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2017-02-06

抑肝散(よくかんさん)

漢方では「肝気」=「高ぶり」と考え,それを抑制する生薬である(肝疾患薬ではない)
神経症,不眠症,小児の夜泣きや癇癪など虚弱体質で神経が興奮する状態に有用
小児・成人いずれにも処方できるが,甘草を含むため偽アルドステロン症には要注意

認知症の周辺症状(behavioral and psychological symptoms of dementia, BPSDの改善にも有用
 ⇒ ランダム化比較試験で幻覚や不安,興奮などを有意に改善(J Clin Psychiatry 2010;66:248-252.)

(投稿者 川崎)

Trevo(トレボ)

2014年に承認された急性虚血性脳梗塞を治療する血管内手術器具
形状記憶型ナイチノールによる直径4mm×全長20mmの網目状チューブ
治療対象となる血管は内頸動脈,中大脳動脈,椎骨動脈,脳底動脈

禁忌事項がない症例で発生4.5時間以内ならt-PAの適応(再開通率はおおよそ40%)
 ⇒ t-PAが適応外または再開通の不成功例で原則発症8時間以内ならトレボを考慮

(投稿者 川崎)

硬膜下水腫と脳萎縮によるくも膜下腔拡大の鑑別

引用で恐縮ですが
https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_onepoint/vol2.html
症例2はちょうどいい硬膜下水腫症例です。
このやりとりで解剖を理解していただければ。


「硬膜下水腫」と「脳萎縮によるくも膜下腔拡大」を鑑別する意義があるのか?について、私はこれまで鑑別意義はないと考えていましたが


脳外科の先生に教えてもらったところによると
「頭部外傷では硬膜下水腫が出現したあとで硬膜下血腫に移行することがある」
ということで、実際に硬膜下血腫に移行した症例がありました。


頭部外傷後では硬膜下液貯留は思いのほか厳し目に検出すべきかもしれません。
(個人的には高齢者であれば硬膜下水腫が偶発していることは時々あるので、たまたま頭部外傷で硬膜下血腫が並存しただけではないかとも思わなくもないですが)


あと、両側硬膜下液貯留が低髄液圧症候群の結果として起きていることもあるようですので、病歴で立位や座位で増悪し、臥位で改善する起立性頭痛を特徴的な臨床症状がないか確認しておくとなおよいかもしれません。
これも以下より引用。
http://遠隔画像診断.jp/archives/6441


(投稿者 小谷)

2017-02-05

グラム染色クイズ

広域抗菌薬でも改善しない症例の喀痰のグラム染色.診断は?


(投稿者 川崎)

2017-02-04

心電図クイズ

徐脈のためかかりつけ医から紹介.胸痛はないが数回嘔吐した様子.心電図診断は?



答え 急性下壁心筋梗塞,3度房室ブロック (右脚ブロック)

左室下壁に優位に分布する迷走神経の亢進によるブロックを疑う(虚血自体によるブロックも否定できないが・・・)
同様の理由で,下壁梗塞では低血圧や嘔吐の頻度が前壁梗塞よりも多い(左室前壁は交感神経が優位に分布)

(投稿者 川崎)

2017-02-03

肺血栓塞栓症の発症時期

大腸癌術後の退院直前に酸素飽和度の低下が判明した症例
胸痛や失神の自覚はない.臥床が多く息切れの有無は不明
心エコー図で右心系の拡大があり,CTで肺血栓塞栓症と診断

問題 急性肺血栓塞栓症? 慢性肺血栓塞栓症? どっち?



答え 急性肺血栓塞栓症 (急性発症を示唆する症状ははっきりしないが・・・)
右室心尖部(動画の上部左側)に限局した過剰運動は急性期の病態であることを示唆する
マッコーネル徴候と呼ばれている (McConnell MV,et al. Am J Cardiol 1996;78:469-73) 

(投稿者 川崎)

松下金曜会 「尿失禁」

尿失禁のレッドフラッグと考慮すること
  1. 認知状態の急性変化を伴う尿失禁 ⇒ 代謝障害,脳卒中
  2. 排尿できないまたは連続的な失禁(数分毎) ⇒ 溢流を伴う重症の尿閉
  3. 排尿困難を伴う尿失禁 ⇒ 性感染症による尿道炎,エストロゲン欠乏による萎縮性尿道炎
  4. 排尿終了数分後の尿意と排尿(中等度~大量) ⇒ 大きな膀胱ヘルニア
  5. 肉眼的血尿を伴う尿失禁 ⇒ 出血性膀胱炎,膀胱癌,尿道癌
  6. 多尿症を伴う尿失禁 ⇒ 代謝障害(高血糖,高カルシウム血症)
  7. 排尿中に糞便または大きな気泡 ⇒ 骨盤癌,骨盤照射による膀胱直腸瘻
  8. 直立姿勢や運動で継続する尿漏れ ⇒ 尿道括約筋不全または重症骨盤底虚脱
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2017-02-01

アレルギ―性紫斑病

アレルギ―性紫斑病(=アナフィラクトイド紫斑病、Henoch-Schonlein紫斑病:HSP)

【原因】
 詳細な原因は不明。ウイルスや細菌感染症に続発することが多い。
【症状】
 ①皮膚:紫斑、血管浮腫
 ②関節痛
 ③腹部:腹痛、血便
 ※腹痛のみ呈することも多く、鑑別として考慮すること!
【検査】
 血小板正常凝固系正常
 ※これらの異常があれば他の血液疾患などを疑う
【治療】
 対症療法


-補足-
 小さな紫斑が下腿に集中してることも特徴(歩いたり刺激が多いところにできやすい)
 (※特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では口腔内など全身に紫斑が出現)
 第ⅩⅢ因子減少が病勢を示すこともある
 糸球体腎炎(血尿・蛋白尿)をきたす場合あり数週間は尿検査フォロー

(投稿者 結城)

fragmented QRS


前壁誘導,下壁誘導,側壁誘導の中でQRSのノッチが隣接2誘導に存在する場合に診断


QRS幅が120ms以上,脚ブロック,ペーシング波形などでは3つ以上のノッチが必要


心事故との関連を指摘する報告があるが,その臨床的意義はまだ確立されていない


おまけ 日本語では多棘性ORSや分裂様QRSと呼ばれている

(投稿者 川崎)

JTAS ジェイタス

Japan Triage and Acuity Scaleの略でER症例の緊急度判定(トリアージ)システム
カナダの緊急度判定支援システムCTAS(シータス)を参考に日本臨床救急医学会が作成

JTASを用いて      の5段階にトリアージ (詳細はココiPadアプリ有
  1. 青=蘇 生 直ちに診察・治療
  2. 赤=緊 急 10分以内に診察
  3. 黄=準緊急 30分以内に診察
  4. 緑=低緊急 1時間以内に診察
  5. 白=非緊急 2時間以内に診察

おまけ
大規模災害などで用いられるトリアージ ⇒ START法 (simple triage and rapid treatment)
黒=死亡 赤=最優先治療 黄=待期的治療 緑=軽症 白=無傷 (JTASでは黒はない)

(投稿者 川崎)