- 先日,カンファレンスでATTR心アミロイドーシスに関し,プレアルブミン(=TTR)について混乱がありました。AIと一緒に整理してみたので忘備録として下記にアップしておきます.
- なおTTRは血中では主にホモ4量体として存在し、T4やビタミンAの輸送を担います。4量体が単量体に解離し、単量体がミスフォールドして、オリゴマーを経てアミロイド線維として沈着します。
👺 プレアルブミン値 vs 診断
- ATTRwtの診断時TTR中央値は23 mg/dLで、正常下限付近(基準18–45 mg/dL)にとどまった(Circ Heart Fail 2018)。別の米国研究(45例)では、ATTRwt患者のTTRは対照と差がなかった(Circ Heart Fail 2018)。
- 診断は、骨シンチとM蛋白の除外による非生検診断アルゴリズムが基本であり、血中TTRはその項目に含まれない(Circulation 2016)。
👹 プレアルブミン値 vs 予後
- 生検で確定したATTRwtでは、診断時の血中TTRが低いほど生存期間が短く、独立した予後予測因子であった。経時的なTTR低下は心機能の悪化と対応していた。TTR <18 mg/dLの群では生存期間中央値2.8年、≥18 mg/dLの群では4.1年であった(HR 2.3)(Circ Heart Fail 2018)。
- タファミジスを導入したATTRwt 169例では、ベースラインTTRが低いほど死亡リスクが高く(<18 mg/dLで高リスク)、導入30日後のTTR上昇幅が小さいほど(<7.5 mg/dL)心不全入院が多かった。両者がともに低値(ベースライン<18 mg/dLかつ上昇幅<7.5 mg/dL)の群でイベント率が最も高かった(Eur J Heart Fail 2026)。
👿プレアルブミン値 vs 薬力学的指標(基本:安定化薬で↑、サイレンサーで↓)
- タファミジス:実臨床のATTR-CM 72例では、血中TTRが21.8から29.3 mg/dLへ34.5%上昇した(JACC CardioOncol 2021)。ATTR-ACTの事後解析では、80 mgで1か月時点に平均36.3%上昇し、30か月まで持続した。早期上昇が5 mg/dL大きいごとに全死亡のオッズは45.0%低下したが、TTR上昇の機序と臨床的意義はなお不明確とされている(Cardiol Ther 2026)。
- アコラミジス:ATTRibute-CMでは第28日までに平均9.1 mg/dL上昇し、30か月まで維持された。早期上昇が5 mg/dL大きいごとに死亡オッズは31.6%低く、この関連はバリアントの有無、NYHA分類、NACステージ、ベースラインTTRで補正後も独立していた(J Am Coll Cardiol 2025)。
- サイレンサー(ブトリシランなど):肝でのTTR産生を抑制するため、血中TTRは大きく低下する。HELIOS-Aでは3週以内に低下し、18か月後の定常状態で平均81.0%(トラフ)低下した。血清ビタミンAもTTRと並行して低下した(Amyloid 2023)。
(投稿者 川崎)








