- 第六肋骨〜前腋窩線〜左肋骨弓で囲まれるスペースで通常は胃内のガスによる鼓音あり
- この領域に濁音界があれば脾腫の感度は62%,特異度は72%(JAMA 1993;270:2218-21)
- ドイツの医師 Ludwig Traube (1818–1868)が発見(血栓症で有名なVirchowの同僚です)
- ただし報告したのは弟子 Fraentzel(Berliner klinische Wochenschrift 1868;5:509-11)
- 上図の黒線で囲まれる部分がトラウベの三角形で,脾腫を判定する他の打診は下記の方法がある
- キャステル(Castell)法 ➜ 仰臥位+深吸気で前腋窩線の最も低い肋間の打診で濁音なら脾腫を疑う
- ニクソン(Nixon)法 ➜ 右側臥位で左肋骨弓から頭側に打診して濁音界が8cm以内なら脾腫を疑う
🔍 トリビア
- Traubeは,1816年に仏人医師ルネ・ラエンネックが発明した聴診器のチェストピ-ス(患者さんに当たる部分)を大きくした.聴診精度の改善を目指したようであるが,痛くなくなったことのほうが好評だったとか...
- トラウベの単耳式聴診器は一部の国では胎児心音を確認するため現在でも用いられており(アマゾンで購入可能),日本助産師会のマークになっている.聴診器の歴史に興味がある方 ➜ コチラ
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(投稿者 川崎)
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