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2024-12-31

H/CL:ATTR心アミロイドーシスの診断

  • ATTR心アミロイドーシスの診断はシンチグラフィ(99mTc-PYPまたは99mTc-HMDP)で視覚的にGrade 2もしくはGrade 3の集積とすることが多い.
  • 正面プラナー画像で心臓に相当する部位へ関心領域(region of interes: ROI)を置き , 対側の下肺野領域で同サイズのROIで判断することも可能
  • その場合はheart-to-contralateral(H/CL)比が、1時間後像で>1.5、3時間後像なら>1.3で陽性と判断.なおH/CL比>1.6は独立した予後不良因子
  • 現場では投与1時間後像で評価していることが多いと思われる(当院も1時間後).1時間後像は検出感度が向上し、3時間後像は検出特異度が向上



👉 アミロイドーシスに関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2024-12-30

外頚静脈も大切です

息切れで来院した症例

😐 解説
  • 外頚静脈の隆起が明瞭(ほぼ怒張)
  • 深吸気負荷後は拍動が出現(矢印)
  • 心エコーで心膜液貯留+右心虚脱
  • 心膜液のドレナージを実施(血清)
😀 追加コメント
  • 心不全で重視すべきは内頚静脈で,この場合は怒張という表現は避けるべきです(内頚静脈の怒張→循環停止→死亡).しかし心タンポナーデや緊張性気胸など特殊な病態に対して,外頚静脈の怒張はいまだ有効な身体所見です.
  • 重症の心タンポナーデでは吸気負荷でも外頚静脈の怒張は消失しないことが多いと思います(むしろ悪化:自験例).しかし本例のように軽症例(血圧低下が僅かで頻脈も目立たない)では,吸気負荷で怒張は解除されるようです.
  • 本例の症状は息切れで右心不全よりも左心不全が疑われました.頚部をよくよく観察すると,顎下~頚部中央の皮膚面全体的が拍動していることに気がつきます(きっと内頚静脈の拍動).おまけ 😙 耳垂にフランク徴候もあり

👉 心タンポナーデに関するの過去の投稿は コチラ(PC版なら右下欄から選択可能)

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(投稿者 川崎)

2024-12-29

Angiosome 皮膚血管解剖領域

📙 先日読んだ論文の一文から
  • アンギオサムに基づく血行再建が創傷治癒に有効であるとされてきた」

💁 Angiosome(皮膚血管解剖領域)
  • 特定の動脈から供給され、特定の静脈から排出される皮膚・皮下組織・筋膜・筋肉・骨を含む組織領域.オーストラリアの形成外科である Taylor GI と Palmer JH が導入したコンセプトである(Br J Plast Surg 1987;40:113-41).
  • 例えば足は6つのアンギオソームで構成されている(下図:後脛骨動脈から3つ,腓骨動脈から2つ,前脛骨動脈から1つが発生).カタカナではアンギオサムやアンジオサム,アンギオソム,アンジオソーム,アンギオソームなどが混在
  • Angiosomeは日本循環器学会用語集には登録されていないが,YouTubeではアンジオゾームと発音されている様に聞こえる(実例).字面や音感もアンギオサムやアンジオサムよりかっこいい(より医学用語様)と思うのは僕だけ? 😯

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(投稿者 川崎)

2024-12-28

Metabolic phenotypes 代謝表現型

👉 BMIと代謝状態に応じて4分類
  • 代謝的に健康な肥満(MHO: metabolically healthy obesity)
  • 代謝的に不健康な肥満(MUO: metabolically unhealthy obesity)
  • 代謝的に不健康な正常体重(MUN: metabolically unhealthy non-obesity)
  • 代謝的に健康な正常体重(MHN: metabolically healthy non-obesity)

国際的に統一されたカットプポイントはないが,BMIは25 kg/m2(または30 kg/m2)以上と未満で分類する.また代謝状態は,高血圧・脂質異常症・耐糖能異常・ウエスト周囲長の増大(内臓脂肪過剰蓄積)のうち2項目(あるいは1項目)以上で不健康とすることが多い.

- メタボリックフェノタイプはさまざま疾患のリスクと関連 -

(投稿者 川崎)

2024-12-27

Ehlers–Danlos syndrome エーラス・ダンロス症候群

エーラスダンロス症候群に関する論文が先日,出版されました(Med Genet 2024 Dec 3;36:225-234).図鑑のような体裁で臨床医にはとても分かりやすいと感じました.本ページでも取り上げておきます(全文がネットで読めます)

💚 抄録訳
  • 単一遺伝子性エーラスダンロス症候群(EDS)は、関節過可動性、皮膚過伸展性および/または脆弱性、および全身組織脆弱性を臨床的に特徴とする遺伝性結合組織疾患のグループです。現在、単一遺伝子性EDSタイプの診断を確定するためのゴールドスタンダードは、大規模並列シーケンシングによる遺伝子パネル検査です。遺伝子検査の可能性は大きく進歩しているものの、病歴、家族歴、身体検査を含む徹底した臨床評価が診断プロセスにおいて依然として重要であるため、私たちは、単一遺伝子性EDSタイプの臨床的特徴(の組み合わせ)をテキストと写真で報告し、臨床診断に役立てることを目指しています。さらに、分子診断が不可能な場合でも、臨床診断によって管理と監視を導くことができます。



- 骨格筋の特徴 -



- 皮膚の特徴 -



- その他の臨床的特徴 -

💙 命名までの遍歴
  • エーラス・ダンロス症候群という名称は,オランダの皮膚科医 Edvard Laurits Ehlers (1863-1937) とフランスの皮膚科医 Henri-Alexandre Danlos (1844-1912) に由来しています.しかしヒポクラテスは紀元前400年にこの疾患の特徴に言及し,van Meek'ren が1682年に医学的記述を残しています.1892年には Tschernogubow が発表していますが,ロシア語だったためか西ヨーロッパではほとんど見過ごされたようです.そして1901年と1908年にそれぞれ影響を受けた患者を記述した Ehlers と Danlos にちなんで,1936年に Weber がこの疾患を Ehlers–Danlos syndrome(EDS)と命名したようです.


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👉 エーラス・ダンロス症候群に関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2024-12-26

今週の一枚 🎯

倦怠感で動けない症例(右季肋部エコー)


(投稿者 川崎)

2024-12-25

🏆 論文

  • 当院の初期研修医の積木先生が循環器内科で経験した症例がPubMedに収載🎉
  • 心室頻拍で搬入/回復後の心電図・心エコー図・心臓CTには異常なしと判断
  • VT起源(右室前壁周囲)に注目してCTを見直すと限局性の壁運動異常が判明
  • その後の精査(MRIやPET)で心臓限局性サルコイドーシスと診断されました

🙈 心エコー図
  • CTで限局性の右室自由壁の異常(上図2A)が判明してから心エコー図を再検すると,同部位に加えて左室心尖部にも異常があることが判明(上図2C)
  • 救急室で行うベッドサイドエコーは大変有用ですが,描出力という点に関しては生理検査室に設置されているハイエンド機に少し分があると思います.
  • 持続性VTからの回復直後は内因性カテコラミンが出ていると思われます.その時のエコーでは微妙な壁運動異常がマスクされてしまう可能性があります.
  • もちろんエコーは術者の技量に依存する検査です.VT症例を目の前にしたスタッフがテンバらずに内因性カテコラミンの放出を自制することも大切 😓

👉「論文」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

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(投稿者 川崎)

2024-12-24

嚥下性失神 Swallow syncope

  • 慢性心不全で長年フォローしている患者さんが定期受診の時に,不意に「先日,失神したんですよ」と笑いながら言いました.その時の状況をお聞きすると食事中に一瞬生じたようです.循環器疾患は長年安定しています.
  • 窒息という感じではなかったのですが,高齢者で嚥下機能も心配です.そこで耳鼻咽喉科をコンサルトしたら,嚥下性失神(疑)と診断されました.少量ずつよく噛んで食べるなどの食事指導も行ってくれました 😊 感謝

🍚 嚥下性失神(Swallow syncope)
  • 嚥下という特定の動作で誘発される神経調節性失神のひとつ
  • 食道の拡張や収縮による食道壁の緊張が迷走神経反射を誘発
  • 機序は徐脈や心停止,血圧低下,両者の合併から失神に至る
  • 基礎疾患は食道疾患(痙攣やヘルニア,癌)や心筋梗塞など
  • 治療は食事指導(難治性ならペースメーカ植込み術を検討) 


嚥下性失神が生じたパーキンソン病の73歳女性
  • 頸部食道をバルーン拡張するとP波が消失し5.9 秒の静止と意識消失
  • 引き続いてバルーン拡張を解除するとP波が出現し洞調律へ復帰した

(投稿者 川崎)

2024-12-23

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です。「生きた physical examination」を体感・習得して、「感動できる」ものにしていきたいと思っています。毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


👻「フィジカル講習会」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

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(投稿者 川崎)

2024-12-22

インディゴ・システム Indigo™ Aspiration System

  • 概略 血管から血栓を除去する中心循環系塞栓除去用カテーテル(Penumbra Inc., USA)
  • 原理 吸引カテーテルと吸引ポンプを接続して陰圧による機械的な吸引(音が発生する)
  • 適応 急性下肢動脈閉塞症,急性上腸間膜動脈閉塞症,深部静脈血栓症(認定施設限定)
  • 承認 開発は2014年で本邦では2023年4月20日に薬事認可され,2023年9月1日に保険収載

【形状・構造及び原理等】添付文章より抜粋)



【使用目的又は効果】添付文章より抜粋)
  • 本品は、急性下肢動脈閉塞症、急性上腸間膜動脈閉塞症又は重症な急性深部静脈血栓症において、速やかな治療が必要であり、外科的血栓摘除の実施が困難又は実施しても有効な治療効果が得られないと予想される患者を対象として、血流の再開を図るために使用することを目的とする。

【臨床成績】添付文章より抜粋)
  • 有効性:血流再開率(TIMI 2-3)は87.2% (68/78例) であり、そのうち血栓溶解療法を行わずに血栓吸引した症例の血流再開率は83.0% (44/53例) であった。本品により血栓吸引を実施した後に、追加の機械的治療等を実施した症例における血流再開率は96.2% (76/79例) で、そのうち血栓溶解療法を行わずに血栓吸引した症例の血流再開率は96.2% (52/54例) であった。
  • 安全性:24時間以内に発生したSAEは6.3% (5/79例) であり、デバイスに関連するSAEは報告されていない。(※投稿者追加:SAE = Serious Adverse Event,重篤な有害事象)

(投稿者 川崎)