- 運動中に突然の頻呼吸と右上肢の痺れが出現した症例の胸部CT(左,単純:右,造影)
- 単純CTでは上行大動脈の拡大と右側に三日月型のCT値上昇があり,下行大動脈にフラップを疑う
- 造影CTでは偽腔の造影は目立たないが,上行大動脈から造影剤の滲み出し ULP あり(下図矢印)
- 早期血栓閉塞型大動脈解離(スタンフォードA型)と診断 ➜ 緊急手術で他院心臓血管外科へ搬送
🚑 臨床現場
- 当初は過換気が疑われ当院ERに搬入されたが,片側の痺れは過換気では説明できない(と感じた初期研修医がエライ!).その後の追加問診で突然発症の胸背部痛が先行していたことが判明した.
- 本例の右側の痺れは腕頭動脈に解離が及んでいたためと考えられた(上図右の3D構築).ただし搬入直後に評価した両上肢の血圧値に左右差はなかった(共に90-100mmHg).
- 急性大動脈解離の国際レジストリー(JAMA 2000;283:897-903)では464例中21例(4.5%)に疼痛を認めていないことに注目.ちなみに本例の胸部X線には特記すべき異常(例:Caサインー解説・画像ーや縦隔幅の拡大)はなかった.
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(投稿者 川崎)
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