(投稿者 川崎)
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2018-03-30
心不全の急性期離床プログラム
ステージ 1 | ステージ 2 | ステージ 3 | ステージ 4 | ステージ 5 | ステージ 6 | |
---|---|---|---|---|---|---|
許可される安静度 | ベッド上安静 | 端坐位 | 室内自由 | トイレ歩行 |
棟内自由 (80mまで) |
棟内自由 |
リハ実施場所 | ベッド上 | ベッドサイド | ベッドサイド | 病棟 | 病棟(リハ室) | 病棟(リハ室) |
目標座位時間 (1日総時間) |
ギャッジアップ | 1時間 | 2時間 | 3時間 | 3時間 | 3時間 |
ステージアップ | 端座位 |
歩行テスト 自由速度10m |
歩行テスト 自由速度40m |
歩行テスト 自由速度80m |
歩行テスト 自由速度80m×2-3回 |
6分間歩行テスト |
心不全の心臓リハビリテーション標準プログラム(2017年版)より(2018年3月閲覧)
🐧 ポイント
- ステージ終了負荷試験で血行動態が安定していれば次のステージへ進むことが可能
- 6分間歩行テストで300m程度の歩行ができればステージ6を終了して運動療法を導入
- 軽症や若年例などではステージをスキップしたり6分間歩行距離をせずに CPX も可能
(投稿者 川崎)
2018-03-29
腎臓の疾患
💀 以前 ➜ 急性腎不全(acute renal failure, ARF) 慢性腎不全(chronic renal failure, CRF)
👴 最近 ➜ 急性腎障害(acute kidney injury, AKI) 慢性腎臓病(chronic kidney disease, CKD)
👶 「急性腎臓病とは言わないでね」
👴 最近 ➜ 急性腎障害(acute kidney injury, AKI) 慢性腎臓病(chronic kidney disease, CKD)
👶 「急性腎臓病とは言わないでね」
(CKD 診療ガイドライン - 日本腎臓学会 / 2018年3月閲覧)
(投稿者 川崎)
2018-03-28
ACP and POLST
ACP=Advance Care Planning/アドバンス・ケア・プランニング
POLST=Physician Orders for Life-sustaining Treatment/生命維持治療に関する医師による指示書
実際の様式例
- 将来にむけ,予め早い段階から,意思決定能力低下時も,患者が語ったり書いたりしたものにより,患者の意思が尊重され,家族や医療スタッフも,患者にとっての最善のケアが選択されると思えるような対話のプロセス(日老医誌 2015;52:217-23)
POLST=Physician Orders for Life-sustaining Treatment/生命維持治療に関する医師による指示書
- 事前指示の長い実践経験の延長上に米国で提唱された概念であり,指示内容に心停止時に心肺蘇生をしない Do Not Attempt Resuscitation(DNAR)を包含している(日集中医誌 2017;24:216-26)
実際の様式例
- POLST(DNAR 指示を含む) ➜ 日本臨床倫理学会
(投稿者 川崎)
WBGT 湿球黒球温度
WBGT=Wet-bulb Globe Temperature=暑さを評価する総合的な温熱の指標
気温(乾球温度)・湿度(湿球温度)・輻射熱(黒球温度)に気流を考慮して算出
国際的指標で日本体育協会の「熱中症予防のための運動指針」にも採用
※熱中症に関しては コチラ へ
気温(乾球温度)・湿度(湿球温度)・輻射熱(黒球温度)に気流を考慮して算出
- 屋外でのWBGT=乾球温度×0.1+湿球温度×0.7+黒球温度×0.2
- 屋内でのWBGT=湿球温度×0.7+黒球温度×0.3
国際的指標で日本体育協会の「熱中症予防のための運動指針」にも採用
WBGT | 運動指針 | (参考気温) |
31℃~ | 運動は原則中止 ➜ 体から熱を逃せない | 35℃~ |
28~31℃ | 厳重警戒 ➜ 激しい運動は中止 | 31~35℃ |
25~28℃ | 警戒 ➜ 積極的に休息 | 28~31℃ |
21~25℃ | 注意 ➜ 積極的に水分補給 | 24~28℃ |
~21℃ | ほぼ安全 ➜ 適宜水分補給 | ~24℃ |
※熱中症に関しては コチラ へ
(投稿者 川崎)
2018-03-27
2018-03-26
第111回医師国家試験(平成29年)より
【問題B59】
63歳の男性。吐血のため救急車で搬入された。
現病歴: 2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、多忙であったために医療機関を受診していなかった。最近になって、常に心窩部不快感があり食欲低下と全身倦怠感とを感じるようになった。2日前に便が黒いことに気付いたが、今朝、排便後に真っ赤な血を大量に吐いたため救急車を要請した。
この患者への対応として必要性が低いのはどれか。
厚生労働省 「第111回 医師国家試験の問題および正答について」 より
異論があるかもしれませんがエビデンスからみるとこうなるのかも…👾
63歳の男性。吐血のため救急車で搬入された。
現病歴: 2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、多忙であったために医療機関を受診していなかった。最近になって、常に心窩部不快感があり食欲低下と全身倦怠感とを感じるようになった。2日前に便が黒いことに気付いたが、今朝、排便後に真っ赤な血を大量に吐いたため救急車を要請した。
この患者への対応として必要性が低いのはどれか。
判定 |
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厚生労働省 「第111回 医師国家試験の問題および正答について」 より
異論があるかもしれませんがエビデンスからみるとこうなるのかも…👾
(投稿者 川崎)
血液培養
- 細菌が増殖するとガスが発生しボトル内圧が上昇 ➜ グラム染色と培養を行う
- 当院では感度を高めるため遠沈(3000回転×10分)後の沈澱物も観察している
- 培養液のグラム染色とシャーレ培養で菌が検出されなかったら偽陽性と判断
- 本例では通常の塗抹,沈澱物いずれもグラム陰性球菌の集簇(クラスター)を認める
- 最終的にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による感染性心内膜炎と診断された
(投稿者 川崎)
2018-03-25
ルイス誘導 The Lewis Lead
心房電位の判定に有用な誘導(肢誘導で右手を胸骨右縁第2肋間,左手を胸骨右縁第4肋間,右足と左足は同じ)
英国の心臓病医トーマス・ルイス卿(Sir Thomas Lewis, 1881–1945)が発見した(別名はS5誘導,the S5 lead)
Lewis T. Auricular fibrillation. In: Clinical Electrocardiography. 5th ed. London, UK: Shaw and Sons;1931:87–100.
実例 (Circulation 2009;119:e592-e593)
解説
英国の心臓病医トーマス・ルイス卿(Sir Thomas Lewis, 1881–1945)が発見した(別名はS5誘導,the S5 lead)
Lewis T. Auricular fibrillation. In: Clinical Electrocardiography. 5th ed. London, UK: Shaw and Sons;1931:87–100.
実例 (Circulation 2009;119:e592-e593)
解説
- A=通常の心電図 120 bpmの幅の広い規則正しいQRS ➜ 上室性か心室性かは不明
- B=ルイス誘導 心房活動(黒線の下)が明瞭でQRSと解離 ➜ 心室頻拍と確定可能
(投稿者 川崎)
2018-03-24
2018-03-23
トルーソー症候群のNOAC
悪性腫瘍に伴う血液凝固亢進により血栓症を生じることが少なくない(=トルーソー症候群)
通常はヘパリンで治療を開始して慢性期はヘパリンCa皮下注(ワルファリンは効果が不確実)
最近,エドキサバン(リクシアナ®)の本病態に対する有用性が示された
Hokusai VTE Cancer trial (N Engl J Med 2018;378:615-24)
通常はヘパリンで治療を開始して慢性期はヘパリンCa皮下注(ワルファリンは効果が不確実)
最近,エドキサバン(リクシアナ®)の本病態に対する有用性が示された
Hokusai VTE Cancer trial (N Engl J Med 2018;378:615-24)
- 対象 急性症候性または偶発的に発見された血栓症を有する担癌患者1,050名(その内1,046例をITT解析)
- 方法 低分子量ヘパリン後に経口エドキサバンと皮下ダルテパリンに割付(非盲検ランダム化非劣性試験)
- 結果 1年以内の血栓再発あるいは大出血はエドキサバン群12.8%,ダルテパリン群13.5%(ハザード比0.97)
- 結論 経口エドキサバンは静脈血栓を伴う担癌患者において皮下ダルテパリン(低分子ヘパリン)の代替薬
(投稿者 川崎)
2018-03-22
2018-03-21
肺動脈弁逆流の血流速波
- 肺動脈弁逆流の連続波ドプラ最終血流速度(V)から肺動脈-右室の拡張末期圧較差を算出(P=4V2)
- 算出したP+推定右房圧=肺動脈拡張末期圧≒平均肺動脈楔入圧=平均左房圧=左室拡張末期圧
自験例による実例
- 拡張末期(図の赤矢印)の肺動脈逆流血流速度V=1.2 m/s(図の赤破線)
- よって拡張末期の肺動脈と右室の圧較差P=4×1.22=5.76 mmHgと算出
- 下大静脈から推定した右房圧は5~10 mmHg(拡大あり/呼吸性変動あり)
- 以上より平均肺動脈楔入圧はP+5~10=11-17 mmHg程度と予想される
(投稿者 川崎)
2018-03-20
ガスティロ分類 Gustilo classification
開放骨折 open fracture (創部と骨折部が交通している骨折/別名は複雑骨折)の分類
米国の整形外科医 Ramón Gustilo らが提唱(J Bone Joint Surg Am. 1976;58:453-8)
米国の整形外科医 Ramón Gustilo らが提唱(J Bone Joint Surg Am. 1976;58:453-8)
- Type Ⅰ ➜ 創部は1cm未満で汚染は小
- Type Ⅱ ➜ 創部は1cm以上で汚染は中
- Type Ⅲ ➜ 軟部組織の挫滅と汚染は大
- Type ⅢA ➜ 開放部の被覆可能
- Type ⅢB ➜ 開放部の被覆困難
- Type ⅢC ➜ 動脈の再建が必要
(投稿者 川崎)
2018-03-19
強膜 Sclera
厚さ0.4-1 mmの白色不透明の強靭な膜で眼球外膜の80%を占めて眼球の形を保持している
🙈 いわゆる白目は強膜 vs 黒目は瞳孔を通して観察した網膜色素上皮(網膜の下にあり光を反射しない)
🙈 いわゆる白目は強膜 vs 黒目は瞳孔を通して観察した網膜色素上皮(網膜の下にあり光を反射しない)
(投稿者 川崎)
Anthonisen分類
カナダの医師Anthonisenにる慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪の分類(Ann Intern Med 1987;106:196-204)
Anthonisen分類(自覚症状)以外にRodriguez-Roisin分類(医療必要度)やBurge-Wedzicha分類(薬剤と検査結果)がある
安定期COPDにおける急性増悪の主たる原因は,細菌感染・ウイルス感染・大気汚染物質である
Anthonisen分類(自覚症状)以外にRodriguez-Roisin分類(医療必要度)やBurge-Wedzicha分類(薬剤と検査結果)がある
安定期COPDにおける急性増悪の主たる原因は,細菌感染・ウイルス感染・大気汚染物質である
(投稿者 川崎)
2018-03-18
網赤血球絶対値 Absolute reticulocyte count
- 赤血球の前段階の未熟赤血球(Reticulocyte) ➜ 基準値=比率0.2~2.0%,絶対数8000~11万/μl
- 比率よりも絶対数で評価(赤血球数×網状赤血球比率) ➜ 10万/µl以上なら網赤血球増加と判断
- 白血球数や血小板数に異常がない貧血(Hb低下)で網赤血球絶対値が10万/μl以上 ➜ 溶血 or 出血
(投稿者 川崎)
緩和医療におけるオピオイド
モルヒネ・オキシコドン・フェンタニルの基本を理解しておく必要がある
一般名 | 商品名例 | 剤形 | 投与経路 | 間隔 | 放出 | 半減期(h) |
---|---|---|---|---|---|---|
モルヒネ | MSコンチン® | 錠 | 経口 | 12時間毎 | 徐放性 | 2.58±0.85 |
オプソ® | 内服液 | 経口 | 定期は4時間毎 レスキュードーズは1時間 | 速放性 | 2.9±1.1 | |
アンペック® | 注 | 皮下・静脈内・硬膜外・くも膜下 | 単回・持続 | ― | 静脈内 2.0 | |
オキシコドン | オキシコンチン® | 錠 | 経口 | 12時間毎 | 徐放性 | 9.2±2.6 |
オキノーム® | 散 | 経口 | 定期は6時間毎 レスキュードーズは1時間毎 | 速放性 | 4.5~6.0 | |
パビナール® | 注 | 皮下 | 単回・持続 | 不明 | オキシコドン 4.1±1.9 ヒドロコタルニン 2.0±0.7 | |
フェンタニル | デュロテップ®MT | 貼付 | 経皮 | 72時間毎 | 徐放性 | 21~23 |
フェンタニル | 注 | 静脈内・硬膜外・くも膜下 | 静・硬:持続 くも膜下:単回 | ― | 静脈内 3.65±0.17 |
がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)より一部改編(2018年3月閲覧)
(投稿者 川崎)
2018-03-17
横紋筋融解アラカルト
1.健常者における血清CKの半減期は約36時間(Ochsner J 2015;15:58-69)
2.著しい高CK血症(CK:143万 IU/l)を認めた横紋筋融解・急性腎不全の1症例
【症例】26歳、男性 【主訴】発熱・筋肉痛【現病歴】生来健康。来院3日前に腹痛・下痢・発熱が出現し、2日前から全身が痛くなり歩行も困難になった。来院前日近医を受診したところ、CK 101万IU/L、Cr 7.1mg/dLを指摘され、無尿が続くため当院に転院となった。【入院時所見】意識清明、血圧128/89mmHg、心拍数67/分整、体温38.2℃、臍周囲・左下腹部に圧痛、下肢に把握痛あり。AST 3,136IU/l、LDH 46,099IU/l、CK 1,436,200IU/l、Ca 4.6mg/dl、U-A 20.3mg/dl、Cr 10.16mg/dl、アルドラーゼ 4,992U/l、血中ミオグロビン 300,000ng/ml。【入院後経過】第1病日より連日(その後隔日)に血液濾過透析を開始。第14病日に利尿期となり第19病日に透析離脱した。腎生検では糸球体に変化は乏しく、急性尿細管壊死の回復期と考えられる所見であった。【考察】横紋筋融解による急性腎不全は多数報告されているが、CKが100万IU/Lを超える報告は少ない。本症例では軽微な感冒様症状のみであったが、ウイルス感染が横紋筋融解の原因と考えられた。
3.当院で経験した筋トレ後にCKが95,100 U/Lまで上昇した症例(Intern Med 2017;56:1175-8)
🏃 長距離走と横紋筋融解については こちら からどうぞ
2.著しい高CK血症(CK:143万 IU/l)を認めた横紋筋融解・急性腎不全の1症例
【症例】26歳、男性 【主訴】発熱・筋肉痛【現病歴】生来健康。来院3日前に腹痛・下痢・発熱が出現し、2日前から全身が痛くなり歩行も困難になった。来院前日近医を受診したところ、CK 101万IU/L、Cr 7.1mg/dLを指摘され、無尿が続くため当院に転院となった。【入院時所見】意識清明、血圧128/89mmHg、心拍数67/分整、体温38.2℃、臍周囲・左下腹部に圧痛、下肢に把握痛あり。AST 3,136IU/l、LDH 46,099IU/l、CK 1,436,200IU/l、Ca 4.6mg/dl、U-A 20.3mg/dl、Cr 10.16mg/dl、アルドラーゼ 4,992U/l、血中ミオグロビン 300,000ng/ml。【入院後経過】第1病日より連日(その後隔日)に血液濾過透析を開始。第14病日に利尿期となり第19病日に透析離脱した。腎生検では糸球体に変化は乏しく、急性尿細管壊死の回復期と考えられる所見であった。【考察】横紋筋融解による急性腎不全は多数報告されているが、CKが100万IU/Lを超える報告は少ない。本症例では軽微な感冒様症状のみであったが、ウイルス感染が横紋筋融解の原因と考えられた。
(第214回日本内科学会近畿地方会 堺市立総合医療センター 小泉先生ほか)
3.当院で経験した筋トレ後にCKが95,100 U/Lまで上昇した症例(Intern Med 2017;56:1175-8)
🏃 長距離走と横紋筋融解については こちら からどうぞ
(投稿者 川崎)
2018-03-16
腹部の放線菌症
⚡ 放線菌症 ⚡
腹部放線菌症は回盲部に多いようです 😞 多くの症例で術前診断できていない点にも注目
- 病態 グラム陽性のActinomyces属細菌による慢性化膿性肉芽腫性疾患
- 分布 土壌を中心として自然環境に広く棲息している/口腔内にも常在
- 部位 頸部顔面(6~7割),腹部(約2割),胸部(約1割),子宮,全身性など
- 採血 局所の炎症のため白血球やCRPが必ずしも高値を示すとは限らない
- 画像 腫瘤状陰影を示す(悪性疾患を否定することは困難なことが多い)
- 診断 病理検体から菌体の検出(画像診断では腫瘍や結核との鑑別難)
- 治療 長期間の抗菌薬投与(数ヵ月のペニシリンGなど),外科的切除併用
腹部放線菌症は回盲部に多いようです 😞 多くの症例で術前診断できていない点にも注目
(投稿者 川崎)
2018-03-15
左室自由壁破裂
- 急性心筋梗塞の3つの機械的合併症のひとつ(他の2つは心室中隔穿孔と乳頭筋断裂)
循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2012年度合同研究班報告) より(2018年3月閲覧)
- 頻度 心破裂はST上昇型心筋梗塞の1~6%に発症する
- 分類 ブローアウト型,ウージング型,仮性心室瘤型
- 経過 急激な血行動態の虚脱後にPEA(無脈性電気活動)
- 好発 心筋梗塞発症後24時間以内と発症後3~5日の2峰
- 危険 初回梗塞,前壁,高齢女性,側副血行路未発達など
- 治療 心膜ドレナージ,PCPS,緊急外科的修復+CABGなど
- 予後 ブローアウト型では手術室搬送は困難で多くが死亡
👀 意外に右冠動脈RCAに心破裂が多いことにも注目(J Am Coll Cardiol 1998;32:135–9)
👺 手術室にたどり着けない時 ➜ 経皮的心嚢内フィブリン糊充填療法(Am J Cardiol 2008;101:419-21)
(投稿者 川崎)
造影剤腎症 Contrast-associated acute kidney injury
推定される機序 (Kidney Int 2005;68:14-22)
おまけ 💨
"重炭酸ナトリウムの静注 vs 生理食塩水の静注" あるいは "アセチルシステインの経口投与 vs プラセボ経口投与" の大規模臨床研究では,どちらの薬剤にも造影剤腎症の予防効果は確認されなかった(N Engl J Med 2018;378:603-614)
- 腎血管の攣縮
- 腎組織の低酸素
- 造影剤自体の腎毒性
- 酸化ストレスの増大
- 血液粘稠度の増加
おまけ 💨
"重炭酸ナトリウムの静注 vs 生理食塩水の静注" あるいは "アセチルシステインの経口投与 vs プラセボ経口投与" の大規模臨床研究では,どちらの薬剤にも造影剤腎症の予防効果は確認されなかった(N Engl J Med 2018;378:603-614)
(投稿者 川崎)
2018-03-14
過剰心音 ”三兄弟”
覚えておきたい基本的な過剰心音は3パターンに集約できる
Ⅲ音(拡張型心筋症など) 心尖部でⅡ音の後に小さい低音 ➜ トッ・ト ドゥ トッ・ト ドゥ
Ⅳ音(拡張型心筋症など) 心尖部でⅠ音の前に小さい低音 ➜ ドゥ トッ・ト ドゥ トッ・ト
ギャロップ(重篤な心不全) 心尖部で馬の駆けるような音 ➜ ドッ・ド・ドゥ ドッ・ド・ドゥ・
カタカナ表記にこだわらない 😎 耳慣れが大切 😚 過剰心音 ”三姉妹”は コチラ
Ⅲ音(拡張型心筋症など) 心尖部でⅡ音の後に小さい低音 ➜ トッ・ト ドゥ トッ・ト ドゥ
Ⅳ音(拡張型心筋症など) 心尖部でⅠ音の前に小さい低音 ➜ ドゥ トッ・ト ドゥ トッ・ト
ギャロップ(重篤な心不全) 心尖部で馬の駆けるような音 ➜ ドッ・ド・ドゥ ドッ・ド・ドゥ・
カタカナ表記にこだわらない 😎 耳慣れが大切 😚 過剰心音 ”三姉妹”は コチラ
(投稿者 川崎)
クイズ Who's Who?
- ドイツの内科医かつ外科医クインケ(Heinrich Irenaeus Quincke 1842–1922)
- 大動脈弁逆流などで認める爪床拍動”クインケ徴候(Quincke's sign)”を発見
- 血管性浮腫(Quincke's edema)や腰椎穿刺法(Quincke's puncture)も確立した
(投稿者 川崎)
2018-03-13
胎児循環 Fetal circulation
2018-03-12
IBD の癌化
IBD=inflammatory bowel disease=炎症性腸疾患=潰瘍性大腸炎(UC)+クローン病(CD)
潰瘍性大腸炎(UC)
600例の長期フォロー(Gastroenterology 2006;130:1030-8)
サマリー(日本消化器内視鏡学会雑誌 2014;56:237-49)
クローン病(CD)
60,122例のメタ解析(Dis Colon Rectum 2007;50:839-55)
サマリー(日本消化器内視鏡学会雑誌 2014;56:237-49)
👴 癌化のメカニズム ➜ 炎症性腸疾患と癌化のメカニズム(日消誌2013;110:374-8)
潰瘍性大腸炎(UC)
600例の長期フォロー(Gastroenterology 2006;130:1030-8)
- 大腸癌(colorectal cancer: CRC)はUC発症後20年で2.5%,30年で7.6%,40年で10.8%
サマリー(日本消化器内視鏡学会雑誌 2014;56:237-49)
クローン病(CD)
60,122例のメタ解析(Dis Colon Rectum 2007;50:839-55)
- 大腸癌の発症と有意に関連する(相対危険度2.59/95%信頼区間1.54-4.36)
- 直腸癌の発症とは有意には関連せず(相対危険度1.46/95%信頼区間0.8-2.55)
サマリー(日本消化器内視鏡学会雑誌 2014;56:237-49)
👴 癌化のメカニズム ➜ 炎症性腸疾患と癌化のメカニズム(日消誌2013;110:374-8)
(投稿者 川崎)
トゥレット症候群 Tourette syndrome
精神神経疾患の一つで音声チックを伴う複数の運動チックが1年以上持続した状態
命名はフランスの神経内科医ジョルジュ・ジル・ド・ラ・トゥレット(1857–1904)
トゥレットが1984年に高名な神経科医シャルコーに9例をまとめて伝えたことが始まり
命名はフランスの神経内科医ジョルジュ・ジル・ド・ラ・トゥレット(1857–1904)
トゥレットが1984年に高名な神経科医シャルコーに9例をまとめて伝えたことが始まり
- 疫学 男性優位で5~6歳に発症(頻度0.46-36.2/1万人)
- 原因 遺伝?大脳基底核のドパミン神経系の発達障害?
- 症状 咳払い,短い叫び声,うなり声,ため息,汚言など
- 併発 注意欠陥多動性障害,強迫性障害,学習障害など
- 治療 確立されたものはない(生活指導などの対症療法)
2018-03-11
Marik-Phillips曲線
- 肺うっ血(extra-vascular lung water: EVLW)と前負荷(preload)の関係
- 心拍出量と前負荷の関係(Frank–Starling曲線)と組み合わすことが多い
上図で青色曲線=Frank–Starling曲線.緑色曲線=Marik-Phillips曲線
- 症例a ➜ 補液(preload増加)で心拍出は大きく増加するが肺うっ血の増悪は僅か
- 症例b ➜ 補液で心拍出の改善は僅かにもかかわらず,肺うっ血の増悪が目立つ
これは輸液反応性 Fluid responsivenessを理解するのに有用である
敗血症例ではMarik-Phillips曲線の上方移動に注目(上図の橙破線)
(投稿者 川崎)
2018-03-10
カーフ・レイズ Calf raise
腓腹筋の筋力を増加させるトレーニングの基本的種目の1つ
calf 【発音 kɑːf/kǽf】(名)ふくらはぎ,子牛 実際の発音
calf 【発音 kɑːf/kǽf】(名)ふくらはぎ,子牛 実際の発音
- 自重あるいはウエイトなどの抵抗に抗して足首を屈伸させ爪先立ちになることを繰り返す
- 立位や座位,両足や片足,ウエイトとしてチューブ・バーベル・ダンベル・スミスマシンなど
(投稿者 川崎)
2018-03-09
脈の記載法:例えば ”irregularly irregular”
Regularity(規則性)の表現方法で脈や心拍などの表記時に用いられる (例 脈拍 50bpm・整)
👲 おまけ 👲
分かりやすいページ ➜ Rhythms (英語ですが実際のモニター波形が併記)
分類 | 日本語 | 代表的な不整脈 |
regular | 整 | 正常洞調律,洞頻脈・徐脈,発作性上室頻拍,心室頻拍,3度房室ブロック |
irregular | 不整 | 上室・心室期外収縮,洞不整脈,接合部・心室補充収縮 |
irregularly irregular | 絶対不整 (不規則な不整) | 心房細動,移動性心房ペースメーカ,多源性心房頻拍 |
regularly irregular | 規則的な不整 | 2度房室ブロック(ウェンケバッハ型・モビッツII型) |
👲 おまけ 👲
- 心房粗動は基本は整でも変動あり=usually regular but may be variable
- 実際の臨床現場ではirregularly irregular≒心房細動と捉えることが多い
分かりやすいページ ➜ Rhythms (英語ですが実際のモニター波形が併記)
(投稿者 川崎)
2018-03-08
首下がり症候群 Dropped head syndrome
座位あるいは安静立位時に体幹に対して頭部の保持が困難で前屈してしまう病態
初期の命名はfloppy head syndromeであった(初報は以下のどちら/論点の違い)
👴 パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症に多いが,甲状腺機能低下症やDPP-4阻害薬でも生じ得る(ようです)
初期の命名はfloppy head syndromeであった(初報は以下のどちら/論点の違い)
- Lange DJ, et al. The floppy head syndrome. Ann Neurol 1986;20:133.
- Katz AL, et al. Floppy head syndrome. Arthritis Rheum 1980;23:131-2.
(J Neurol Neurosurg Psychiatry 2003;74:683–6/左右は別症例・中央は手で頭部を支えている)
- 症状 頸部の疼痛,視界不良,歩行・嚥下・呼吸障害など
- 原因 多様(神経筋疾患,薬剤性,炎症性,代謝性など)
- 治療 基礎疾患の治療+固定器具・理学療法・手術など
👴 パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症に多いが,甲状腺機能低下症やDPP-4阻害薬でも生じ得る(ようです)
(投稿者 川崎)
日本内科学会 第219回近畿地方会より
演題1 Spastic Jackhammer esophagusの1例
ナットクラッカー食道の1亜型(jackhammer esophagus/jackhammer=削岩機)と遠位食道痙攣(distal esophageal spasm)の合併
演題5 Painful left bundle branch block syndromeの1例
一過性の左脚ブロック出現時に胸痛を認めるが,冠動脈病変がない病態
演題108 当科で経験したブロンコレアの2例
ブロンコレア(気管支漏/bronchorrhea)は泡沫様と卵白様の二層性痰が100ml/日以上喀出される病態で,肺胞上皮癌・気管支拡張症・慢性気管支炎・肺結核などに伴う場合と原因不明の場合がある
演題125 首下がり症候群発症後第三病日に急性呼吸不全を呈した慢性心不全の1例
首下がり症候群(dropped head syndrome)とは体幹に対して頭部が前屈した病態と定義されている
演題139 自然縮小を示したperigraft seromaの1例
大動脈瘤などに対する人工血管留置後に生じる合併症で,人工血管からの血漿成分の濾出によって生じた漿液腫
演題201 過食によりDiabetic Lipemiaを合併した2型糖尿病の1例
diabetic lipemia(糖尿病性脂血症)とは(本来は1型)糖尿病に合併した高度の高脂血症(インスリン不足による高TG)
ナットクラッカー食道の1亜型(jackhammer esophagus/jackhammer=削岩機)と遠位食道痙攣(distal esophageal spasm)の合併
演題5 Painful left bundle branch block syndromeの1例
一過性の左脚ブロック出現時に胸痛を認めるが,冠動脈病変がない病態
演題108 当科で経験したブロンコレアの2例
ブロンコレア(気管支漏/bronchorrhea)は泡沫様と卵白様の二層性痰が100ml/日以上喀出される病態で,肺胞上皮癌・気管支拡張症・慢性気管支炎・肺結核などに伴う場合と原因不明の場合がある
演題125 首下がり症候群発症後第三病日に急性呼吸不全を呈した慢性心不全の1例
首下がり症候群(dropped head syndrome)とは体幹に対して頭部が前屈した病態と定義されている
演題139 自然縮小を示したperigraft seromaの1例
大動脈瘤などに対する人工血管留置後に生じる合併症で,人工血管からの血漿成分の濾出によって生じた漿液腫
演題201 過食によりDiabetic Lipemiaを合併した2型糖尿病の1例
diabetic lipemia(糖尿病性脂血症)とは(本来は1型)糖尿病に合併した高度の高脂血症(インスリン不足による高TG)
(投稿者 川崎)
2018-03-07
閉鎖孔ヘルニア
腹痛で来院例の腹部CT(造影) ➜
閉鎖孔ヘルニア62例の検討 (日臨外会誌 2008;69:2168-72)
- 疫学 平均82.8歳(65-98歳),男女比は1:30
- 分娩 女性での平均分娩回数は2.9回(0-8)
- 体型 平均Body mass indexは15.4(12.0-22.4)
- 患側 右側30例,左側11例,両側20例(1例は不明)
- 徴候 Howship-Romberg 徴候陽性は27例(43.5%)
- 診断 術前に診断されたのは44例(71.0%)
- 整復 術前診断の44例中6例(13.6%)で用手整復
- 余後 腸切33例(53.2%),院内死11例(17.7%)
ポイント 閉鎖孔ヘルニア ➜ 高齢・女性・多産・やせ 👀
- 骨盤にある閉鎖孔からの腸管脱出であるため鼠径ヘルニアとは異なり鼠径部の腫脹は目立たない
(投稿者 川崎)
塩類喪失 Salt wasting
Na排泄の亢進で低Na血症を生じた病態でSIADH(ADH不適切分泌症候群)との鑑別が必要
😊 お薦め論文
- 中枢性塩喪失症候群(Cerebral Salt-Wasting: CSW)
- 高齢者鉱質コルチコイド反応性低Na血症(Mineralocorticoid-Responsive Hyponatremia of the Elderly: MRHE)
- 腎性塩類喪失症候群(Renal Salt Wasting Syndrome: RSWS)
- その他(嘔吐,下痢,イレウス,多量発汗,熱傷,膵炎,横紋筋融解など)
😊 お薦め論文
- 低ナトリウム血症性脳症 ➜ 日内会誌 2016;105:667-75
- 低Na血症の病態生理 ➜ Dokkyo Journal of Medical Sciences 2011;38:135-42
(投稿者 川崎)
2018-03-06
妊婦・授乳婦への抗インフルエンザ薬の投与について
日本産科婦人科学会から報告されていることは以下の通り。
参考:妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対してのインフルエンザに対する対応Q&A、抗インフルエンザ薬「イナビルR (ラニナミビル)」の妊婦への投与について
- 多数の妊婦が抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)を服用したが、胎児に問題があったとの報告はなかった。
- 母親がタミフル、リレンザなどの投与を受けている期間でも母乳を与えても良いが、搾母乳とするか、直接母乳とするかは、飛沫感染の可能性を考慮し発症している母親の状態により判断する。
- 妊娠中のイナビル服用は妊娠予後に悪影響は見られなかった。
参考:妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対してのインフルエンザに対する対応Q&A、抗インフルエンザ薬「イナビルR (ラニナミビル)」の妊婦への投与について
(投稿者 小森)
しゃちく 🐷 いんちく
Zollinger-Ellison syndrome ゾリンジャー・エリソン症候群
膵臓や十二指腸に生じた腫瘍によるガストリンの過剰分泌に伴う症候群
難治性の消化性潰瘍による腹痛が主たる症状で,慢性下痢も少なくない
初報は米国の外科医Zollinger RM.とEllison EH. (Ann Surg 1955;142:709-23)
😨 内分泌疾患による慢性下痢を疑ったら測定する項目(N Engl J Med 2018;378:73-9)
難治性の消化性潰瘍による腹痛が主たる症状で,慢性下痢も少なくない
初報は米国の外科医Zollinger RM.とEllison EH. (Ann Surg 1955;142:709-23)
- 原因のガストリノーマは悪性が多く,多発性内分泌腫瘍症1型(MEN 1)の合併を要考慮
- 治療の基本は外科的切除+リンパ節郭清で,制御可能な場合は予後良好と考えられる
参考:ガイドラインからみたガストリノーマの診断と治療(内分泌甲状腺外会誌 2016;33:97-100)
😨 内分泌疾患による慢性下痢を疑ったら測定する項目(N Engl J Med 2018;378:73-9)
- serum gastrin(血清ガストリン)
- vasoactive intestinal peptide(VIP,血管作動性腸管ペプチド)
- chromogranin A(クロモグラニンA)
- urine 5-hydroxyindole acetic acid(5-HIAA,尿中5-ハイドロキシインドール酢酸)
(投稿者 川崎)
2018-03-05
心電図クイズ(呼吸困難感)
mmHg 🔃 cmH2O
2018-03-04
心筋の虚血カスケード
心筋虚血時に生じる一連の流れ/カスケード=cascade=【名】滝状の流れ,【動】滝状に流れる
心筋虚血 ➜ 心筋の代謝障害 ➜ 局所心筋の拡張機能障害 ➜ 収縮機能障害 ➜ 心電図変化 ➜ 胸痛
Nesto RWとKowalchuk GJによって提案された観念(おそらく) (Am J Cardiol 1987;59:23C-30C)
👉 ポイント
心筋虚血 ➜ 心筋の代謝障害 ➜ 局所心筋の拡張機能障害 ➜ 収縮機能障害 ➜ 心電図変化 ➜ 胸痛
Nesto RWとKowalchuk GJによって提案された観念(おそらく) (Am J Cardiol 1987;59:23C-30C)
(心臓 2010;42:612-9 より)
👉 ポイント
- 虚血時に出現するST変化や症状はカスケードの最終段階
- 虚血の回復過程は逆の順になる(reverse ischemic cascade)
- 胸痛時に心エコー図で異常がなければ虚血の可能性は低い
(投稿者 川崎)
クーベレール子宮 Couvelaire uterus
常位胎盤早期剥離による出血が子宮筋層を越えて子宮漿膜側まで及んだ子宮
フランスの産婦人科医Alexandre Couvelaireが報告(Ann Gynecol Obstet 1912;9:486)
別名はuteroplacental apoplexy=子宮胎盤溢血
フランスの産婦人科医Alexandre Couvelaireが報告(Ann Gynecol Obstet 1912;9:486)
別名はuteroplacental apoplexy=子宮胎盤溢血
- 胎盤早期剥離の稀な,しかし致命的ではない合併症
- 診断は肉眼的な子宮表面の斑状青紫色の確認による
- 治療は保存療法で,子宮摘出を要することは稀である
(投稿者 川崎)
2018-03-03
CTクイズ
全体的に脂肪織濃度が上昇しているが,特に腸間膜脂肪織で目立つ(大動脈前方あたり)
➜ 本例では追加検査やその後の経過から 腸間膜脂肪織炎 Mesenteric panniculitis と考えられた
👻 腸間膜トリビア 腸間膜リンパ節炎 Mesenteric lymphadenitis / 腸間膜の臓器格上げ説
➜ 本例では追加検査やその後の経過から 腸間膜脂肪織炎 Mesenteric panniculitis と考えられた
👻 腸間膜トリビア 腸間膜リンパ節炎 Mesenteric lymphadenitis / 腸間膜の臓器格上げ説
(投稿者 川崎)
松下金曜会 「病歴:アートとサイエンス」
最初の段落より
最後の段落より
- ベテランの臨床医は,既往歴は患者ケア技術の核心であるともっともらしく口にする.彼らは,症例の85%は病歴から診断が導かれることを主張する文献を引用し続けている.
- しばしば引用される85%という数字は疑わしい.なぜなら,患者から医師に提供される病歴情報とは,実際は以前に外来を受診したり入院したときの一連の臨床検査・画像診断データの要約に他ならないからである.
最後の段落より
- T・S・エリオットはこう言ったことがある.「叡智のあるところでは知識は失われ,知識のあるところでは情報が失われる」
- 検査結果は疑いもなく,重要であり情報を与えてくれる.それは,病歴として語られる患者の話と,身体所見の情報と結合されたときにのみ知識となる.そして,医師がこの真実を認識したとき叡智を獲得する
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」
(投稿者 川崎)
(投稿者 川崎)
2018-03-02
クイズ Who's Who?
- 左(ネクタイの男性)はスウェーデンの心臓専門医エドラー(Inge Gudmar Edler, 1911–2001)
- 右(蝶ネクタイの男性)はドイツ生まれの物理学者ヘルツ(Carl Hellmuth Hertz, 1920–1990)
- 二人は心エコ-図の開発者(Aモード)として有名(Kungl Fysiogr Sallsk Lund Forh 1954;24:40)
実は同時期に阪大でも別の心エコー図(ドプラ法)が開発されている(Mem Inst Sci Ind Re 1955;13:125)
詳しく知りたい方 ➜ Feigenbaum H. Evolution of echocardiography. (Circulation 1996;93:1321-7)
(投稿者 川崎)
エルスバーグ症候群 Elsberg syndrome
- 無菌性髄膜炎に伴う急性仙髄神経根障害による一過性の膀胱括約筋障害
- 米国の神経外科医Elsberg CAが報告(Surg Gynecol Obset 1913;16:117–35)
- ヘルペスウイルス感染などに関連した自己免疫疾患と考えられている
- パルス療法を含む早期のステロイド治療が有効な症例が少なくない
- 尿障害の持続期間は平均26.9日で全例で改善(Annual Review 神経 2004.127-132)
炎症が脳・脊髄実質などに及んだ場合は中枢神経・神経根症状を合併したADEMの臨床像をとる
典型例 ➜ Elsberg症候群を呈した急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の2例(日内会誌 2005;94:2379-81)
(投稿者 川崎)
2018-03-01
心エコー図クイズ
弁は3尖ありそうだが何かいつもと違う?
😋 本例の大動脈弁の短軸像
- これは大動脈弁ではなくて肺動脈弁(弁の前方=胸壁側に右室流出路がないことに注目)
- 肺動脈の拡大に伴う肺動脈弁の僅かな偏位のため短軸で描出することができた(多分🙎)
😋 本例の大動脈弁の短軸像
(投稿者 川崎/山野)
2017年度JAMEP 基本的臨床能⼒評価試験 (IV. 疾病各論)
- 免疫不全宿主では帯状疱疹が全身に広がることがある(=播種性帯状疱疹).播種性帯状疱疹は通常の帯状疱疹と異なり,水痘と同様に飛沫感染(空気感染)対策が必要である.
- コンタクトレンズの医学的禁忌には,ぶどう膜炎や前眼部の急性および亜急性炎症,眼感染症,ドライアイなどがある.緑内障や白内障,糖尿病性網膜症はコンタクトレンズの禁忌ではない.
- ブドウ球菌によるToxic Shock Syndrome (TSS)が疑われる場合は,初期治療としてVCM+CLDMを選択する(VCMはMRSAの可能性を考慮/CLDMはトキシン合成の抑制).起因菌の不明時はグラム陰性桿菌の可能性も考えCTRXなどもを併用
(投稿者 川崎)
北河内・総合診療連携講演会のお知らせ(当院共催)
- 日時 2018年3月10日(土) 17:00~ (終了後に情報交換会)
- 場所 ホテルアゴーラ大阪守口 3階 天平の間
特別講演1
市立福知山市民病院 研修センター長 川島篤志先生
「地域基幹病院における総合内科のあり方 ~地方都市研修機能という観点より~」
特別講演2
産業医科大学 公衆衛生学教室 教授 松田晋哉先生
「医療制度と総合診療 ~DMとCKDを例として~」
(投稿者 川崎)
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