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2023-10-31

インボス INVOS

  • Medtronicが開発したINVOS™:IN Vivo Optical Spectroscopyのこと
  • 脳や骨格筋など組織酸素飽和度を連続測定(別名は脳オキシメータ)
  • NIRS:near infrared spectroscopy(近赤外線分光法)を用いて測定
  • rSO2は患者やセンサー貼付位置などで変化するが成人目安は70±10%
  • 心臓大血管手術で脳障害・脳機能障害を防ぐなどに有用(最下図)
  • (インボイス制度とは違います 😅 先日講演時に提出を求められました)

例:脳オキシメータ:INVOS 5100 システム

NVOSを用いた臨床研究によって示唆された有用性

(投稿者 川崎)

2023-10-30

視診だけでは難しいが...

労作時の動悸感を訴える症例(端座位)

😀 解説
  • 安静時や吸気時に鎖骨上にわずかに拍動あり??
  • 前屈で周期的拍動(隆起)が明瞭になった(矢印)
  • 隆起を触ってみると明らかに動脈性拍動であった
  • 本例は最終的に心不全の状態ではないと判断した

 😎 追加コメント
  • 前屈で頸静脈所見が悪化する症例は少なくありません.陥凹から隆起になることが多いと思いますが(自験例),吸気陰性なのに前かがみでいきなり陽性波を示す症例もあります(自験例).前屈は吸気負荷よりも心臓への負担が大きいと思います.
  • 本例も一見,中心静脈圧の上昇が疑われましたが,最終的には体位変換に伴って顕性化した動脈拍動でした.大脈を示す病態(大動脈弁逆流や甲状腺機能亢進,発熱,貧血など)はないため,加齢に伴う動脈蛇行(=偽コリガン脈)と診断しました.
  • 鑑別すべき病態に肥大型心筋症のa波の顕性化があります(自験例).触診で静脈を確認したら次は脈や心音を併用した時相確認が必要です.隆起のタイミングが前収縮期なら硬くなった心室(HCMなど)や不整脈(キャノンa波)などを考えます.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-10-29

BPPV:ヘッドアップ就寝治療

🛏 Head‐Up Sleep
  • 良性発作性頭位めまい症(BPPV)はめまいの最多疾患で生涯の有病率は2.4%
  • 原因は卵形嚢や球形嚢の小さな破片(浮遊耳石)が三半規管に迷入するため
  • 45度前後のヘッドアップ睡眠(少なくとも数ヵ月)は耳石の迷入予防に有用
  • 奈良県立医科大学の北原先生(めまい難聴センター)らが考案した方法(#

BPPV患者に対するヘッドダウン睡眠とヘッドアップ睡眠の効果

💁 めまいに関する過去の投稿 ➜ コチラ(PCなら右欄からも選択可能)


(投稿者 川崎)

2023-10-28

MPOWER Mパワー

  • WHOが提唱する脱たばこへの取り組み(WHO Framework) 
  • 以下の6つの政策から成り2008年にはじめて打ち出された
  • 3番目はOffer to help quit tobacco useのほうが良さそう?

🚭 M-Power
  1. Monitoring tobacco use(たばこの使用を監視する)
  2. Protect people from tobacco smoke(たばこの煙から人々を守る)
  3. Quitting tobacco use(たばこの使用をやめる)
  4. Warning about the dangers of tobacco(たばこの危険性を警告する)
  5. Enforcing tobacco advertising, promotion & sponsorship bans(たばこの広告、宣伝、スポンサー活動の禁止)
  6. Raising taxes on tobacco(たばこ増税)

- WHO(世界保健機関)の動画 -

(投稿者 川崎)

2023-10-27

Multiple Drug Intolerance Syndrome(邦名は多剤不耐症候群?)

  • 先日,抗生剤など様々な薬剤に新たなアレルギーを示すようになった方を経験しました.決してアレルギー体質の患者さんではなくて,それまでに同じ抗菌薬などの複数回投与も問題ありませんでした.主治医の先生にMultiple drug intolerance syndromeという病態があることを教えてもらいました.

💣 MDIS: Multiple Drug Intolerance Syndrome
  • 概略:化学的,薬理学的,免疫原的に無関係な少なくとも3つの薬物に対する副作用を示す状態
  • 類似:multiple drug hypersensitive syndromeやmultiple drug allergic syndromeは通常2剤以上
  • 疫学:米国の統合医療システム患者の6.4%で,女性に多く(特に白人),年齢の中央値は57歳
  • 症状:発疹や皮膚炎,蕁麻疹,掻痒感,血管浮腫,息切れ,アナフィラキシー,鼻炎(頻度順)
  • 併存:慢性蕁麻疹/血管浮腫(OR 2.61),自己免疫疾患(OR 1.66),悪性腫瘍,不安/うつ病他
  • 薬剤:抗生剤(ペニシリン他),アヘン,スルホンアミド,NSAID,造影剤,ACEi,スタチンなど


💁 アレルギーに関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2023-10-26

今週の一枚 🎯

下腿症状で来院した男性

☆ 解説
  • 皮膚の肥厚と境界不明瞭な色素沈着,鱗屑,苔癬化
  • 右下腿前面の中央付近にびらんまたは潰瘍の治癒跡
  • 本例に下肢静脈瘤を示唆する所見は明らかではない
  • 男性にもかかわらず下腿に体毛をほとんど認めない
  • 最終的に慢性両心不全によるうっ滞性皮膚炎と診断

★ 鬱滞性皮膚炎(Stasis dermatitis)
  • ヒト下肢静脈は,深部静脈・表在静脈(伏在静脈)・深部と表在をつなぐ穿通枝・ポンプ作用を担う静脈洞から構成される.なんらかの原因で静脈圧の上昇を生じて皮膚炎をきたした病態がうっ血性皮膚炎で,重症化すると下肢静脈性潰瘍を生じる.
  • 下肢静脈高血圧のため慢性的に血管透過性が亢進して,フィブリノーゲンや赤血球が血管外に漏出して炎症を惹起し,ヘモジデリン沈着や結合織の増生と硬化を生じる.組織レベルでの動脈血流入が減少して栄養状態が障害されると皮膚潰瘍に至る.
  • 通常は50歳以上の方に多く,男性よりも女性の方が罹患頻度は高い.原因には静脈瘤,肥満,(多胎)妊娠,下肢静脈血栓,心不全,腎不全,高血圧,特定のライフスタイル(例:少ない身体活動や長時間の立位・座位),下肢の外傷後などがある.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-10-25

PERC rule パーク・ルール

  • Pulmonary Embolism Rule-out Criteriaの略で肺塞栓症を除外する基準のひとつ
  • オリジナルは米国の救急医Klineらの報告(J Thromb Haemost 2004;2:1247-55
  • 目的は救急室で肺塞栓症除外の不要な検査を回避(CTだけでなくDダイマー含)
  • 以下の8項目をすべて満たせば肺塞栓症は除外:感度は96% (90–99%),特異度27%

💣 PERC基準
  1. age <50 years(50歳未満)
  2. pulse <100 bpm(脈拍100回未満)
  3. SaO2 >94%(酸素飽和度94%より高値) 
  4. no unilateral leg swelling(片側の下肢腫脹なし)
  5. no hemoptysis(血痰なし)
  6. no recent trauma or surgery(直前4週以内の手術あるいは外傷なし)
  7. no prior PE or deep venous thrombosis(肺血栓塞栓症や深部静脈血栓の既往なし)
  8. no exogenous estrogen use(エストロゲンなどホルモン剤の未使用)

💁 肺塞栓のWells スコアコチラ

(投稿者 川崎)

2023-10-24

抗凝固薬と過多月経

👀 月経の復習
  • 月経:限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血(通常は約1月間隔)
  • 過多月経:月経量が多いもの(通常140 ml以上であるが1周期の総量の測定は困難)
  • 月経血が80 mL以上のあると60%の女性が貧血(フェリチン低値のオッズ比は5.71)


🐣 ワルファリン添付文書
  • 禁忌(次の患者には投与しないこと)2.1 出血している患者(血小板減少性紫斑病、血管障害による出血傾向、血友病その他の血液凝固障害、月経期間中、手術時、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産褥婦、頭蓋内出血の疑いのある患者等)[本剤を投与するとその作用機序より出血を助長することがあり、ときには致命的になることもある。]
  • 特定の背景を有する患者に関する注意 9.4 生殖能を有する者 妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、事前に本剤による催奇形性、胎児の出血傾向に伴う死亡、分娩時の母体の異常出血の危険性について十分説明すること。

🐥 アピキサバン添付文書
  • 副作用発現頻度は、19.4%(520/2,676例)であった。主な副作用は、鼻出血2.4%(63/2,676例)、挫傷1.3%(34/2,676例)、月経過多1.2%(33/2,676例)及び血尿1.2%(32/2,676例)であった。
🐤 エドキサバン添付文書
  • 副作用発現頻度は、エドキサバン群で25.0%(1,029/4,118例)であった。主な副作用は、鼻出血3.3%(134/4,118例)、月経過多2.1%(85/4,118例)であった。


(投稿者 川崎)

2023-10-23

心不全の診断

  • 心不全の本態:左室拡張期圧の上昇(心臓が広がりきったときにかかる圧を逃がしきることができない状態)
  • 診断時にアクセスの容易な所見:①心尖拍動,②両肺ラ音,③傍胸骨拍動
  • 経験を要するが特異性の高い所見:①III音,②頸静脈怒張





😗 独り言
  • 「心不全かも?」と思った時に心尖拍動や傍胸骨拍動がアクセス容易な所見であることにはとても同意します.しかし残念ながら心不全診療の現場で活用されているとは(全く)思えません.とにかく触ってみるという一歩を踏み出してみることが大切でしょうか(難しいことは考えずに)
  • 本論文では頸静脈所見が経験を有する所見に分類されています.これは従来から行われてきた方法論に起因する問題だと思っています(ルイス法).例えば45度の半座位なんて臨床現場では困難です.是非とも簡易定性法座位で鎖骨上に見えるか否か)を試してください.ハマります😊

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶


(投稿者 川崎)

2023-10-22

ラテックス・フルーツ症候群 Latex-fruit syndrome

  • 背景:天然ゴムであるラテックス(latex)に対するIgE依存性即時型アレルギー反応のこと
  • 製品:医療(手袋,歯科用ラバー,カテーテル他)や日用品(風船,家庭用手袋,玩具など)
  • 経路:手袋から溶出して皮膚から侵入や手袋パウダー(ラテックス吸着)の飛散を吸入など
  • 検査:抗原特異的IgE検査(特にHev b 6.02特異的IgE),皮膚テスト,負荷(装着)試験など
  • 合併:ラテックスアレルギーの30~50%がバナナ,アボガド,クリ,キウイなどにもアレルギー
  • 初報:ラテックス―フルーツ症候群はスペインのBlancoらが報告(Ann Allergy 1994;73:309-14
  • 原因:天然ゴム ラテックスのアレルゲン蛋白質とフルーツのアレルゲンが交差反応するため
  • 症状:フルーツを摂取した直後からの口腔咽頭粘膜の違和感や痒み(口腔アレルギー症候群)
  • 注意:ハイリスクは医療従事者,二分脊椎症(頻回の手術と医療用具使用),アトピー素因


💣 アレルギー に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PCなら右欄から選択可)

(投稿者 川崎)