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2024-12-15

日本内科学会 第246回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題101 肝硬変に生じたパスツレラ症の1例
  • パスツレラ症は代表的な人獣共通感染症であり,Pasteurella multocidaはヒトを除く哺乳類の口腔内常在菌で,イヌでは75%,ネコではほぼ100%に常在するとされる.免疫能の低下した症例で重症化しやすい.

演題179 Burkholderia属菌によるCepacia症候群の1例
  • Burkholderia属菌は特に嚢胞線維症に致死的な呼吸器感染症を起こす菌として報告され,Cepacia症候群と呼ばれる急性に進行する菌血症を伴う壊死性肺炎は致死率が非常に高く臨床的に問題となる.

演題218 溺水により運動後急性腎不全(ALPE)を発症した 1 例
  • 溺水後の急性腎障害は溺水患者の43%に発生した報告もあり,原因は低酸素による尿細管障害,横紋筋融解症,多臓器不全による全身性炎症反応等が考えられる.

演題234 COVID-19肺炎の経過中にセフトリアキソン脳症が疑われた腹膜透析患者の1例
  • 抗菌薬投与中に意識障害,不随意運動を認めた際には,抗菌薬関連脳症を疑い抗菌薬の中止または変更が必要である.原因薬剤の診断のためには,血中濃度を測定しておくことが望ましい.


👻 当院からの発表
  • 演題35 左鎖骨下静脈経由の二腔ペースメーカ植込み後に両側気胸を生じた1例(総合診療科 國延拓也先生 🎉 すでに論文化してPubMedに収載)
  • 演題210 腰椎神経根症による脱神経性筋障害を高CPK血症とともに呈し,炎症性筋疾患との鑑別を要した1例(膠原病・リウマチ内科 正木 暁先生)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2022-12-27

リンパ節腫脹の鑑別:CHICAGO

👽リンパ節腫脹を生じる一般的な原因の頭字語
Cancers(がん) 
  • 血液系悪性腫瘍:ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性・慢性白血病、ワルデンストレーム・マクログロブリン血症、多発性骨髄腫(稀)、全身性肥満細胞症
  • 転移性 "固形 "腫瘍:乳癌、肺癌、腎細胞癌、前立腺癌、その他

Hypersensitivity syndromes(過敏症症候群)
  • 血清病
  • 薬剤感受性:ジフェニルヒダントイン、カルバマゼピン、プリミドン、金、アロプリノール、インドメタシン、スルホンアミド、その他
  • シリコン反応
  • ワクチン関連
  • 移植片対宿主病

Infections(感染症)
  • ウイルス性:伝染性単核球症(Epstein-Barrウイルス)、サイトメガロウイルス、伝染性肝炎、ワクチン後リンパ節炎、アデノウイルス、帯状疱疹、HIV/AIDS、ヒトT-リンパトロピックウイルス1型
  • 細菌性:皮膚感染症(ブドウ球菌、連鎖球菌)、ネコひっかき病、甲状腺腫、メリオイデス症、結核、非定型抗酸菌症、原発性および続発性梅毒
  • クラミジア:性病性リンパ肉芽腫
  • 原虫性:トキソプラズマ症
  • 真菌症:ヒストプラスマ症、コクシジオイデス真菌症
  • リケッチア:ツツガムシ病
  • 寄生虫症:フィラリア症

Connective tissue diseases(結合組織病)
  • 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、混合結合組織病、シェーグレン症候群

Atypical lymphoproliferative disorders(非定型リンパ増殖性疾患)
  • 血管毛包性(巨大)リンパ節過形成(キャッスルマン病)、異プロテイン血症を伴う血管免疫芽球性リンパ節症、血管中心性免疫増殖性疾患、リンパ腫様肉芽腫症、ヴェゲナー肉芽腫症

Granulomatous disorders(肉芽腫性疾患)
  • 結核、ヒストプラスマ症、マイコバクテリア感染症、クリプトコッカス、珪肺症、ベリリウム症、ネコひっかき病

Other unusual causes of lymphadenopathy(その他のリンパ節腫脹の異常な原因)
  • リンパ節の炎症性偽腫瘍、組織球性壊死性リンパ節炎(菊池リンパ節炎)、大量のリンパ節症を伴う洞組織球症(Rosai-Dorfman病)、洞の血管変化、胚中心部の進行性変化


😎 独り言
  • CHICAGOとうまくまとまっているけど,無理して覚えてもいつも使う環境でなければすぐに忘れます.もっとも毎日鑑別する環境なら覚えなくても勝手に身につきます.こういう語呂って時々見直して頭の整理をするのがいいのかな〜と思います.あとどうしても診断がつかない時の網羅的検索用 😙
  • 他にもALL AGES (age, location, length of time present, associated signs and symptoms, generalized lymphadenopathy, extranodal associations, splenomegaly and fever/年齢、部位、発症期間、関連徴候・症状、全身リンパ節腫脹、節外関連、脾臓腫脹、発熱)などもあります.

💁 語呂合わせに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-11-07

あなたは猫派? 犬派?

  • 循環器内科医にはネコ派が多い気がします.飼い主が忙しくて散歩に連れて行かなくても文句を言わないから?
  • ネコの心音で興味深い論文が最近,2編出版されたのでまとめておきます.ネコを飼っておられる方は挑戦?

Ferasin L, et al. Prevalence and Clinical Significance of Heart Murmurs Detected on Cardiac Auscultation in 856 Cats. Vet Sci. 2022 Oct 13;9(10):564.

  • 結語 心雑音特性 (タイミング・音量・および最大強度のポイント) が潜在的に心疾患の存在を予測できる.
  • 個人的感想 仰せの通り 🙇 もっと精進せねば


Howell KL, et al. Prevalence of iatrogenic heart murmurs in a population of apparently healthy cats. J Small Anim Pract. 2022 Aug;63(8):597-602.

  • 結語 Iatrogenic heart murmurs(おそらく臨床的な意義のない雑音)は猫によくみられる所見であり,高齢のやせた猫で有病率が増加しいる.特に胸壁を少し押して発生する柔らかい収縮期の右心系雑音では医原性雑音を考慮
  • 個人的感想 聴診の一致率がすごい 😲 下図


※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2022-02-19

バルトネラ感染症 Bartonella Infection

  • グラム陰性桿菌である バルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)による感染症で,別名はネコひっかき病(Cat scratch disease: CSD)
  • バルトネラは培養が難しいため,診断には血清バルトネラ抗体価を測定する血清学的検査やバルトネラ特異DNAを検出するPCRで診断する

🐱 63例の臨床像(感染症誌 2010;84:292-5)
  • 年齢は0~83歳に広く分布し,男女比は1:1.2で女性に多かった
  • 感染源は96.8%がネコ(そのうち63.9%が1歳未満の仔ネコ)
  • 経路は49%がひっかき傷,3.2%は咬傷,3.2%はネコ蚤刺傷
  • 症状はリンパ節腫脹(95%),皮膚病巣(43%),熱(37%)
  • 他には全身倦怠感や頭痛,皮疹,脾臓の腫大,視力障害など
  • 受傷日から症状が出現するまでの潜伏期は4〜50日(19±13日)
  • アジスロマイシンなどの抗菌薬で7〜180日で改善(44±34日)

右鼠径部のリンパ節腫脹と右下肢のひっかき傷


💁 ネコに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-25

😽 キャット・ミール CAT MEAL 

  • 薬物中毒時の透析適応は体内分布,半減期,淡白結合率,分子量などで決定されます
  • 大まかな透析適応は ”血液吸着法=CAT+血液透析法=MEAL” と覚えておけば楽です

  1. Carbamazepine ➜ カルバマゼピン(+カフェイン?)
  2. Anticonvulsants ➜ 抗けいれん薬(フェノバルビタールやフェニトリン他)
  3. Theophylline ➜ テオフィリン

  1. Methanol ➜ メタノール
  2. Ethylene glycol ➜ エチレングリコール
  3. Aspirin ➜ アスピリン
  4. Lithium ➜ リチウム

🍖 独り言
  • ライオンやトラ,チーター,ヒョウなどネコ科の動物は肉食性が強いことが知られています.よって基本的に猫も肉食です(犬は雑食).猫の食事であるCAT MEALはドロドロなのですぐに透析と考えるとこの語呂合わせは覚えやすいかも...

💁 中毒に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)

2019-02-07

心膜摩擦音 👂 典型2症例

  • 前収縮期,収縮期,拡張早期~中期の3成分で構成され,まさしく機関車の駆動音




  • 何かを引っ掻く様な音(ネコの爪とぎ音).心電図のST部分の上昇にも注目




👶 ポイント
  • この音だけで心膜炎と診断可能だから,深吸気や膝肘位などの聴診も試す
  • 病初期には聞こえるが,心膜液の貯溜が進行すると摩擦音は消失してくる

(投稿者 川崎)

2018-10-25

アンミツ

  • 呼吸困難感でERを受診した症例が,最終的には喘息の中等度発作と診断され同日入院した
  • 研修医の病歴聴取が詳細でペット(ネコ)の飼育に加えてその名前(アンミツ)も確認(ナイス!)

たかがペットの名前ですが,患者さんとの信頼関係の構築に有用であるケースが少なくないと思います.最近のNEJMに偶然,同様のPerspectiveが掲載されています(もっともコチラは犬ですが・・・下記リンクからの一読をお薦め)


(投稿者 川崎)