このブログを検索

2023-10-02

楽音様雑音 Musical murmur

😀 先日の学会で...
  • 友人のフィジカル匠からナイスな論文を教えてもらったのでまとめておきます

🎼 楽音様雑音(Musical murmur)
  • 心エコー図と心音図を行った3,255例中93例(2.9%,男49例・女44例,平均55歳)
  • 出現時相は収縮期が77例(83%)で,拡張期が16例(17%)(拡張早期雑音は8例)
  • 大動脈弁由来が43例:31例が弁の石灰化で,その他には疣腫,術後の変化,弁逸脱
  • 僧帽弁由来が26例:17例が弁逸脱,他は弁輪石灰化,疣腫,術後変化,弁輪拡大
  • 三尖弁由来が10例:弁石灰化1例,2次性閉鎖不全5例,ペーシングリード関連4例
  • 弁膜症はAS 14.3%,AR 8.7%,A弁石灰化 5.0%,MR 6.3%,連合弁膜症3.1%,MSなし
  • 先天性心疾患ではVSD 4.7%のみで,他はHCM 5.1%,ペースメーカ植込み例が10.5%



😃 追加コメント
  • 本論文内の楽音様雑音の定義は「聴診上純音で,楽器の音や鳥の鳴き声に代表されるような特徴的な雑音を聴取し,心音図で規則正しい正弦波形を呈したもの」です.なお正常心に認められる若年者の Still's murmur(収縮期前半の低調なブンという無害性(機能性)雑音)は除外されています.
  • 楽音様雑音でも比較的短い雑音なら"honk"(自動車のクラクション)や"whoop"(フクロウなどのホーホーと鳴く声),大動脈弁逆流雑音の長い持続なら"seagull cry"(カモメの鳴き声)などと称されているとも記載されています."seagull cry"は"dove-coo murmur"(ハトのクークー鳴く音)や"cooing murmur"(乳児のア〜 or ウ〜という発語)とも言われます.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

0 件のコメント: