息切れと心雑音で循環器内科を紹介受診した症例
😗 ヒル徴候(Hill's sign)陽性
- 下肢の収縮期血圧が上肢より>20mmHg高い状態(健常者は下肢が10~20mmHg高)
- ヒル徴候陽性は大動脈逆流の診断に対する感度89%,特異度71-100%(過去の投稿)
- 通常は末梢動脈疾患を疑い下肢血圧の低下に注目するが,本徴候は逆に上昇してくる
- 本例は拡張期雑音があり心エコー図で高度大動脈弁逆流を確認 ➜ 後に弁置換術を施行
👺 機序 (分かるようで分かりにくい? 引用に一部追加)
- 血圧は心臓からの駆出波とその反射波の合算から成る
- 下肢の動脈壁は上肢の動脈壁に比べてより筋成分が多い
- さらに下肢動脈は大動脈の直接延長であるが,上肢動脈は約90度の角度で発生
- その結果,下肢動脈で圧力波はより高速に伝わり末梢で反射されて駆出波と合流
- よって(一回拍出が多い大動脈弁逆流では)下肢血圧が上肢血圧より明らかに上昇
※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 川崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿