このブログを検索

2020-10-04

黒内障 Amaurosis

😟 診療現場
  • 先日,近隣の眼科クリニックから黒内障に対する精査依頼がありました
👀(一過性)黒内障 Amaurosis (fugax) 
  • 症状:突然片眼の視野が幕が降りるように上方からまたは幕がせり上がるように下方から暗くなり完全な盲となるが数分後には自然に回復
  • 原因:内頸動脈のアテローム硬化性閉塞性病変,眼動脈狭窄,心疾患,卵円孔開存,大動脈疾患,凝固線溶系異常(抗りん脂質抗体症候群など)
  • 鑑別:網膜動脈閉塞症(一般に視機能予後は不良で著しい視力・視野障害を残す)および虚血性視神経症(動脈硬化型または動脈炎型)
- 推奨される検査 -
😁 おまけ
  • 初報はM Fisherのtransient monocular blindness(一過性単眼盲)(AMA Arch Ophthalmol. 1952;47:167-203)という記載を見つけました,しかし本邦では100年以上前の1900年 (明治33年)にすでに関連論文が出版されています(中央獸醫會雑誌 1900;13:26-31
  • 白内障緑内障ではなくてと記載されます(その理由?).そもそもは”間に立ちふさがってじゃまをする”という意味であるため,黒内障はまさにがぴったりだと思います.今回の患者さんも「なんか急に幕が降りてきて邪魔だった」と言っていました.

(投稿者 川崎)

0 件のコメント: