123I-MIBGシンチグラフィ
🚑 解説
- 画像検査で偶発腫瘍を指摘され当院を受診(症状なし)
- CTで30㎜×30㎜の副腎腫瘍で内部のCT値は50 HU程度
- MR T2強調画像で高信号(一部は混在)で脂肪抑制なし
- シンチは投与6時間と24時間後像に明瞭な集積(下矢印)
- 褐色細胞腫で転移なしと判断(ただし甲状腺はやや亢進)
😎 追加コメント
- 褐色細胞腫(Pheochromocytoma)と言えばMIBGシンチというぐらい信頼されている検査です(他例).MIBG注射液の効能又は効果は「心シンチグラフィによる心臓疾患の診断」と 「腫瘍シンチグラフィによる下記疾患の診断:神経芽腫、褐色細胞腫」です.心臓サルコイドーシスのPETほど適応が厳密ではないため(組織の証明が必要),臨床現場はとても助かります.
- 実際に心臓疾患に対するMIBGシンチグラフィの診療的意義は(特殊な状況を除き)高くないと思われます.異常を検出する感度は高いのですが,疾患特異性がほぼないと考えられるからです.ただし近年ではレビー小体型認知(DLB)で活路が見出されてきました(過去の投稿).MIBGの効能・効果には記載されていませんが支払基金審査が使用を認めています(審査情報).
- 褐色細胞腫はユニーな症状(突然の発汗やほてり,頭痛など)を示すことで有名です.よって病歴聴取から「これはひょっとして…」と思い画像検査を行いますが同疾患ではないことがほとんどです.投稿者の総合診療の師匠によると「300回検査して1回遭遇する程度」だそうです.本症例を供覧していたカンファレンスでも自ら診断したことがある方は誰もいませんでした.
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 川崎)
1 件のコメント:
6時間後像ではりますが、心臓へのMIBG集積が認められないのも意味があります。
心臓への初期摂取が少なく、washoutが早くなるためと思われます。
血中NE上昇と関連すると推定され、術後改善します。
元上司
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