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2024-07-19

GABAA受容体

  • GABAはγ -aminobutyric acid の略で成熟脳での主要な抑制性神経伝達物質
  • A受容体(Cl-イオンに選択性)とB受容体(K+上昇やCa2+低下など)に二分
  • A受容体はGABAが結合し神経細胞膜電位の過分極で活動電位発生を抑制する
  • アルコールやベンゾジアゼピン(BZP),propofol他はGABAA受容体に結合



🍫おまけ
  • GABAと言えばチョコレートです.実際にリラックス効果があり(検討1),睡眠の質や認知機能に良い影響を与える(検討2)様です.
  • GABAチョコレートを食する時に,GABAA受容体が作用する上記の機序を思い出してみてください.よりリラックスできるかも...😁

(投稿者 川崎)

2024-07-12

臨床クイズ

👹 考えられる診断は?
  • 胸膜炎に対してタゾバクタム・ピペラシリン(TAZ/PIPC)で加療していた症例.急性腎障害が進行したため血液透析を導入して,抗菌薬をセフェピム(CMX or CFPM)に変更した.すると翌日から痙攣とミオクローヌスが出現するようになった.


(投稿者 川崎)

2025-12-16

日本内科学会 第250回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題68 腹筋の有痛性収縮にて発症したスティッフパーソン症候群の1例
  • 症例は50歳,男性.入院3か月前から腹筋が持続的に収縮するようになり, 緩徐に増悪し疼痛を伴うようになった.疼痛は臥位,特に前屈姿勢で軽度となるため,歩行困難となり入院となった.スティッフパーソン症候群(SPS)は自己免疫異常により中枢神経での抑制性神経伝達 (主に GABA) が低下しα運動ニューロンが抑制から解放されて症状を起こすと考えられている.異常な筋強直を呈する姿勢異常の鑑別疾患として本疾患を考慮する必要がある.

演題84 レフグレン症候群を契機に有症状化した潜在性甲状腺機能亢進症の1例
  • 症例は50代,女性.10日前から発熱と四肢の紅斑・関節痛を認め,精査加療目的に入院した.CTで両側肺門リンパ節腫脹(BHL)を認め,経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を確認し,サルコイドーシスに矛盾しない所見であった.さらに両側下肢に結節性紅斑,関節痛,発熱を伴い,急性発症型であるレフグレン症候群(関節炎と結節性紅斑,両側肺門リンパ節腫脹を三主徴とする急性サルコイドーシスの一型)と診断した.サルコイドーシスと自己免疫性甲状腺疾患の合併は2%程度に報告されるが,橋本病が多く,バセドウ病は比較的稀である.

演題126 当院のランタン沈着症11例の検討
  • 炭酸ランタン(La)は透析患者の高リン血症に対する薬剤である.そのLaが消化管粘膜に沈着することで消化器症状を生じることや, プロトンポンプ阻害剤(PPI)を内服することでLaによるリンの吸着が低下することが近年注目されている.透析患者176 例のうち4年間で上部消化管内視鏡検査(EGD)を受けた134例を対象に,後方視的にランタン沈着症と考えられる白色微細顆粒状病変を認める患者において,EGD施行日までのLa総内服量とPPIの内服の有無について検討した.ランタン沈着症患者は11例で,発症までのLa総内服量の平均値は1952.8g(543.5-4021.5g)であった.

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2017-08-17

全身硬直症候群

筋肉の弛緩異常に起因する成人の進行性神経性疾患
  • 発作性有痛筋痙攣から始まり,数週~数ヵ月で持続性の全身性筋硬直に至る
  • 音や接触などの感覚刺激で誘発され,嚥下障害や構音障害を生じることもある
  • GABAやグリシン関連物質に対する自己免疫疾患(50-70%で抗GAD抗体陽性)
  • 頻度は極めて稀(100万人に1人?)で,本疾患の約5%で悪性腫瘍を合併する

様々な別名
スティッフパーソン症候群,スティフ・マン症候群,全身強直症候群
Stiff person syndrome (SPS),Moersch-Woltman syndrome

1956年にメイヨークリニックから14例の報告(Proc Staff Meet Mayo Clin. 1956;31:421-7).

(投稿者 川崎)

2025-02-15

CRP陰性の発熱

CRP(C-reactive protein,C反応性蛋白)
  • IL-6,IL-1β,TNF-α,IFN-γなどのサイトカインにより肝細胞で作られる主要な急性相の反応物質
  • 抗炎症作用と炎症促進作用を有し感染・外傷・梗塞・自己免疫・炎症性疾患・悪性新生物で上昇
  • CRPが陰性で高体温を呈する病態として薬剤熱や妊娠,習慣性高体温症などがよく知られている
  • 他にSLE(全身性エリテマトーデス)やCRPが産生できない肝硬変,頭蓋内に限局した炎症(下図)


- 無菌性髄膜炎の37歳女性の臨床経過 -

👽 おまけ<
  • 頭蓋内に限局した炎症でCRPが生成されない理由は,各種サイトカインが血液脳関門(Blood-Brain Barrier; BBB)を通過できないためと考えられています.一方,アルコールやカフェイン,ニコチン,GABA,麻薬の一部などは通過できます.
  • CRPの発見は米国の医師 Tillett らである(J Exp Med 1930;52:561-71).はじめは肺炎球菌の細胞壁多糖類(C多糖類/C-polysaccharide)と反応する物質として同定されたため,C-reactive protein(C反応性蛋白)と命名されたようです.

(投稿者 川崎)

2024-07-24

昨日の会話より

👥 救急室の横の廊下で...
  • 医師 「アモバンって採用がなくなったの?」
  • 薬剤師「今はルネスタです.光学異性体の,,,」
  • 医師 「ルネスタってアモバンの光学異性体?」
  • 薬剤師「そうですよ.にがみが減っています」

👿 光学異性体(optical isomer)
  • 鏡像関係にある対象的な立体構造を持つ化合物のこと.各々をR体とS体と呼び,物理化学的な性質はほぼ同じであるが生理活性は異なることが多い.
  • 三次元モデルでキラル炭素の原子団優先順位が高い順に時計回りをR配置(Rはラテン語のrectus=右),反時計回りをS配置(sinister=左)
  • アモバン®(ゾピクロン)は非ベンゾジアゼピン系(Z薬)の睡眠薬でGABAA受容体に作用し効果を発する.苦味という独特の副作用が知られている.
  • ルネスタ®(エスゾピクロン)はゾピクロンの催眠活性を有すS体を抽出して開発され苦味が少ない(ゾピクロンはラセミ体でR体とS体が等量存在)

(投稿者 川崎)

2024-01-09

A10エーテン神経系

  • 中脳腹側被蓋野から大脳皮質に投射するドーパミン神経系
  • 腹側被蓋野(VTA)は中脳の一部でドパミン神経系の起始核
  • 他に側坐核や扁桃体,海馬へもドパミンを投射する(下図)
  • 一般に A10神経は報酬系に属し気持ちを良くし快感に誘う
  • 一方,側坐核より放出されるGABAはVTAの働きを抑制する


VTA (ventral tegmental area)=腹側被蓋野,prefrontal cortex=前頭前皮質,nucleus accumbens =側座核,hippocampus=海馬,substantia nigra=黒質,striatum=線条体 

💁 幸福に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2026-05-18

バナナとK(カリウム)

  • 成人のカリウム目安量は男性2,500mg、女性2,000mg/日
  • バナナ1本(100g)のカリウム含有量の目安は360mg程度
  • グルコンサンK 5mEq製剤にはカリウムが約196mg含まれる

(松本薬局の表を参考にChatGPT作成)

😗 バナナ雑学
  • バナナ1本(100g)93kcal → ご飯お茶碗半分、5〜6枚切り食パン半分
  • バナナ1本(100g)で食物繊維 1.1g → 便秘対策に効果が期待出来ます
  • ポリフェノール類が豊富(特に熟したバナナ)→ 強い抗酸化の作用あり
  • GABA(γ‐アミノ酪酸) 豊富 → 脳興奮を抑えストレス緩和やリラックス
  • バナナと人間はおよそ50%の遺伝子が同じ(つまり人は半分バナナ😆)

参考)スミフル:バナナの栄養・栄養素、他

(投稿者 川崎)

2017-03-30

Supragastric Belch SGB

日本語の病名は不明(・・・ご存知な方は是非教えてください 🙏)
Supragastric=胃の上の,belching=おくび(医学用語)/げっぷ

  • 食道に溜まっている空気が口腔内に急速に吐き出される現象
  • 胃内のガスとは無関係で,1日数百回も生じて生活のQOLが低下
  • 逆流性食道炎や食道の運動低下(hypomotility)と関連
  • 24時間食道インピーダンスpHモニタリングが診断に有用
  • 治療は行動療法,言語療法,GABA作動薬バクロフェン

参考論文 Supragastric Belching. J Neurogastroenterol Motil 2015;21:398-403

(投稿者 川崎)