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川﨑)

2023-03-22

手足症候群 Hand-Foot Syndrome

😅 先日の研究会で...

  • 概要 抗がん剤により手と足(特に手掌と足底)に生じる皮膚有害反応
  • 歴史 以前はフッ化ピリミジン,近年はカペシタビンやキナーゼ阻害薬
  • 所見 紅斑・腫脹.角化,色素沈着,水疱,爪甲変化,知覚異常・疼痛
  • 機序 薬剤による表皮細胞への直接的・間接的障害+外的な機械的刺激
  • 検査 手足症候群と因果関係のある臨床検査値異常は報告されていない
  • 鑑別 湿疹(洗剤皮膚炎や指掌角皮),白癬,凍瘡,掌蹠膿疱症,乾癬
  • 対処 生活指導(物理・熱刺激・日光の回避),皮膚保護,2次感染予防
  • 投薬 休薬,尿素軟膏やヘパリン類似物質など,NSAIDs,ステロイド他

原因となる医薬品と頻度

グレード 臨床領域 機能領域
1 しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、 無 痛性腫脹、無痛性紅斑、色素沈着、爪の変形 日常生活に制限を受ける ことのない症状
2 腫脹を伴う有痛性紅斑、 爪甲の高度な変形・脱落 日常生活に制限を受ける症状
3 湿性痂皮・落屑、水疱、潰瘍、強い痛み 日常生活を遂行できない症状



紅斑・腫脹の実例

💁 抗がん剤に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2018-09-23

第221回近畿地方会(日本内科学会)

演題49 抜管後の喉頭浮腫による陰圧性肺水腫の1例
  • 陰圧性肺水腫(Negative pressure pulmonary edema, NPPE)は上気道閉塞の解除後に急激に発症する肺水腫.その機序として,著明に低下した胸腔内圧(例,-50cmH2O)による肺毛細管透過性亢進,静脈還流の増加,膨張性肺水腫,びまん性の肺胞出血などが考えられている.

演題100 免疫チェックポイント阻害薬による心筋炎が疑われたが、ステロイド治療により救命し得た1例
  • 近年,新しい抗がん剤として免疫チェックポイント阻害薬(ICI: immune checkpoint inhibitor)が多用されているが,心毒性が少なくないようです(1%に心筋炎? 当院でも最近経験).高容量副腎皮質ステロイドの有用性を示す症例報告に注目.

演題173 胸腔鏡下手術後、Hungry bone症候群を発症した異所性副甲状腺機能亢進症の1例
  • Hungry bone syndrome(HBS)とは過剰に分泌された副甲状腺ホルモンにより骨が血清Caを過剰に吸収する結果,低Ca血症が遷延する病態.副甲状腺腫瘍の切除術後に発症する可能性があり,カルシウム補正に時間がかかる(入院期間の延長および退院後の長期内服加療).

👶 上記は個人的に気になった演題です(実は演題8と101も…同一施設から同一症例❓)

(投稿者 川崎)

2025-01-18

アルファガル症候群 α-Gal syndrome

  • 概略 galactose-α-1,3-galactose(α-Gal)に対する特異的IgE抗体による反応
  • 感作 マダニ咬傷を介して糖鎖α-Galに経皮的な感作(α-Gal特異的IgEの産生)
  • 発症 α-Galを含む獣肉(哺乳類)で遅発性アレルギー(別名は肉アレルギー)
  • 追加 カレイの魚卵や抗がん剤のセツキシマブでも発症(鶏肉は問題ない)
  • 対策 マダニ回避(ペットや家畜を避ける)で経時的に改善することが多い


α-Gal症候群のイメージ

🍖 おまけ
  • α-Gal症候群は血液型がB型やAB型の人では少ないようです.同血液型ではガラクトース抗原が存在するため,α-Galに対するアレルギー反応が起きにくいようです.
  • 同様の理由で,表面にα-Galを持つマラリアや結核の発生率は流行地のB型頻度と正の相関関係があり,α-Galを持たない病原体のデング熱では無関係だそうです.


💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-06-26

分かりにくかった頸動脈二峰性拍動

全身浮腫と息切れで受診した化学療法中の担癌症例(臥床)

👶 解説
  • 左側の頸動脈拍動を伝える舌圧子に明瞭な上下運動あり
  • その動きは二峰性拍動(pulsus bisferiens/biphasic pulse)
  • 心エコーでは左室流出路狭窄,僧帽弁逆流,左室過収縮
  • 抗がん剤による体液貯留で生じた高拍出性心不全と診断

😅 診察室実況
  • 収縮期駆出性雑音(3度)があったため流出路狭窄も鑑別診断には含めたが,初回の頸動脈診察で二峰性拍動とは診断できなかった.心エコー図の結果(左室流出路圧格差>60 mmHg)に驚いて,頸動脈の診察をやり直した時の動画が上記である.
  • 頸動脈の2峰性拍動といえば閉塞性肥大型心筋症(spike and dome型:自験例)と大動脈弁逆流(鋭い2峰:自験例)が有名である.本例の様に反応性の過収縮から生じた左室流出路狭窄による2峰性拍動はあまり明瞭にはならないのだろうか?

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)