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2018-01-31

死後ペースメーカの取り扱い

ペースメーカ装着症例の死亡時にペースメーカを取り出すか否かが問題になることがある
リチウム電池は180℃で破裂,心臓ペースメーカ本体は600~800℃で破裂爆発ではない

ペースメーカー
厚生労働科学研究費補助金の健康安全・危機管理対策総合研究事業
特定非営利活動法人 日本環境斎苑協会の2016年度報告書総括より

  • 厚生労働省や医学関連学会,機器メーカーからの公式コメントは確認できず
  • 以前は日本不整脈学会から注意書き有り(上記の火葬場での対応と概ね同じ)

臨床現場での具体的な対処方法
➜ 火葬前に(家族から)葬儀場に連絡火葬時の破裂音火葬後の金属遺物の残留を説明の上,同意を得ることができたら,遺体からペースメーカを取り出さないことが多い

(投稿者 川崎)

2018-01-30

溺死 Drowning


ポイント
  • 低体温,アシデミア,高CO2血症,低O2血症,代謝性アシドーシス,血液希釈(海水でも濃縮は目立たない?)
  • 水自体による気道閉塞あるいは喉頭攣縮による窒息のためか,肺水腫は稀であることにも注目しておきたい
溺水 水死
(投稿者 川崎)

複合性局所疼痛症候群

Complex regional pain syndrome (CRPS)
骨折などの外傷や神経損傷の後に疼痛など多彩な症状が遷延する病態


(投稿者 川崎)

2018-01-29

拡張期雑音

拡張期雑音は音量が小さいため意識しないと認識することは難しい
代表例 大動脈弁逆流(下記の 🎧 🎬 ),肺動脈弁逆流,僧帽弁狭窄


※口真似=ドッ・ド~~~  ドッ・ド~~~=灌水用雑音と表現される


※拡張期に大動脈から左室に逆流するモザイクシグナルに注目

ポイント
  • 聴診器の膜部(大きい方)を胸壁にしっかり押し当てる(聴診後に胸に跡が残る)
  • 拡張期の雑音は聴取すれば必ず異常である ➜ 心音の簡易辞書は コチラ

(投稿者 川崎)

2018-01-28

HD - HF - HDF - CHD - CHF - CHDF

透析室で行われる通常の血液浄化
  • HD=Hemodialysis=血液透析
  • HF=Hemofiltration=血液濾過
  • HDF=Hemodiafiltration=血液濾過透析

ICUなどで行われる臨時の血液浄化
  • CHD=Continuous Hemodialysis=持続的血液透析
  • CHF=Continuous Hemofiltration=持続的血液濾過
  • CHDF=Continuous Hemodiafiltration=持続的血液濾過透析

(透析療法 HDとHDF,CHD,CHDFなど.日内会誌 2010;99:1013-9

まとめ 🗿
  1. HD ➜ 半透膜を介する濃度勾配を利用した浄化法で尿素窒素などの小分子の除去に優れている
  2. HF ➜ 半透膜を介する濃度勾配に圧勾配を追加した浄化法でHDより中~大分子の除去に優れる
  3. HDF ➜ HDの小分子除去能にHFの中~大分子除去能を併せ持つため効率よく血液を浄化できる
  4. C~ ➜ 血液流量や透析液流量,除水量をHDやHFより低く設定できるため循環動態への影響が小

(投稿者 川崎)

2018-01-27

松下金曜会 「嚥下障害」

嚥下障害のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 体重減少,血便 ⇒ 悪性疾患
  2. 進行性の症状 ⇒ 悪性疾患,神経変性障害
  3. 嚥下障害を伴う耳痛 ⇒ 下咽頭病変(扁平上皮癌または甲状腺癌など)
  4. 発音および嚥下障害に伴った嗄声または疼痛 ⇒ 筋ジストロフィー
  5. 構語障害 ⇒ 脳卒中
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2018-01-26

日本のMRIとCTの台数

日本は極めて多くのMRIとCT機器を有する国家である
2011年で各々6,000台と13,000台程度 ➜ 共に世界一

Organisation for Economic Co-operation and Development 経済協力開発機構のOECDiLibrary より

(投稿者 川崎)

Brittle型糖尿病

  • 特に理由なく血糖値が極端に不安定なパターンを示す糖尿病
  • brittle (形)脆弱な,不安定な 【brítl/ブリトゥル】 実際の音声
  • 同病態ではケトアシドーシスや低血糖を生じるリスクが上昇する
  • 日本語では不安定型糖尿病あるいはブリットル型糖尿病と表記

原因
インスリン抗体,受容体障害,肝腎不全,Somogyi効果,Dawn現象,吸収不良症候群,内分泌疾患,慢性感染など
詐病や不適切あるいは偽装的インスリン注射、摂食障害,うつ病などが背景にあるケースもあるため注意を要する
  • Somogyi効果(ソモギー=人名) ➜ 相対的な低血糖でグルカゴンやノルエピネフリンなどが分泌され一時的な高血糖が生じる
  • Dawn現象(ドーン=暁,夜明け) ➜ 早朝(午前3時~8時頃)に血糖値が上昇する現象で睡眠中に分泌される成長ホルモンが関連

治療
食事,運動,再教育および原因検査,速効型または超速効型インスリンの頻回注射療あるいは持続皮下注入療法(CSII: Continuous Subcutaneous Insulin Infusion)

典型的な症例報告 💁 糖尿病 2002;45:495-9

(投稿者 川崎)

2018-01-25

身体所見 収縮性心内膜炎 vs 心タンポナーデ

収縮性心膜炎
  • 心音心膜ノック音=拡張早期の過剰心音(高調音を広範囲に聴取)
  • 頸静脈 ➜ W型あるいはM型=深いy谷(心内圧dip and plateauのdipに相当)
  • 呼吸変化 ➜ Kussmaul徴候=吸気時に頸動脈の怒張(通常は吸気時に減弱する)

心タンポナーデ
  • 心音 ➜ 特記所見なし(減弱あるいは心膜炎初期なら心膜摩擦音はありえるが・・・)
  • 頸静脈 ➜ y谷の消失(心周期を通じて持続的な圧迫を受けるため)=V sign
  • 呼吸変化 ➜ 奇脈=吸気時の収縮期血圧が10mmHg以上低下(通常は3-9mmHgの低下)

Kussmaul徴候は心不全や肺塞栓でも出現することあり
※奇脈は肺塞栓,出血性ショック,COPD,緊張性気胸でも出現する
※心膜液かつ>12mmHg以上の奇脈なら心タンポナーデの陽性尤度比5.9
収縮性心膜炎で奇脈は稀,同様に心タンポナーデKussmaul徴候は稀

🔮 収縮性心膜炎は心エコー図でも気づきにくいから身体所見で疑うことが重要 🔮

参考:白石裕一先生の心タンポナーデ.心エコー 2018;19:70-76

(投稿者 川崎)

2018-01-24

微小変化型ネフローゼ症候群について

微小変化型ネフロ―ゼ症候群(MCNS:Minimal Change Nephrotic Syndrome)


1次性糸球体疾患によるネフロ―ゼ症候群の一種。

【疫学】 小児(3-6才)と若年者に好発する。小児の1次性ネフロ―ゼ症候群の80%以上を占め、成人の1次性ネフロ―ゼ症候群でも主要な原因である。
【症状】 全身性浮腫、タンパク尿、低Alb血症、高LDL血症、腎機能低下、末梢循環不全、免疫異常
【原因】 糸球体のたんぱく質透過性が変化することによって起こると考えられる。他の糸球体疾患のような膜構造の破壊ではなく、活性型T細胞の産生するサイトカインによって膜電荷の消失が起こり、分子量の比較的小さなたんぱく質のみが漏出するため、たんぱく質の選択性を生じると考えられている。(分子量の大きなたんぱく質は糸球体の膜構造によって糸球体を通過できず、分子量の小さなたんぱく質は膜電位による反発で通過できない)
【臨床像】 発症は急激で、全身性浮腫や高LDL血症を伴いやすい。尿蛋白の選択性が高く、ステロイド反応性も高い血尿は伴いにくい。
【検査】 光顕上はほぼ正常の糸球体構造であるが、電顕上にて糸球体係蹄壁の上皮細胞に足突起の消失を認める。
【治療】 副腎皮質ステロイドが著効する。60mg/dayより開始、効果あれば適宜漸減。(効果判定は一日尿蛋白<1.0gを目安に) 抵抗性の場合は免疫抑制剤の併用も有効。
【予後】 基本的にステロイドが著効するため良好だが、再発を繰り返す症例も多い。

【診断基準(ネフローゼ症候群全体)】
①一日の尿中蛋白量3.5g↑が持続する
②低Alb血症(血清Alb<3.0g/dLor血清総蛋白量<6.0g/dL)
③浮腫
④高LDL血症

※①②が必須、③④は必須ではない

(投稿者 室谷)

ステロイドカバー

問題 ネフローゼ症例に対してステロイド60mgを導入1週間後の抜歯でステロイドカバーは必要か?

ステロイド・カバー
  • ステロイド長期投与例で手術時などにステロイドを一時的に増量すること
  • 長期投与の目安はプレドニン換算で1日5㎎以上かつ3週間以上の内服歴

背景
  • 健常成人では1日5~10mgのコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が分泌されている
  • 疾病罹患時や手術時などにはストレスに対抗するため最大100mgまで増加する

実際の方法(量や期間)は侵襲度で異なる

解答 ステロイドの内服歴が3週間未満で侵襲度が上記表の左上に分類されるためステロイドカバーは不要と考えられる

(投稿者 川崎)

磁化率 Magnetic susceptibility

最近のERランチカンファレンスでしばしば耳にする用語
MRI画像を見ながら「磁化率が異なっているからね」など

  • 磁気分極の起こりやすさ(=磁気的性質)を示す量
  • 磁性体は正値,反磁性体は負値,空気はほぼゼロ
  • 磁場の強さによる影響が少ない物質固有の数値

磁化率が大きく異なる物質が近接するとMRIのアーチファクトになる
 体内組織(主に水の磁性)における金属(脳動脈クリップ📎など)

(投稿者 川崎)

2018-01-23

心電図クイズ

心電図モニター波形から推定される特徴的なバイタルサインは?




(投稿者 川崎)

2018-01-22

感染性心内膜炎が疑われるときの血培回数

循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2007年度合同研究班報告) 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008 年改訂版) http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_miyatake_h.pdf より (2018年1月閲覧)

本文中(7ページより抜粋)
  • 感染性心内膜炎を疑う場合は,24時間以上にわたって,8時間ごとに連続3 回以上の血液培養を行う

感染性心内膜炎のDuke臨床的診断基準の大基準(6ページ表1)
  • 12 時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が2 回以上陽性
  • 3 回の血液培養すべてあるいは4 回以上の血液培養の大半が陽性(最初と最後の採血間隔が1 時間以上)

おまけ(本文中7ページより抜粋)👶
  • 持続性の菌血症が感染性心内膜炎の特徴であるため,血液培養を行うのは発熱の時に限る必要はない
  • 静脈血と動脈血とで培養陽性率に差はないため,静脈採血で十分である
  • 抗菌薬が投与されていない例での血液培養陽性率は95%であるが,血液培養前に抗菌薬投与がなされている場合は,菌の検出率は35~40%に低下する
  • 状態の落ち着いている場合は抗菌薬を48時間以上中止して血液培養をすべきである

(投稿者 川崎)

グラム染色クイズ

膿胸が疑われる症例の穿刺液をグラム染色した(強拡大=1000倍)




(投稿者 川崎)

2018-01-21

リンパ管の流れ

  • 右の上半身(頭部・頸部・胸腹部の右側)のリンパ流は集合して右リンパ本幹(Truncus lymphaceus dexter or rechter Lymphstamm/全長1cm程度,直径数mm)となり,右側の内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部に注いで血液循環系と混じる(開口部に弁あり)

  • 他の部位(両下肢および頭部・頸部・胸腹部の左側)からのリンパ流は胸管(Ductus thoracicus or Milchbrustgang/第2腰椎~第6頚椎,38~45cm)を介して,左総頸動脈と左鎖骨下動脈の合流部に注いで血液循環系と混じる(開口部に弁あり)


  • リンパ液は骨格筋収縮(主)+周期的リンパ管壁の収縮(補足的)で駆動されている
  • リンパ管の中には静脈と同じくリンパ液の逆流防止のための半月弁が存在している
頚静脈
😈 もっと詳しく知りたい方 ➜ Rauber-Kopsch解剖学
(投稿者 川崎)

2018-01-20

松下金曜会 「咳」

咳のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 喀血を伴う咳 ⇒ 肺癌,結核,肺塞栓症,肺炎
  2. 喘鳴および息切れを伴う咳 ⇒ 喘息,慢性閉塞性肺疾患の増悪,うっ血性心不全
  3. 胸痛を伴う咳 ⇒ 肺塞栓症,急性冠症候群(狭心症)
  4. 過剰な慢性痰産生を伴う咳 ⇒ 気管支拡張症,肺膿瘍,肺癌
  5. 呼吸困難および下腿浮腫を伴う咳 ⇒ うっ血性心不全,肺梗塞
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2018-01-19

僧帽弁後尖のハムストリング

hamstring (発音hǽmstrìŋ 実際の音声) 【他動】~を無力にする 【名詞】下肢後面を作る筋肉の総称
”僧帽弁後尖のハムストリング” は心房に起因した二次性僧帽弁逆流の機序として最近,注目されている

自験例


  • 左房が拡大し左室下方に潜り込み僧帽弁の後尖が牽引されている(atriogenic leaflet tethering
  • その結果,僧帽弁前尖と後尖が接合不全を来たし僧帽弁逆流が生じている(atrial functional MR


(投稿者 川崎)

ResearchGate  リサーチゲート

  • 科学者・研究者向けのソーシャル・ネットワーク・サービス(本部はベルリン)
  • ウイルス学者でコンピュータエンジニアのDr. Madischが2008年に設立
  • 目的は研究者の繋がりの促進,研究アイデアや成果の共有などである
  • 無料で登録・利用でき約700~900万人が利用していると言われている

自身の業績整理や研究成果の引用数の確認などにはとても役立つ
 総合内科の徳田安春先生のページ ➜ Yasuharu Tokuda

本投稿で通算1000記事に達しました
Research Gate
(投稿者 川崎)

2018-01-18

第28回バイリンガルカンファレンスより

英語で発表中に動画などのトラブルに遭遇したら・・・💀
なんとか "~~ does not work well." を使ってしのぎたい
  • 動画がうまく動きません ➜ The video does not work well.
  • コンピュータが不調です ➜ My PC does not work well.
  • ポインターがうまく作動しません ➜ This pointer does not work well.
  • マイクの調子が悪いようです ➜ This microphone does not work well.

その後は ”Sorry about that.” あるいは "Sorry for inconvenience." と続けたい

おまけ
  • wellは省略可 (発音wélはウェルよりウェゥ 実際の音声)
  • 進行形で言ってもOK (This microphone is not working.)

(投稿者 川崎)

急性腎盂腎炎の画像

日常臨床で急性腎盂腎炎に対して画像検査を行なうことは少なくない
ただし急性腎盂腎炎の診断で最も大切なのは尿のグラム染色と培養

ではどのような時に画像診断が推奨されるのか? (N Engl J Med 2018;378:48-59




(投稿者 川崎)

2018-01-17

リアップと塩分

 「リアップ=塩分多量」
⇒リアップは、成分:ミノキシジル、添加物:1,3-ブチレングリコール、ジブチルヒドロキシトルエン、リン酸、エタノールであり、塩分は含まれていない。
参考:リアップ説明書
(投稿者 小森)

2018-01-16

バーセル指数 Barthel Index

  • 日常生活動作activities of daily living (ADL)の客観的評価法
  • 5点刻みの100点満点で高得点であるほどADLが高いことを示唆
  • Barthelらが半世紀以上前に開発(Md State Med J. 1965;14:61-5


👴 最近読んだ循環器系雑誌 Circulation Journal で Barthel Index が立て続けに使用されていた
  1. Barthel Index and Outcome of Open Bypass for Critical Limb Ischemia. Circ J. 2017;82:251-7.
  2. Association Between Preoperative Frailty and Mortality in Patients With Critical Limb Ischemia Following Infrainguinal Bypass Surgery - Usefulness of the Barthel Index. Circ J. 2017;82:267-74.
バーセルインデックス バーセル インデックス
(投稿者 川崎)

2018-01-15

尿ウロビリノーゲン

ヘモグロビン分解で生じたビリルビンが腸内細菌により還元され生成された代謝物
ウロビリノーゲンの一部は腸管から吸収されて肝臓や腎臓を経て尿中に排泄される

尿ウロビリノーゲンの解釈
  • 基準値 弱陽性(±)あるいは陽性(+)
  • 陰性(-) 胆汁うっ帯,閉塞性黄疸,肝硬変末期,急性肝炎黄疸極期など
  • 強陽性(++以上) 肝炎(急性および慢性),肝硬変,溶血性黄疸,腸管内様停滞(便秘など),大量飲酒,肉食,発熱,心不全など

🐧 トリビア 🐧
  • 尿の色(ウロビリン)や便の色(ステルコビリン)はウロビリノーゲンの酸化物のひとつ
  • Urobilinogenの発音【yu̇rəbīˈlinəjən】はかなり意外 ➜ コチラ  😲

(投稿者 川崎)

2018-01-14

救命救急士

重度傷病者が病院または診療所に搬送されるまでの間に限り救急救命処置を行うことができる
英語ではEmergency medical technician (EMT), Paramedic, Emergency life-saving technicianなど

許可されている救急救命処置厚生労働省医政局 2014年1月31日付
  1. 自動体外式除細動器による除細動
  2. 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液
  3. 食道閉鎖式エアウェイ,ラリンゲアルマスク又は気管内チューブによる気道確保
  4. エピネフリンの投与
  5. 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保及び輸液
  6. ブドウ糖溶液の投与
  7. 精神科領域の処置
  8. 小児科領域の処置
  9. 産婦人科領域の処置(臍帯結紮/切断・胎盤処理・新生児の蘇生・子宮輪状マッサージ)
  10. 自己注射が可能なエピネフリン製剤によるエピネフリンの投与
  11. 血糖測定器(自己検査用グルコース測定器)を用いた血糖測定
  12. 聴診器の使用による心音・呼吸音の聴取
  13. 血圧計の使用による血圧の測定
  14. 心電計の使用による心拍動の観察及び心電図伝送
  15. 鉗子・吸引器による咽頭・声門上部の異物の除去
  16. 経鼻エアウェイによる気道確保
  17. パルスオキシメーターによる血中酸素飽和度の測定
  18. ショックパンツの使用による血圧の保持及び下肢の固定
  19. 自動式心マッサージ器の使用による体外式胸骨圧迫心マッサージ
  20. 特定在宅療法継続中の傷病者の処置の維持
  21. 口腔内の吸引
  22. 経口エアウェイによる気道確保
  23. バッグマスクによる人工呼吸
  24. 酸素吸入器による酸素投与
  25. 気管内チューブを通じた気管吸引
  26. 用手法による気道確保
  27. 胸骨圧迫
  28. 呼気吹込み法による人工呼吸
  29. 圧迫止血
  30. 骨折の固定
  31. ハイムリック法及び背部叩打法による異物の除去
  32. 体温・脈拍・呼吸数・意識状態・顔色の観察
  33. 必要な体位の維持,安静の維持,保温
救急隊 救急隊員 医療行為
(投稿者 川崎)

2018-01-13

松下金曜会 「体重減少」

体重減少のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 嚥下障害,早期満腹感,タール便 ⇒ 消化器系疾患
  2. 新規発症の背部痛または神経欠損 ⇒ 前立腺癌,肺癌,乳癌,腎癌,多発性骨髄腫
  3. 過度の渇きまたは神経質 ⇒ 内分泌障害
  4. 身体イメージ障害 ⇒ 神経性食欲不振または過食症
  5. 涙もろい,疲労,快感消失歴 ⇒ うつ病
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2018-01-12

英語表現

💊 座薬=suppository 【səpɑ́zətɔ`ːri / サポーズィトゥリー】 実際の発音
おまけ 座薬ボルサポ=ボルタレンの"ボル"+座薬suppositoryの省略形"supp"

💊 便秘薬・下剤=laxative 【lǽksətiv / ラカァサティヴ】 実際の発音
言い換え drugs for constipation(便秘に対する薬),medicine for hard stool(硬い便に対する薬)

(投稿者 川崎)

レスパイト入院

respite 【réspət/レスピット/実際の発音】 (他動)~を猶予する (名)中休み,延期,死刑執行猶予

神経難病患者や高齢のがん患者など,医学的管理や処置を在宅で受けている患者を対象に医療保険で入院を受け入れる制度(ウィキペディア

(投稿者 川崎)

2018-01-11

抗インフルエンザ薬服用時の異常行動について

抗インフルエンザ薬の服用が異常行動の原因となっているかは不明であるが、これまでの調査結果からは、
・インフルエンザ罹患時は、医薬品を服用していない場合でも、同様の異常行動が現れること
・抗インフルエンザ薬の種類に関係なく、異常行動が現れること
が報告されている。

インフルエンザ罹患時には、抗インフルエンザ薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動に対しての注意が必要である。

(投稿者 小森)

略語

略語 英語 日本語
POSProblem-Oriented System問題志向型システム
POMRProblem Oriented Medical Record問題志向型診療記録
PBLProblem-Based Learning課題解決型学習
CPSClinical Problem Solving臨床問題解決
SQSemantic Qualifier意味ある限定詞(直訳)
CWChoosing Wisely賢明な選択

POSやPOMRはDr. Weedが提唱し1973年に日野原先生が本邦に紹介(共に2017年死去)
  • Weed LL. Medical Records, Medical Evaluation, and Patient Care: The Problem Oriented Record as a Basic Tool. 1969.
  • 日野原重明.POS―医療と医学教育の革新の ための新しいシステム.医学書院.1973.

SQとは情報を医学的用語に置き換える過程で有用な記述後
  • 急性や慢性,発作性/慢性,単発性/多発性など

(投稿者 川崎)

2018-01-10

慢性副鼻腔炎

数ヵ月も発熱が持続している症例の鼻腔拭い液のグラム染色(強拡大)




(投稿者 川崎)

2018-01-09

最近見た研究会から…

誰が見ても治る疾患 誰が見ても治らない疾患 診るべき人が診たら治る疾患
(投稿者 川崎)

2018-01-08

症例クイズ

他院で開催された勉強会から
  • 畑での作業中に農耕器具で下腿に外傷をおった高齢男性
  • 整形外科に入院中に ”しゃべりにくさ” を訴えるようになった
  • 頭部MRIを施行したが特記すべき異常は認められなかった




(投稿者 川崎)

2018-01-07

グラム染色クイズ

膀胱炎が疑われる症例の尿グラム染色(強拡大=1000倍)





(投稿者 川崎)

2018-01-06

動脈血CO2 🔃 静脈血CO2

血液中の二酸化炭素分圧PCO2は通常,動脈血PaCO2より静脈血PvCO2の方が高値である
メタアナリシスでは両者の差PvCO2-PaCO2平均3.88 mmHg [95%信頼区間2.42~5.35]


👴 独り言 👴
  • 上記表にあるWilliamson and Munsonの3データはPvCO2よりPaCO2が有意に高くて少し不自然?
  • 同報告 (Anesth Analg. 1982;61:950-2)を除外した平均差の約 5 mmHg を採用する方が妥当かも

PaCO2以外の指標の比較なら ➜ 「血ガス 動脈 vs 静脈
動脈血ガスの基本的評価法 ➜ 「血ガスの大まかな解釈

(投稿者 川崎)

デュラフォイ潰瘍 Dieulafoy's lesion

フランスの外科医 Dieulafoy が報告した消化管出血をきたす非消化性潰瘍
(Dieulafoy G. Eexulceratio simplex. Bull de l Acad de Med. 1898;39:49-84)
  • 部位は胃が最多(75%)で,多くは食道胃接合部から6㎝以内の小弯に沿う
  • 他の部位は十二指腸14%,大腸5%,空腸1%,食道1%などが報告されている
  • 消化管出血の約1%で,小さな粘膜欠損を伴う露出動脈から大出血を生じる


(投稿者 川崎)

2018-01-05

麦門冬湯 ばくもんどうとう

(ツムラ漢方麦門冬湯エキス顆粒 添付文書より)

💊 処方箋なしの店頭購入やアマゾンなどのネット購入も可能です

(投稿者 川崎)

グラム染色クイズ

肺炎が疑われる症例の吸引喀痰をグラム染色した
検体の性状はMiller & Jones分類のP3で良質であった



(投稿者 川崎)

2018-01-04

ヘルペス vs 帯状疱疹


ヘルペス 帯状疱疹
原因 ヒトヘルペスウイルス 水痘・帯状疱疹ウイルス
経路 接触感染および再発 飛沫感染(空気感染)および再発
部位 口唇(Ⅰ型)や性器(Ⅱ型)が多い 神経分布に沿うことが多い(胸,腹,背中,顔面など)
症状 水疱+軽い痛み 水疱+強い痛み
治療 抗ウイルス薬(少量 抗ウイルス薬(多量
再発 高頻度 (数%)
後遺症 妊娠中に罹患すると新生児水痘 帯状疱疹後神経痛
ワクチン なし 乳幼児なら水痘ワクチン/50歳以上なら帯状疱疹ワクチン

💀 いずれのウイルスも一旦感染すると神経節に潜伏し体内から完全に排除できない点が厄介

(投稿者 川崎)

シナジー効果

抗菌薬を組み合わせで「抗菌スペクトラム拡大」以上の相乗効果が得られる現象

具体例
  • β-ラクタム系+アミノグリコシド系(GMなど) ➜ (腸球菌などに対する)より強い抗菌効果
  • ST合剤 ➜ 葉酸合成拮抗薬を併用することでより強い抗菌効果

(投稿者 川崎)

2018-01-03

Guyton理論 ガイトン理論

静脈還流が平均充満圧と静脈圧の圧勾配で駆動されているとする考え
  • 平均充満圧とは循環を停止した時に得られる血管内圧で有効血液量と血管コンプライアンスで決まるが通常は7mmHg程度

理論解析で用いる単純な血管モデルで循環生理学史上の画期的成果の一つ
米国の生理学者Arthur C. Guytonによる(Am J Physiol. 1957;189:609-15

ガイトンは生理学的には心拍出量を決定しているのは心臓ではなくて静脈流であると主張した
しかし右心と左心が独立していないなど問題点も指摘されている(臨床では独立して出現する)

💫 興味がある方 ➜ 砂川賢二.Guyton の静脈還流は医学部で教えるべきである(循環制御.2016;37:168-177

(投稿者 川崎)

2018-01-02

フィジカル アラカルト

Gallavardin phenomenon (ガラバルジン/ガラヴァルダン現象)
  • 大動脈弁狭窄症で心基部では粗い雑音であるが,心尖部では高調な楽音様雑音になること.心尖部には低音成分が伝わりにくいためと考えられている

Corrigan pulse (コリガン脈,水槌脈=water-hammer pulse)
  • 大動脈弁逆流で認られる頸動脈の特徴的な拍動(早い立ち上がり=速脈+強大な振幅=大脈).クインケ徴候 ➜ コチラ

Bernheim effect (ベルンハイム効果)
  • 右室と左室は心膜と心室中隔を共有するため左室が右室の血行動態に影響すること.右室が左室に影響する場合はreverse Bernheim effectと呼ばれているようです(Chest. 2007;131:1987-8

Paul Dudley White's winking ear lobe sign (耳たぶウインク徴候)
  • 重症の三尖弁逆流時に頸静脈の拍動(巨大V波=Lancisi's sign)に伴って収縮期に耳たぶが外方に動く現象.耳朶皺 ➜ コチラ

おまけ
  • 重症の僧帽弁逆流症では収縮期雑音がダイアモンド型になりⅢ音も高調化してⅡ音に似る(肺動脈成分の亢進)ため大動脈弁狭窄と鑑別が難しくなることがある.両者の基本的な心音 ➜ コチラ
  • 傍胸骨拍動としての肝拍動も忘れずに

参考書籍:山崎直仁先生著 「循環器Physical Examination 診断力に差がつく身体診察!」
頚静脈
(投稿者 川崎)

2018-01-01

元旦からグラム染色

尿路系の感染症が疑われた症例の尿グラム染色(×1000)





😊 昨年も元旦はグラム染色でスタートしました ➜ コチラ

(投稿者 川崎)