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2017-02-17

松下金曜会 「寝汗」

寝汗のレッドフラッグと考慮すること
  1. 意図しない体重減少 ⇒ リンパ腫,固形腫瘍,亜急性心内膜炎,結核,HIV感染,脈管炎
  2. 食欲低下または早期満腹感 ⇒ リンパ腫,消化器悪性腫瘍
  3. 偶発性下痢 ⇒ カルチノイド症候群,甲状腺髄様癌,炎症性腸疾患
  4. 掻痒 ⇒ リンパ腫,胆管悪性腫瘍,腎不全,真性赤血球増加症
  5. 動悸や頭痛 ⇒ 褐色細胞腫,巨細胞動脈炎,中枢神経系腫瘍
  6. めまいまたはふらつき ⇒ インスリノーマ
  7. 直立姿勢や運動で継続する尿漏れ ⇒ 尿道括約筋不全または重症骨盤底虚脱
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2017-02-16

側壁の急性心筋梗塞のピロリン酸シンチ

安静タリウムとピロリン酸の二核種同時収集 Rest thallium-201 & Tc-99m pyrophosphate

ピロリン酸:梗塞心筋あるいは高度に障害された心筋に集積(通常,タリウムと同時撮影)
タリウム:心筋血流を反映し梗塞領域では欠損(運動負荷後像では虚血領域も欠損~低下)

本例では側壁にピロリン酸(赤)が集積し,タリウム(緑)とオーバーラップしている(下段)
⇒ 緊急インターベンションによってある程度の側壁が梗塞を免れた(サルベージされた)

おまけ ピロリン酸は急性心筋梗塞の発症3日目~1週間程度しか描出されないよ

(投稿者 川崎)

BOTとは

BOT=basal supported oral therapy
基礎インスリンと経口血糖降下薬との併用療法

 対象 経口血糖降下薬の増量や増剤だけでは血糖コントロールが達成できない2型糖尿病患者
 方法 経口血糖降下薬を続けながら持効型インスリン(ランタスやトレシーバなど)を1日1回注射
 長所 外来でインスリン導入も可能(4~6単位より開始)/低血糖の危険性も少ないと考えられる

(投稿者 川崎)

2017-02-15

グラム染色クイズ

尿路系の感染症が疑われる症例の尿グラム染色.診断は?

同細菌は本ページでも何度か取り上げられています ⇒ コチラらかどうぞ

(投稿者 川崎)

2017-02-14

放線菌

緩徐な経過ですすむ肺炎で喀痰検査を繰り返したが診断できていない症例
当初から抗酸菌を疑ったが結核菌PCR,MAC-PCRはいずれも陰性であった

強拡大(x1000)では白血球やフィブリンを多数認める割に細菌に乏しかった
弱拡大(×100)で青く染まった淡い構造物に気づいたため強拡大した(下記)


細長く増殖したグラム陽性桿菌で,その特徴的な形態から放線菌と診断した
放線菌は主として土壌中に棲息するが,それ以外にも自然環境に広く棲息
傷口や呼吸器,消化管などから体内に侵入して慢性炎症を起こすことがある

放線菌に関する四方山話 ⇒ 「不思議な微生物,放線菌(宮道慎二)」
(投稿者 川崎)

尿蛋白の選択指数(SI)

Selectivity Index (SI) = IgGクリアランス/トランスフェリンクリアランス
=(尿中IgG/血清IgG)/(尿中トランスフェリン/血清トランスフェリン)

原理:IgG(約150kDa)は大きい蛋白,トランスフェリン(約80kDa)は小さい蛋白の代表
解釈:SI≦0.2なら正常(尿蛋白の選択性が高い),SI>0.2なら異常(尿蛋白の選択性の低下)

ネフローゼ症候群の組織型やステロイドの効果の指標として応用可能
  • SI低値 ⇒ 微小変化型ネフローゼの疑い ⇒ ステロイドの効果が期待できる
  • SI高値 ⇒ 膜性増殖性糸球体腎炎,巣状糸球体硬化症,膜性腎症など ⇒ ステロイドに期待しにくい

(投稿者 川崎)

2017-02-13

規則正しい幅の広いQRSによる頻脈

動悸とふらつきで救急外来を受診した症例.心室頻拍と診断し直流通電を行った.その診断根拠は?


➽ Regular Wide QRS tachycardiaで鑑別すべき疾患
  1. 心室頻拍(心拍数は毎分120~250回)
  2. 心室粗動(とても珍しく心拍数は毎分250~300回)⇒ 自験例はコチラ
  3. 脚ブロックを有する症例の上室頻拍や心房粗動
  4. 変行伝導を伴った上室頻拍や心房粗動

多くの鑑別方法が提唱されているが,房室解離は心室起源を示唆する重要で確実な手がかり
本例のように奇麗に確認できる症例は少ないが,常にモニター誘導であるⅡ誘導に注目すべし

(投稿者 川崎)

水飲みテスト

原法(窪田式) (総合リハ 1982;10:271-276
水30cc(大さじ2杯)を通常通り飲んでもらい下記の5段階で評価
  1. 1回でむせることなく飲める
  2. 2回以上に分けるが,むせることなく飲める
  3. 1回で飲むことができるが,むせることがある
  4. 2回以上に分けると飲めるが,むせることがある
  5. むせることがしばしばで,全量飲むことが困難
解釈 1正常,2~3嚥下障害の可能性あり,4~5異常


改訂水飲みテスト (Modified water swallow test: MWST)
水3ccを嚥下してもらい下記の5段階で評価
  1. 嚥下なし,むせるあるいは呼吸切迫
  2. 嚥下あり,むせないが呼吸切迫あり
  3. 嚥下あり,むせるあるいは湿性嗄声
  4. 嚥下あり,むせない
  5. 4の後に空嚥下が2回/30秒間以上可能
解釈 正常は4~5,3点以上ならフードテスト可能(プリンやお粥でむせや口腔残量を確認)

(投稿者 川崎)

2017-02-12

スーパーバグ Superbug

アメリカ疾病予防管理センターの罹患率・死亡率週報(January 13, 2017 / 66(1);33)より

70代の米国女性がインドを訪問中に大腿骨を骨折して入院した.骨髄炎も併発したためインドの複数の病院で治療を受けた.その後,米国に戻ったが,創部からカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)である Klebsiella pneumoniae が検出された.同細菌は米国で使用できる26種類の抗菌薬すべてに耐性であることが判明し,Pan-Resistant New Delhi Metallo-Beta-Lactamase-Producing Klebsiella pneumoniae と命名された(metallo-β-lactamase=MBLについては コチラ).この女性は敗血症のため帰国1ヵ月で死亡した.

(投稿者 川崎)

CDC

・Centers for Disease Control and Preventionの略で,和名はアメリカ疾病管理予防センター
・1946年に創設された保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所(ホームページはコチラ)
・米国の健康と安全を主導する立場にある連邦機関であるが,実際は世界中の疾患に対応
・本部はジョージア州アトランタにあり職員は7,000人(別に国内外の支部にも8,500人いる)

(public domain)

2016年のエボラウイルス流行では大きな役割を果たした.また撲滅が確認された天然痘ウイルスも保管している(他はロシア国立ウイルス学・バイオテクノロジー研究センターのみ)


(投稿者 川崎)