呼吸困難感を訴える症例(来院時と治療2週間後)
😎 解説
- 聴診器のベルを用いて心尖部で聴取される独特の音感に注目して欲しい。これは馬が駆けるリズムに似ることからギャロップ(gallop)と呼ばれ、非代償性心不全を示唆する。特に左側臥位で聴こえやすいが、呼吸困難感が強い時に臥床の体位は難しい。荒い呼吸時や騒がしい救急現場での認識は必ずしも容易ではないが、重症心不全を強く示唆するためその臨床的意義は高い。なお治療2週間後にもギャロップは消失していない。
😛 深堀
- ギャロップを構成する過剰心音にはS3とS4があり、各々S3ギャロップ(心室性奔馬調)やS4ギャロップ(心房性奔馬調)と呼ばれている。S3とS4が重なる重合奔馬調律やS3とS4を同時に認める四部調律という病態もある。本例は来院時は重合奔馬調律で,2週間後は四部調律と考えられた。心不全の治療に伴い心拍数が低下して,重合奔馬調律が四部調律に変化することは臨床現場でしばしば経験される。
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(投稿者 川崎)
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