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2017-02-11

緑膿菌

難治性肺炎の症例から得られた喀痰のグラム染色と培養像


グラム染色では細長い小型のグラム陰性の桿菌および白血球による貪食像を認める
培養像では緑色の集簇を形成し最終的に緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa と診断された

病原性を有する緑膿菌はムコイドを産生することが多い()が,本例は非ムコイド型緑膿菌
 ➣ ムコイド型緑膿菌はコチラ (グラム染色だけでなく培養像でもネバネバ感が伝わる)

(投稿者 川崎)

2017-02-10

高ナトリウム血症

Naが体液に対し相対的に増えると高Na血症となる。
①ナトリウムが体液より増えるか
②体液がナトリウムより減るか

体液が増えている高Na血症はまれであり、高Na血症は体液量が減っている、つまり脱水になっていることが多い。

【体液が減少】
まず生理食塩水を投与して体液を十分に補う。それから1号輸液を投与して水を補う。

★体液の減少を示す指標となるものは何か。
体重の急な減少
尿中ナトリムが10mEq以下
BUN クレアチニン比が20以上

治療
体液が減っている場合は生理食塩水を輸液する。体液の減少がひどいのなら、生理食塩水を輸液する前に、まず5%アルブミンを用いる。

★体液減少を伴う高Na血症に低張液はやめましょう。

なぜ?

高ナトリウム血症の時、脳細胞は細胞内の浸透圧を高め、細胞内脱水を防いでいる。この状態で低張液を急速に大量に輸液すると水は浸透圧勾配で脳細胞の中に入り細胞内浮腫となる。これは脳に大きな障害をもたらす。それで体液減少を補うのに1号輸液、3号輸液、5%ブドウ糖液などの低張液を急速に大量に輸液すべきでない。体液を十分に補正してから、低張液を輸液して水を補い、浸透圧を下げる。

(投稿者 安田)

巨赤芽球性貧血

ⅠVit.B12欠乏
 ・悪性貧血:抗胃壁抗体陽性(萎縮性胃炎を反映)、抗内因子抗体陽性
 ・胃切除後
 ・回腸末端病変
 ・blind loop synd
 ・菜食主義者
治療はVit.B12の投与

Ⅱ葉酸欠乏
 ・慢性アルコール中毒
 ・吸収不良症候群
 ・溶血
 ・妊婦
治療は葉酸の投与

(投稿者 八代)

原因菌の同定に100年を要した感染症

ウィップル病 Whipple's disease

1907年に米国の病理学者であるGeorge Hoyt Whippleにより報告された炎症性疾患
原因菌 Tropheryma whippelii の培養に成功したのは今世紀に入ってから

  • 40歳以上の白人男性に多く,腸管を中心に心臓や肺、中枢神経などの全身臓器に感染
  • 症状は下痢,脂肪便,体重減少,発熱,リンパ節腫脹,心内膜炎,胸膜炎,関節炎など
  • 診断はPAS染色陽性となる炎症細胞内顆粒,PCR,16S rRNA遺伝子の証明など
  • 治療はSM+PCGあるいはSM+CTRXを2週間投与した後にST合剤を1~2年内服する

詳細はこちら ⇒ Whipple's disease. N Engl J Med. 2007;356:55-66.

(投稿者 川崎)

DAP+RFP

ペースメーカ創部のMRSA感染に対して本来を体側に移動+デブリドマン後にDAPとRFPを投与した
ブドウ球菌はバイオフィルム(菌膜:微生物により形成される構造体)により治療がより困難になりやすい

  • DAP ダプトマイシン:皮膚や骨への組織移行が良好で治療薬物モニタリングTDMが不要
  • RFP リファンピシン:バイオフィルムに対する効果が期待できる(MRSAの保険適応なし)

詳細は「MRSA感染症の治療ガイドライン - 日本感染症学会」を参照してください

(投稿者 川崎)

2017-02-09

心電図クイズ

持続する胸部違和感で救急外来を受診した症例.診断は?



急性側壁心筋梗塞(主に回旋枝病変)では心電図変化に乏しい症例が少なくない
本例でも心電図に目立った変化はない(強いて言えばV6でSTが少し上昇??)

そんな時のポイント
 ・ 以前の心電図があればST変化を比較する
 ・ トロポニン測定(CK上昇は発症約4時間後~)
 ・ 心エコー図で側壁の壁運動低下の有無を確認

(投稿者 川崎)

ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌

ブドウ糖を嫌気的に発酵しないグラム陰性桿菌の総称
non-fermenting gram-negative rod
  • 特徴:栄養要求性が低いため,血液や尿などがない環境でも生存可能
  • 分布:自然界(土壌や水系)だけでなくヒトの皮膚や粘膜,病院の水道蛇口やトイレなど
  • 種類:緑膿菌が圧倒的に多く,アシネトバクターやステノトロフォモナスなどが続く
  • 毒性:弱毒菌であるが抗菌薬に耐性を示すことが多く日和見感染症を引き起こす

詳しくはコチラ ⇒ グラム陰性桿菌-非発酵菌を中心に-(環境感染 2000;15:42-45)

(投稿者 川崎)

2017-02-08

反復唾液嚥下テスト(RSST)

RSST = repetitive saliva swallowing test
嚥下障害に対する簡易スクリーニングテストの一つ
  • 方 法:30秒間で可能な唾液嚥下の回数を測定(甲状軟骨を触って確認)
  • 評 価:正常は30秒で3回以上/30秒で2回以下なら誤嚥ありと考える
  • 診断能:感度0.98、特異度0.66 (リハ医学 2000;37:383-388

※当院でも誤嚥性肺炎では言語聴覚士らによって施行されているので結果を確認(もちろん自分でも行えます)

(投稿者 川崎)

大阪府立公衆衛生研究所

大阪市東成区にある衛生に関する総合的な研究機関 ⇒ ホームページはコチラ
健康に関する様々な検査・調査・研究・研修および情報の収集・解析・提供を行っている
しばしば公衛研と略される(英名はOsaka Prefectural Institute of Public Health)

沿革
  • 1880年に警察部衛生課に設置された細菌検査・化学試験の検査室が前身
  • 大阪府立衛生研究所,大阪府立労働科学研究所を経て,1960年から現名称

ウイルス性感染症の病原体検索および分析を目的とした検体の提出が可能
 (当院でもパレコ3型ウイルスの同定など日ごろからお世話になっています)

(投稿者 川崎)

2017-02-07

MVO

心電図異常で心エコー図を施行した症例.診断は?



答え 心室中部閉塞性心筋症
Midventricular obstructive hypertrophic cardiomyopathy (MVO)

  • 肥大型心筋症の一亜型で,中央がくびれた砂時計のような形態が特徴的
  • 心筋梗塞後の心尖部瘤とは異なり,心尖部の壁厚がある程度保たれている
  • 通常の肥大型心筋症より心血管事故のリスクが高いという報告がある

(投稿者 川崎)