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2024-12-14

アレルギーマーチ The allergy march

  • アレルギーの行進という意味で,親から遺伝によってアレルギーになりやすい体質を受け継いだ子どもが,乳幼児期にまずアトピー性皮膚炎や湿疹を起こし,年齢と共に気管支喘息やアレルギー性鼻炎にもなるなど,次から次へとアレルギーが症状を変えて進展していく様子を行進にたとえて呼んだもの. 


アレルギーマーチ
アレルギー 2017;66:190-203/Allegy & Clinical Immunology News 1989;1:71-31)

👉 アレルギーに関するの過去の投稿は コチラ(PC版なら右下欄から選択可能)

(投稿者 川崎)

2021-11-16

🍛 カレーアレルギー

カンファレンスの一コマ 💨
  • 研修医 「本例の主訴は ”カレーを食べると必ず吐く” です」
  • 指導医 「カレー?そのカレーが古くなってたんじゃないの」
  • 研修医 「外食や自炊,ルーにかかわらず常に吐くそうです」
  • 指導医 「カレーアレルギー?そんなん聞いたことないけど」

カレー粉の成分
  1. 辛味 ➜ カイエンペッパー,コショウ,チリーペッパー,ニンニクほか
  2. 芳香 ➜ クミン,コリアンダー,シナモン,ナツメグ,カルダモンなど
  3. 色調 ➜ ターメリック(鬱金またはウコン),サフラン,パプリカほか

😎 松下なんでも調査隊
  • カレーに含まれる食材(甲殻類やピーナッツなど)アレルギーは散見されます.スパイス自体に対するアレルギーの報告もあるようですが,スパイスの塊であるカレー粉(curry powder)に対するアレルギーは不思議と目にしません(でした).
  • しかしカレー粉はヨモギ花粉(mugwort pollens)と交差反応性を示すため,実は隠れたアレルゲンだそうです().実際に "Allergy to curry: case report" というタイトルの論文も見つけました(Allergol Immunopathol 2011;39:383-5).

💁 アレルギーに関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能です)

(投稿者 川崎)

2025-05-16

🏆 論文

  • 当院初期研修医の角本先生が循環器内科で経験した症例が出版されました🎉
  • 狭心症に対するPCIでステント留置40分後に前胸部の皮疹と咽頭部の違和感
  • 本例の様々なものに対するアレルギー歴を考慮し速やかにアドレナリン筋注
  • アレルギー症状は改善したがその約50分後に留置したステント内が血栓閉塞
  • バルーンの拡張を繰り返して最終的には改善(その後の経過でHITは否定的)
  • 銀アレルギーの既往が判明 ➜ ステント金属に対する3型Kounis症候群の疑い

🙈 補足
  • Kounis症候群は,アレルギー反応に伴う急性冠動脈イベントを特徴とする稀な病態です.当初はヒスタミン誘発性冠動脈攣縮として報告されましたが,その後にプラーク破裂や血栓症を引き起こすことが分かりました.
  • コーニス症候群は現在では,プラークのびらんや破裂を伴わない冠攣縮タイプ(I型),プラークのびらんや破裂を伴う冠攣縮タイプ(II型),ステント血栓症を生じたタイプ(III型)の3つの型に分類されています.
  • 本例にはほこりや花粉,猫などさまざまなアレルギーがありましたが,金属アレルギーは共有されていませんでした.もっとも患者さん自身も我々の問診でようやく思い出した程度の軽いもの(銀アクセサリーで発赤)

👉「論文」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-02-13

アレルギー:Ⅰ型〜Ⅳ型

  • Ⅰ型 ➜ 即時型アレルギー、アナフィラキシー型
  • Ⅱ型 ➜ 細胞傷害型、細胞融解型
  • Ⅲ型 ➜ 免疫複合体型、Arthus型
  • Ⅳ型 ➜ 遅延型アレルギー、細胞性免疫、ツベルクリン型


- アレルギー反応の分類 -

(投稿者 川崎)

2025-11-20

今週の一枚 🎯

卵アレルギーと言われている幼児
久しぶりに玉子を食べ数時間後に嘔吐


(投稿者 林/川崎)

2023-10-22

ラテックス・フルーツ症候群 Latex-fruit syndrome

  • 背景:天然ゴムであるラテックス(latex)に対するIgE依存性即時型アレルギー反応のこと
  • 製品:医療(手袋,歯科用ラバー,カテーテル他)や日用品(風船,家庭用手袋,玩具など)
  • 経路:手袋から溶出して皮膚から侵入や手袋パウダー(ラテックス吸着)の飛散を吸入など
  • 検査:抗原特異的IgE検査(特にHev b 6.02特異的IgE),皮膚テスト,負荷(装着)試験など
  • 合併:ラテックスアレルギーの30~50%がバナナ,アボガド,クリ,キウイなどにもアレルギー
  • 初報:ラテックス―フルーツ症候群はスペインのBlancoらが報告(Ann Allergy 1994;73:309-14
  • 原因:天然ゴム ラテックスのアレルゲン蛋白質とフルーツのアレルゲンが交差反応するため
  • 症状:フルーツを摂取した直後からの口腔咽頭粘膜の違和感や痒み(口腔アレルギー症候群)
  • 注意:ハイリスクは医療従事者,二分脊椎症(頻回の手術と医療用具使用),アトピー素因


💣 アレルギー に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PCなら右欄から選択可)

(投稿者 川崎)

2017-03-28

ペニシリン系とセフェム系の交差アレルギー

交差反応は世代が上がるにつれて減っていく。第1世代では5~16%、第2世代では約10%、第3世代では2~3%と言われている。カルバペネム系では6~10%という報告がある。

現実的には、ペニシリンアレルギーがある場合、それがアナフィラキシーのような重篤なものであれば、セフェム系抗菌薬は避けた方が良い。もし軽いアレルギー症状であれば、どうしてもセフェム系の薬が必要な場合は、標準投与量の100分の1から投与を始めて、1時間ごとに次は10分の1、そして最終的に全量を投与して反応をみるというgraded challengeも検討する。

ちなみに、術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドラインでは、β-ラクタム薬のアレルギーがある場合の予防抗菌薬の選択として、手術の創クラス別で代替薬が提示されている。
興味のある方 → コチラ (P10の表3) 

(投稿者 小森)

2025-01-18

アルファガル症候群 α-Gal syndrome

  • 概略 galactose-α-1,3-galactose(α-Gal)に対する特異的IgE抗体による反応
  • 感作 マダニ咬傷を介して糖鎖α-Galに経皮的な感作(α-Gal特異的IgEの産生)
  • 発症 α-Galを含む獣肉(哺乳類)で遅発性アレルギー(別名は肉アレルギー)
  • 追加 カレイの魚卵や抗がん剤のセツキシマブでも発症(鶏肉は問題ない)
  • 対策 マダニ回避(ペットや家畜を避ける)で経時的に改善することが多い


α-Gal症候群のイメージ
alpha
🍖 おまけ
  • α-Gal症候群は血液型がB型やAB型の人では少ないようです.同血液型ではガラクトース抗原が存在するため,α-Galに対するアレルギー反応が起きにくいようです.
  • 同様の理由で,表面にα-Galを持つマラリアや結核の発生率は流行地のB型頻度と正の相関関係があり,α-Galを持たない病原体のデング熱では無関係だそうです.


💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-09-17

抗結核薬の主な副作用

抗結核薬の使用にあたっては、副作用の発現に十分に注意する。全ての薬剤で肝障害、アレルギー反応(発熱、発疹)は起こりえる。

・INH
肝障害、末梢神経障害、アレルギー反応(発熱、発疹)がある。末梢神経障害の治療にはビタミンB6が有効である。

・RFP
肝障害、食欲不振・悪心などの胃腸障害、アレルギー反応(発熱・筋肉痛・関節痛などのインフルエンザ様症状、まれに血小板減少、ショック症状)、尿・便等の着色(尿、便、唾液、痰、汗、涙液が橙赤色等に着色する)などがみられる。胃腸障害のある場合は、朝食後に服用させる。

・EB
視神経障害(視力低下、視野の狭窄・欠損、色覚の異常など球後神経炎の症状)に注意し、月1回視力検査を行う。

・PZA
肝障害、胃腸障害、高尿酸血症、関節痛がある。

(投稿者 小森)

2023-09-30

薬剤性腎障害 Drug-induced renal injury

📗 分類
  1. 直接型 ➜ 用量依存性に発症頻度が増加
  2. 過敏型 ➜ 用量非依存性でアレルギー機序が関与
  3. その他 ➜ 免疫学的機序を介した糸球体障害(微小変化型、膜性腎症)、腎血流低下、血管障害、閉塞性腎症など

📘 機序
  • 尿細管障害(急性尿細管壊死)➜ アミノグリコシド系、セファロスポリンなど
  • アレルギー機序(急性間質性腎炎)➜ メチシリン、NSAIDs、ST合剤など
  • 腎血流障害 ➜ NSAIDs、ACE阻害薬、造影剤、シクロスポリンなど
  • 血管障害 ➜ シクロスポリン、溶血性尿毒症症候群など
  • 尿細管閉塞 ➜ メトトレキセート、サルファ剤、化学療法時の高尿酸血症など
  • 尿細管機能異常 ➜ Fanconi症候群、尿細管性アシドーシス、リチウムなど
  • 免疫機序 ➜ 微少変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、血管炎など


🐾 豆知識
  • アレルギー機序が関与した薬剤性腎障害(急性間質性腎炎)では尿中の好酸球が増加

👤 実例Sysmex Journal Web 2020;21:46-52
  • 54才女性が1週間前から続く39度の発熱を主訴に入院した.前医で解熱鎮痛薬アセトアミ ノフェンと抗菌薬クラリスロマイシンとガレノキサシンが投与されていた. 
  • 尿細胞診は入院日の検査で好酸球増多はなかったが第2病日に14%に増加した.腹部エコーとCT検査で両腎に腫大を認めガリウムシンチグラフィで両側腎に集積を示した.
  • 腎生検所見では糸球体には異常なく,間質全体に高度の細胞浸潤があり好酸球も散在していた.薬剤性間質性腎炎と診断した.
  • Crは2.44 mg/dL まで上昇したが,上記薬物の中止とプレドニソロン30 mgの内服で,2月後に正常化した.ちなみに3剤のLST(リンパ球刺激試験)はいずれも陰性.

💁 尿検査に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-12-17

第136回日本循環器学会近畿地方会より

😃 個人的に気になった報告
 
4-17 心筋梗塞後のVT/VF stormに対してPurkinje systemのde-networkingが有効であった一例
  • 心筋梗塞後の VT/VF storm は重大な合併症である。Purkinje-related triggerを標的とするアブレーションの有効性が報告されてきたが,新たな手法としてPurkinje de-networkingが注目されている。VT中に先行するPurkinje電位を認め,左脚後枝末梢及び前枝領域のde-networkingを図りnon-inducibleで終了したが再発。再治療時にleft septal fascicle領域のde-networkingを追加することでstormからの離脱と救命に成功。

5-21 血行再建を施行された夏型・冬型心筋梗塞の背景因子・予後比較
  • 夏型MIはplaque erosion,冬型MIはplaque ruptureが多いことが示唆されている。しかし今回の単施設での検討では,夏型(6~8月)MIに比して冬型(12~2月)MIでは STEMI患者やLMT病変の割合が多かったが,予後に差は認めなかった。

6-9 Marshall静脈へエタノールアブレーションが奏効した僧帽弁輪旋回型心房頻拍の一例
  • 僧帽弁輪旋回型心房頻拍と診断し,僧帽弁輪峡部に対する線状焼灼およびMarshall静脈(VOM)の走行に沿って内膜を焼灼中に心房頻拍の停止を得た。しかし,4ヶ月後に心房頻拍が再発したため再CAを行った。前回と同じ VOM を介した僧帽弁輪旋回型心房頻拍と診断された。心内膜側からの通電では永続的なブロックが難しいと判断し,エタノールアブレーションを行った。エタノールをVOMに注入したところ頻拍周期が延長を伴って停止し,僧帽弁輪峡部のブロックを得た。(補足)マーシャル静脈は冠静脈洞から分岐し左肺静脈と左心耳の間の心外膜側を斜走する静脈で,心房細動の発生や維持に関与することがある。

7-7 金属アレルギーを有する労作性狭心症患者に対して,proBIO coatingを有するOrsiro stentで治療し得た1例
  • RCAに高度狭窄病変を認めたが,金属アレルギーの申告があったため,薬物治療を優先する方針とした。後日実施した金属アレルギー検査ではニッケルで陽性,ステントではXienceで陽性が確認された。最終的に本症例では金属イオン溶出を抑制し得るproBIO coatingを有するOrsiroステントで治療を実施した。(補足)このproBIO coatingはステントの金属表面と周辺血管組織との間に起こる炎症の一因とされる金属イオンの溶出を抑制することで再狭窄を減らしているそうです。

8-6 Wolf-Ohtsuka法術後に両心房血栓を認めた一例
  • ヘパリンの持続投与を開始したが,腫瘤のサイズに変化はなく,右房内血栓も縮小しなかったため,開心術による摘除を行った。摘除した腫瘤の病理所見は血栓であった。術後,ヘパリン持続点滴,ワルファリン内服を開始したが,血栓の再発を認めた。ワルファリンのコントロールを強化したところ,血栓は消失した。Wolf-Ohtsuka 法術後に血栓を認めることは稀である。(補足)ウルフ‐オオツカ法は胸腔鏡下左心耳閉鎖術で5mmから10mm程度の穴を胸の壁に4ヶ所開けるだけで傷もほとんど目立たず,手術に用いられる自動吻合器代も6万円とWatchmanに比べるとかなり安価(引用

8-25 最北端の非専門医によるVMTスコアを用いた心不全管理の有用性(市立稚内病院)
  • 常勤の循環器内科医では対応しきれず,非専門医が大半の心不全患者を管理しているため,非専門医でも心不全の診断・治療方針の決定ができる指標が必要である。そこで村山,岩野らが考案した心エコー図のドプラ機能を使うことなくB modeのみで左室充満圧を推定できるVMTスコアを活用し心不全の診断・治療方針の決定に寄与している。(補足)VMT(visually assessed time difference between the mitral valve and tricuspid valve opening)スコアは断層心エコー法を用いて評価した左右の房室弁開放時相差の視覚的評価に基づいたスコアリング法。

👻 当院からの発表
  • 3-1 肥大型心筋症の予後とⅣ音(循環器内科 川﨑達也ほか)
  • 3-29 心不全患者のリスク層別化:各種負荷に対する頸静脈所見(循環器内科 野口理希ほか)
  • 7-14 身体診察が特徴的であったトランスサイレチン型心アミロイドーシスの1例(循環器内科 平野達大ほか)
  • 8-4 身体所見を契機に診断に至った静脈洞型心房中隔欠損症の1例(循環器内科 大江彩佳ほか)

すべて英語論文化(2つは掲載済,1つは投稿中,もう1つは投稿待)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2023-10-27

Multiple Drug Intolerance Syndrome(邦名は多剤不耐症候群?)

  • 先日,抗生剤など様々な薬剤に新たなアレルギーを示すようになった方を経験しました.決してアレルギー体質の患者さんではなくて,それまでに同じ抗菌薬などの複数回投与も問題ありませんでした.主治医の先生にMultiple drug intolerance syndromeという病態があることを教えてもらいました.

💣 MDIS: Multiple Drug Intolerance Syndrome
  • 概略:化学的,薬理学的,免疫原的に無関係な少なくとも3つの薬物に対する副作用を示す状態
  • 類似:multiple drug hypersensitive syndromeやmultiple drug allergic syndromeは通常2剤以上
  • 疫学:米国の統合医療システム患者の6.4%で,女性に多く(特に白人),年齢の中央値は57歳
  • 症状:発疹や皮膚炎,蕁麻疹,掻痒感,血管浮腫,息切れ,アナフィラキシー,鼻炎(頻度順)
  • 併存:慢性蕁麻疹/血管浮腫(OR 2.61),自己免疫疾患(OR 1.66),悪性腫瘍,不安/うつ病他
  • 薬剤:抗生剤(ペニシリン他),アヘン,スルホンアミド,NSAID,造影剤,ACEi,スタチンなど


💁 アレルギーに関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2021-12-26

近医からの紹介:病名「ストロフルス」

  • 病態 掻痒感がとても強い数mm〜1cmほどの漿液性丘疹
  • 疫学 小児(特に乳幼児)に多く,アレルギー体質と関連
  • 原因 虫刺され(ノミや蚊の唾液)に対するアレルギー?
  • 診断 特徴的な見た目と季節(夏に好発),年齢から判定
  • 治療 ステロイドの外用薬と抗ヒスタミン剤の内服薬など
  • 経過 1週間程度で治癒(掻爬時には膿痂疹などで1月要)


典型例の所見

😄 独り言
  • 面白い響きを有するストロフルスですが,その語源はギリシャ語のstróph(ねじれた紐)とラテン語のulus(ゴム)にあるようです(引用).
  • カタカナでは覚えにくいかもしれません.むしろ英語 strophulus の発音がストンとくるかも(strɑ́fjələs/ストゥラフャラス/音声

🉐 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-09-26

シャルコー・ライデン結晶 Charcot–Leyden crystals

  • 由来 フランスの解剖学者シャルコー,その後ドイツの内科医ライデン教授が報告
  • 形態 痰・尿・胸水・腹水・膿瘍・便など様々な部位で見つかる細長い菱形の結晶
  • 意義 アレルギー疾患(喘息など)や寄生虫感染で出現(健常者に認めることは稀)
  • 本体 好酸球に多量に含まれている蛋白ガレクチン10が細胞外に放出されて結晶化

赤痢アメーバによる肝膿瘍の穿刺液のシャルコ・ライデン結晶(無染色)400倍.医学検査 2017;66:273-6

(アレルギー性鼻炎例の鼻汁に出現したシャルコ・ライデン結晶.Patho - Wiki

関連投稿 🉐

(投稿者 川崎) 

2018-11-03

症例クイズ

  • 生来健康な若者が他院で右下腿の蜂巣織炎と診断され抗菌薬を処方された
  • 1週間ほどして強い掻痒感を伴う皮疹が広がり当院のERを受診
  • 全身状態は良好で炎症反応も軽度(WBC 10500/μl,CRP 1.89 mg/dl)




(投稿者 川崎)

2017-12-27

NKDA と NKFA  ・・・ って何?

  • NKDA = no known drug allergy = 既知の薬物アレルギーなし
  • NKFA = no known food allergy = 既知の食物アレルギーなし

(投稿者 川崎)

2017-10-31

好酸球増多する肺疾患

肺疾患が疑われ血液検査で好酸球が増加している時は・・・
  • 好酸球性肺炎 ➔ 気管支肺胞洗浄液で好酸球の著増
  • アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 ➔ 血清アスペルギルス沈降抗体の陽性
  • 気管支喘息 ➔ 呼気中NOが増加
  • 過敏性肺臓炎 ➔ CTスリガラス陰影,環境季節誘発(職場や夏など)
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(旧名:チャーグ・ストラウス症候群) ➔ ANCA陽性,末梢神経炎
  • 薬剤性肺炎 ➔ 頻度順に抗悪性腫瘍薬,抗リウマチ薬,抗菌薬,漢方,インターフェロン,降圧薬など(参照

もちろんコモンな肺疾患+好酸球が増加する疾患が偶然合併しても生じる(ヒッカムの格言;特に高齢者)
 アレルギー疾患(鼻炎やアトピー他),寄生虫,(特発性)好酸球増多症,悪性疾患,炎症性腸疾患など

(投稿者 川崎)

2025-01-17

薬剤性好中球減少症 Drug-induced neutropenia

  • 末梢血の好中球数が500/μl以下と定義することが多く,無顆粒球症や顆粒球減少症,agranulocytosisなども概ね類似した意味で用いられる.
  • 発生頻度に関して1.1~5.0例/100万人/年という報告がある.早期に認められる症状として発熱は必発で,その他に悪寒や咽頭痛などが挙げられる. 
  • 機序には免疫学的(アレルギー性:抗甲状腺薬のプロピルチオウラシル他)と骨髄造血細胞に対する毒性(中毒性:クロルプロマジン塩酸塩やβラクタム系抗菌薬など)がある.
  • アレルギー性なら過去にその医薬品に感作されていれば1時間~1日以内に発現し,感作されていなければ抗体が産生されるまでに1週間~10日を要する.中毒性なら発症までに数週間を要する.
  • 患者側のリスク因子:高齢,女性,腎機能低下,自己免疫疾患の合併などの場合に発症頻度が高い.明確ではないが遺伝的素因(HLA型、薬物代謝酵素の遺伝子多型)なども考えられている.
  • 発現投与量は医薬品により異なる.例えば抗甲状腺薬では用量非依存性で,サルファ剤(サラゾスルファピリジン)では用量依存性との報告がある.一方,同じ医薬品でも報告により用量依存性、非依存性の相反する報告もみられる.
  • 添付文書で血液検査が求められている薬剤には,チクロピジン塩酸塩やチアマゾール(開始2月は2週に1回),サラゾスルファピリジン(開始3月は2週間に1回,次の3月は4週間に1回,その後は3月ごと),クロザピン(投与初期に発現する例が多いので投与開始後18週間は入院管理下)がある.
  • 無顆粒球症の原因となり得る医薬品は多数にのぼるが,抗甲状腺薬,チクロピジン塩酸塩,サラゾスルファピリジン,クロザピン(治療抵抗性統合失調症治療薬)など頻度が高い医薬品以外にも,H2ブロッカー,NSAIDs,抗不整脈薬,ACE阻害薬などが重要である.


💣 おまけ

(投稿者 川崎)

2018-11-04

アスピリン喘息 (NSAIDs過敏喘息)

英語名はaspirin-intolerant asthma (AIA)あるいはaspirin-exacerbated respiratory disease (AERD)
  • 機序はアスピリンに対するアレルギーではない(非アレルギー性の過敏症)
  • COX1阻害作用を持つNSAIDsに不耐であるが選択的COX2阻害薬は安全
  • 成人喘息の約5~10%で男女比は1:2/より重症化しやすい/小児は稀
  • 多くは好酸球性鼻茸を合併(好酸球性中耳炎や胃腸症,異型狭心症もあり)
  • 通常検査では診断難/問診が重要(NSAIDs歴,嗅覚低下,鼻茸手術など)
  • 静注用ステロイド急速静注は禁忌/NSAIDs誘発時にはエピネフリン奏効

コハク酸 リン酸 エステル ステロイド
👴 参考文献(一読をお勧め)➜  谷口正実.アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息).日内会誌 2013;102:1426-32

(投稿者 川崎)

2025-12-14

NEAE: Non-episodic angioedema with eosinophilia

  • 好酸球性血管浮腫(EAE)で再発せず自然寛解する一群
  • 邦名はEAE(反復性)に対し非反復性好酸球性血管浮腫
  • 東北大学の皮膚科医 Chikama らが1998年に提唱(
  • 本邦からの報告が多い(他は韓国や中国など東アジア)
  • ほとんどが女性で20-40代に多く夏季から秋季が90%
  • 症状は四肢浮腫や蕁麻疹(EAEに比して軽く顔面は稀)
  • 末梢血好酸球の著明上昇(血清IgMは正常~軽度上昇)
  • 病理は皮膚組織に好酸球の浸潤(皮膚以外の浸潤なし)
  • 原因は不明で予後は良好(ステロイド全身投与が奏功)
  • 約4~8週程度で自然軽快するため無治療で観察も可能


- NEAEの臨床像と病理組織像 -

(投稿者 川崎)