このブログを検索

2021-01-31

オーシェフ OSHEF

  • OSHEF=Osaka Stops HEart Failure(大阪心不全地域医療連携の会)
  • 北野病院大阪市立総合医療センターで始まった心不全の病診連携
  • 学閥を超え大阪府下に広がっている(当院も北河内代表施設の一つ)
  • 診療情報・患者情報・評価方法を統一した”ツール”を用いて標準化
  • 患者さん自身が体重や症状などを数値化して緊急受診の要否を判定

OSHEFのホームページに記載された理念 💨
  • 大阪府下における心不全治療基幹病院、これら基幹病院と連携する医療機関、訪問看護ステーション、調剤薬局、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどの多施設・多職種が連携する組織体制を構築することにより、増大する心不全医療のニーズや地域医療構想の中で需要の受け皿としての役割を果たすための体制を整備し、患者さんのお住まいのエリアにおける心不全医療の発展に寄与することを目的としています。

OSHEFで1年後の予後改善(主に心不全入院を減少)が最近示された

(投稿者 川崎)

2021-01-30

胸痛クイズ

心原性胸痛の可能性が低いジェスチャーは?
(左からパームサイン,レバインサイン,ポインティングサイン,アームサイン)



(投稿者 大神/川崎)

2021-01-29

漢字テスト:"矩形"の読み方

  • 矩形は全ての角が直角である四角形(=長方形/正方形を含む)で "くけい" と読む
  • 使用例:心臓外科で僧帽弁を矩形切除して形成,形成外科で矩形皮弁を用いて再建

😒 漢字は常にむずかしいっす 👾 過去の漢字に関する投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-01-28

🎯 今週の一枚

腹痛と嘔吐で夜間にERを訪れた症例の腹部CT(単純)


(投稿者 川崎)

2021-01-27

アン女王の徴候 Queen Anne's sign 

  • 眉外側3分の1が薄くなったり消失した状態で甲状腺機能低下症の所見で有名
  • アン・オブ・デンマーク(Anne of Denmark, 1574-1619:名前+出身地
  • イングランド王ジェームズ1世(兼スコットランド王ジェームズ6世)の王妃
  • アン王女が甲状腺疾患にかかっていたわけではなくて単なる見た目での命名
(Public domain)

  • 別名はヘルトーゲ・サイン(ベルギーの内科医 Eugene Hertoghe に由来)
  • 甲状腺ホルモンの低下で眉毛を含む体毛が薄くなる(外側1/3の理由は不明)
  • 現在はアトピー性皮膚炎で認めることが多い(ハンセン病や梅毒でも出現)

(投稿者 川崎)

2021-01-26

心筋梗塞の機械的合併症:おさらい

🙈 左室自由壁破裂LVFWR: left ventricular free wall rupture)
  • Blow out型は心筋梗塞発症24時間以内,oozing型は発症3~5日後に多い
  • 発症リスクは高齢・女性・高血圧・初回梗塞・1枝病変・再灌流の遅れ
  • 身体所見 ➜ 心タンポナーデによる頸静脈怒張や奇脈,ショック,冷感

🙉 心室中隔穿孔VSP: ventricular septal perforation)
  • 発症リスクは高齢・女性・前壁梗塞(前下行枝)・初回梗塞
  • 穿孔は前下行枝なら心尖部寄り,非前下行枝なら心基部寄り
  • 身体所見 ➜ 心尖部近くの粗い汎収縮期雑音と前胸部の振戦

🙊 乳頭筋断裂PMR: papillary muscle rupture)
  • 前乳頭筋は前下行枝と左回旋枝の二重支配,後乳頭筋は右冠動脈単独     
  • よって乳頭筋断裂は,右冠動脈を責任病変にする後乳頭筋断裂が多い
  • 身体所見 ➜ 心尖部中心の汎収縮期雑音,湿性ラ音,頻脈,末梢冷感

参考)Heart View 2021;25:192-197

🉐 関連投稿(心筋梗塞の合併症編)

(投稿者 川崎)

2021-01-25

大砲(キャノン)

息切れで来院した症例

🐝 解説
  • 頸部に規則正しい隆起(画質不良ですいません 🙇)
  • 陽性波は指で容易に圧迫できた ➜ 内頸静脈の拍動
  • Ⅰ音または橈骨動脈拍動の直前に出現 ➜ 頸静脈a波
  • 座位で明瞭なa波といえば巨大a波(cannon a wave)
  • 本症例の最終診断は2:1伝導の房室ブロックであった

🐞 巨大a波
  • その機序は三尖弁の閉鎖中に心房収縮が生じて,頸静脈に逆流するためである.3度房室ブロックによる巨大a波が有名であるが(自験例),P波がQRS直前に生じる不整脈であれば,あらゆる病態で出現する(心室期外収縮の自験例
  • 巨大a波の規則性と出現頻度である程度の鑑別は可能と思う(完全房室ブロックや心室期外収縮なら不規則で稀/2:1房室ブロックなら規則的で頻).ウェンケバッハ型の2度房室ブロックも挑戦したことがあるがこれは難しい(自験例
🉐 不整脈に関する過去の投稿 ➜ コチラ

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-01-24

聴診器のおさらい


😀 補足1
  • 「聴診器で一番大切な部分はどこか?」という有名なクイズがあります.その答えは「イヤーピースの間(つまり脳を鍛える必要がある)」です(オハイオ州立大学ウォーレン教授:1958年)
  • この名言はさておき,人間の外耳道はやや前向き・下向きに走行しています.よって聴診器の金属部分を少し前向きにしておく必要があります.イアピースを耳に入れたら金属部分を内側にグッと押し込んで耳にピッタリフィットさせることも忘れずに(実はこれが一番大切)


😃 補足2
  • 膜を使った聴診後は皮膚に丸い跡が残るくらい,しっかり押し当てることが大切です.一方,ベルを皮膚に押し当ててしまうと低音成分が消失して,膜と同じ高音成分が中心になるので要注意
  • 聴診器を発明したのはフランスの医師ルネ・ラエンネックで1816年(過去の投稿).最初はベルだけであったが,1894年に米国の医師ロバート・ボウルズが高感度の膜を開発を開発した(ポケット心音の歴史より

🉐 聴診器に関連する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-01-23

バート-ホッグ-デュベ症候群 Birt-Hogg-Dubé syndrome

  • 病態 皮膚病変,腎腫瘍(良性〜癌),肺囊胞(再発性気胸)が特徴
  • 形態 常染色体優性遺伝(例:17番染色体短腕FLCN遺伝子の欠失変異)
  • 名前 カナダの3医師(皮膚科・病理・内科)による初報に由来(
  • 疫学 有病率は1/20万人くらいと推定(本邦でも100家系以上が確認)
  • 治療 根本的治療はない(個々の病態に応じて外科切除を含めた対応)



(投稿者 川崎)

2021-01-22

コアンダ効果 Coandă effect

  • 粘性流体の噴流(ジェット)が凸状物体の表面に沿って流れる現象(下図)
  • ルーマニアの発明家であるコアンダ(Henri Coandă 1886〜1972)に由来
  • 彼は世界初のジェット機(Coandă-1910)を製作したことでも知られている

😐 医療現場では…
  • 例えば僧帽弁逆流の程度(運動量)は有効逆流弁口面積(EROA)×速度で規定される.しかしコアンダ効果により運動量が急速に減弱することがあり,その時は逆流ジェットの面積が実際の逆流程度よりも小さく表示される.

🉐 関連投稿(〜効果編)

(投稿者 川崎)