🎯 今週の一枚

突然発症の胸痛でERに搬入された症例

🚑 臨床現場

• 下壁誘導でST部分が上昇しているため，もちろん急性下壁梗塞を疑う
• しかしよく見ると胸部誘導のV1〜V4でも僅かにST部分の上昇あり？
• 急性心膜炎？ ➜ 肢誘導のPQ低下は合致するが，突然発症は合わない
• そこで右側胸部誘導を記録（下図）➜ 右室梗塞の合併（V4RでST上昇）
• 続いて心エコー図でも左室下壁と右室自由壁の壁運動低下を確認した
• 緊急カテーテルで右冠動脈近位部（#1）の閉塞を認めPCI施行（下図）

💊 独り言

• 当院では（も），下壁梗塞を疑えば右側胸部誘導の記録，側壁梗塞の疑いまたはST部分の上昇がなければ後壁誘導の記録を繰り返し若手に伝えています
• 通常，右室梗塞を伴えば頸静脈が目立ちクスマウル徴候が陽性になります．心不全では頸静脈を皆が観察しますが，急性心筋梗塞を疑う時にも是非チェック！
• 心電図の前に「右室梗塞を伴った急性下壁梗塞が疑われる」って判断できればとてもカッコいいと思います．本例では残念ながら，超急性期に頸静脈は未確認

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（投稿者　川崎）