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2017-06-08

臍周囲の腹痛の鑑別


補足
  • 脊髄癆(ろう)は梅毒による炎症が脊髄後根や後索に及んだ病態で神経痛を伴う
  • 緑内障による腹痛は三叉神経症状と迷走神経反射によると考えられている
  • 尿膜管は成人の2%に遺残しているという報告もあり決して稀な疾患でない

(投稿者 川崎)

2017-06-07

抗菌薬アレコレ No.2

・嫌気性菌の単独感染はほとんどない(通常は混合感染である)
・腸球菌は弱毒菌で,セフェム系に加えてカルバペネム系も無効
・MRSAでVCMの効果が少ないときはキュビシンやザイボックス

・連鎖球菌は菌種によらずペニシリン系を第一選択に考える
・血培で S. viridans なら感染性心内膜炎, S. bovis なら大腸癌を念頭に

・緑膿菌 P. aeruginosa の読み方はシュードモナス・エルギノーサ
大腸菌O157で抗菌薬ならニューキノロン系あるいはホスホマイシン
・乳幼児の扁桃には肺炎球菌インフルエンザ菌モラクセラが常在

参考:矢野邦夫(著).ねころんで読める抗菌薬:やさしい抗菌薬入門書.メディカ出版

(投稿者 川崎)

2017-06-06

抗菌薬アレコレ No.1

・ニューキノロン系とアミノグリコシド系は血中濃度を上げる(1日1回投与)
βラクタム系はMIC(最小発育阻止濃度)の時間を長くする(分割投与)

・ペニシリン系はグラム陽性球菌に強くで好気と嫌気のいずれもOK
・セフェム系は世代でグラム陽性→グラム陰性,原則嫌気には無効
・アミノグリコシド系は通性嫌気性菌のグラム陰性桿菌専用と考える
・ニューキノロン系は腎毒性のないアミノグリコシド系と考えて処方
・リンコマイシン系(例,CLDM)は嫌気性菌に効くマクロライド系様

・セフェム系第二世代は概ね横隔膜上=CTM,横隔膜下=CMZ
・セフェム系第三世代のセフタジジムは緑膿菌のみで使用でOK

参考:矢野邦夫(著).ねころんで読める抗菌薬:やさしい抗菌薬入門書.メディカ出版

(投稿者 川崎)

2017-06-05

グラム染色クイズ

肺炎を発症した高齢者の喀出痰をグラム染色して鏡検した(強拡大).診断は?

ポイント
 ・起炎菌の原則は好中球による貪食像であるが,肺炎球菌は莢膜があり貪食されにくい
 ・肺炎球菌は乳幼児の鼻咽頭に常在/成人にも観察されることはあるがこれほど多くない

(投稿者 川崎)

2017-06-04

α1-アンチトリプシン欠乏症 α1-antitrypsin deficiency

  • 394個のアミノ酸からなる分子量51,000の糖蛋白
  • 好中球エラスターゼ阻害剤として肺胞壁の障害を防ぐ
  • 主に肝で合成され炎症時に血中に増加する反応物質
  • 先天的欠乏症は小児肝硬変若年性重症COPDと関連

蛋白漏出性胃腸症ではα1-アンチトリプシンが消化管に漏出するため,便中α1-アンチトリプシン濃度の測定(簡便法)あるいは血中・便中α1-アンチトリプシン濃度からクリアランス算出がその診断に有用である.

(投稿者 川崎)

2017-06-03

Oberst麻酔 オベルスト麻酔

指先の麻酔をするときに基部を麻酔して神経の支配領域をブロックする手技
通常は1本の指に対して背側に2本,掌側に2本の計4本の指神経が走行
別名はブロック注射・指ブロック・digital blockで,足趾にも応用可能である

ドイツの外科医Maximilian Oberst (1849–1925)が1882年に報告
(Public domain)

ポイント
 ・細い針(26G以上)でキシロカインを緩徐に注射して少し待つ
 ・エピネフリン添加薬は末梢循環不全のリスクのため避けること

(投稿者 川崎)

2017-06-02

小児心電図の心拍数とQT間隔

個人差が大きいが目安は以下(参照:小児心電図マスターガイド.診断と治療社)
 心拍数 bpm  QT間隔 ms
新生児期(出産~28日) 130~140 200~340
乳児期(28日~1年) 110~120
幼児期(1年~就学前) 90~110 240~350
小学校低学年 80~90 300~390
小学校高学年~中学生 65~80
高校生 65~75

年齢とともに心拍数は低下するがQT間隔は延長している点に注目

おまけ (参照:小児心電図の特徴 JCOPY498‒14528
  • QT間隔は心拍数に依存するため小児でも心拍数による補正が望まれる
  • ただしBazettの補正式QTc=QT/√RRでは頻脈による過大評価の傾向
  • Fridericiaの補正式QT/3√RRでは年齢によらず360~440が正常範囲

(投稿者 川崎)

2017-06-01

アルツハイマー病治療薬の適応と副作用

①コリンエステラーゼ阻害薬
 ・ドネペジル(アリセプト)
 ・ガランタミン(レミニール)
 ・リバスチグミン(イクセロンパッチ)←外用薬
 適応:アルツハイマー型認知症の認知症症状の進行抑制
     (軽度~中度。アリセプトのみ軽度~高度)
 重大な副作用:失神、徐脈、心筋梗塞、心不全、消化性潰瘍、錐体外路障害、悪性症候群、横紋筋融解症など
 
②NMDA受容体阻害薬
 ・メマンチン(メマリー)
 適応:アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
     (中等度及び高度)
 重大な副作用:けいれん、硬直、意識低下・消失、精神症状(興奮、攻撃性)、妄想、幻覚、錯乱、せん妄など

※中等度以上では①と②の併用も可能
参考:添付文書、類似薬の使い分け(羊土社 編集/藤村昭夫)

(投稿者 王)

市中肺炎の原因菌

市中肺炎652例の検討 日呼吸会誌.2006;4:906-915 より

401例(61.5%)で原因微生物が証明
  1. 肺炎球菌(ニューモコッカス) 171例(26.2%)
  2. インフルエンザウイルス 81例(12.4%)
  3. マイコプラズマ 71例(10.9%) グラム染色で見えない
  4. インフルエンザ桿菌(ヘモフィルス) 37例(5.7%) BLNARに要注意
  5. 緑膿菌 34 例(5.2%)
  6. レジオネラ菌 26 例(4.0%) グラム染色で見えない
  7. クレブシエラ(肺炎桿菌) 23例(3.5%)
  8. クラミドフィラ(旧名クラミジア) 11例(1.7%) グラム染色で見えない

複数病原体感染は82例(12.6%)
  1. 肺炎球菌+インフルエンザウイルス 19例
  2. 肺炎球菌+インフルエンザ桿菌(ヘモフィルス) 8例
  3. 肺炎球菌+マイコプラズマ 6 例
  4. インフルエンザウイルス+マイコプラズマ 5例

年齢別の原因菌頻度
 

(投稿者 川崎)

P/F比

PaO2/FiO2のことで酸素を取り込む肺の能力を反映した呼吸指標の1つ(正常値は500前後)
300以下なら急性呼吸窮迫症候群 (acute respiratory distress syndrome, ARDS) と考える
目安として300~201なら軽症ARDS,201~101なら中等症ARDS,100未満なら重症ARDS
※ARDSはP/F比が200以下で、201~300なら急性肺損傷 (acute lung injury, ALI) とする意見もある

抜管基準の一つとしてP/F比250〜200以上が提唱されている ⇒ 日集中医誌 2012;19:340-345

(投稿者 川崎)