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2024-07-04

今週の一枚 🎯 頸静脈の立位負荷

拡張型心筋症(CRTD)例が息切れで来院(座位)

🐤 解説
  • 座位で鎖骨上に周期的な陥凹(内頸静脈)
  • 中心静脈圧はかなり上昇していると判断
  • 座位→立位で拍動パターンの変化に注目
  • 拍動は一旦消失するもその後に再び出現
  • しかもパターンは陥凹ではなく隆起(→)
  • 症状も強く(血圧は低めも)利尿薬追加
🐥 追加コメント
  • 通常は,座位から立位の体位変化で頚静脈拍動パターンが改善します(陥凹→消失または隆起→陥凹など).この場合は労作時の息切れの訴えはあまり強くなく,日常生活はなんとか送れいていることが多いと思います(自験例).
  • しかし本例のように立位で改善が乏しい症例ではやはり辛そうです.本例はスピロノラクトン25 mgの追加で体重が3 kg低下して,座位で頚静脈拍動も消失しました(ただし吸気負荷後やトレッドミル負荷中は僅かに陽性)
  • 本例では長年,患者さん自身がいつも頚静脈を確認されています.自覚症状との関連も確かなので,担当医(投稿者)のみならず患者さんもとても信頼しているフィジカル所見です.毎回BNP値を確認する必要もありません.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2024-07-03

ICANSアイキャンス 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群

  • ICANSはImmune effector Cell-Associated Neurotoxicity Syndromeの省略形
  • キメラ抗原受容体発現T細胞(chimeric antigen receptor-T,CAR-T)に関連
  • 機序はCRSの過剰サイトカインによる刺激 and/or CAR-T細胞による直接作用
  • CAR-T細胞輸注の1週間以内(3~6日目)に生じて,2〜3週間までには改善
  • 症状は振戦,傾眠,せん妄,認知機能障害,痙攣,失神,失語, 運動失調
  • 治療は副腎皮質ステロイドや抗痙攣薬など(通常は後遺症を残さずに改善)


(投稿者 川崎)

2024-07-02

簡易GDMTスコア Simple GDMT score

  • 心不全に対するガイドラインに基づく薬物療法(GDMT)の遵守度を評価
  • fantastic four 4剤(ARNI,β遮断薬,MRA,SGLT2阻害薬)で判定(下図)
  • 福岡赤十字病院の Matsukawa らが提唱(ESC Heart Fail 2023;10:3352-63
  • これは従来の GDMT score の改良版(J Am Coll Cardiol 2022;79:504-10
  • HFrEF〜HFmrEF の1054例を後向解析:5点以上でHF再入院・全死亡が減少

- Simple GDMTスコアと複合アウトカムのROC解析 -

(投稿者 川崎)

2024-07-01

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です。「生きた physical examination」を体感・習得して、「感動できる」ものにしていきたいと思っています。毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


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(投稿者 川崎)