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2021-06-10

🎯 今週の一枚

心雑音を指摘された若者



(投稿者 川崎)

2021-06-09

モーリー・テスト Morley test

  • 胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome; TOS=胸郭出口付近で鎖骨や第一肋骨,前斜角筋などに腕神経叢と鎖骨下動脈,鎖骨下静脈が圧迫されて生じる病態)を診断する方法の一つ.
  • 鎖骨上窩の腕神経叢を指で圧迫して圧痛が生じれば陽性と判断.なお頚肋(頸肋,けいろく=第7頸椎の横突起の異常発育)は胸郭出口症候群の原因の一つである.
  • 名称の由来は(おそらく)イギリスの外科医 John Morley(Brachial plexus neuritis due to a normal first thoracic rib : its diagnosis and treatment by excision of rib. Clin J 1913;13:461-3).

胸郭出口症候群の検査法まとめ/TOSの診断をまとめた秀逸動画)

💁 整形外科に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可)
(投稿者 川崎)

2021-06-08

RS3PE アールエススリーピーイー 症候群

  • 意味 Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edemaの頭文字
  • 概要 両手足の圧痕性浮腫が特徴的な特定の臨床所見を呈する突然発症の多関節炎
  • 初報 米国のリウマチ科医師 McCarty らによる10例報告(JAMA 1985;254:2763-7
  • 疫学 頻度は50歳以上の0.09%と比較的多く,男女比は1:1~2:1とやや男性が優位
  • 診断 確立した診断基準が存在しないため特徴的な身体所見と他疾患の除外による
  • 鑑別 高齢発症関節リウマチ(EORA)やリウマチ性多発筋痛症(PMR)他(下表)
  • 採血 リウマトイド因子を含む各種自己抗体は通常陰性(病名のSはseronegative)
  • 画像 骨X線で関節びらん等はないがGa造影MRIで強い造影有(関節エコーも有用)
  • 治療 低用量ステロイド(10-15mg/日)から開始/不十分ならメトトレキサート等
  • 予後 ステロイドへの反応は非常に良いが,ステロイドを離脱できない症例も存在
  • 合併 消化器系や前立腺などの癌や悪性リンパ腫の合併が少なくない(過去の投稿


日内会誌 2017;106:2131-5/表上の文献10はコチラ

(投稿者 川﨑)

2021-06-07

CDC&ECDC

 📀 CDC
  • もちろんCenters for Disease Control and Prevention(アメリカ疾病管理予防センター)の略称で,感染症対策の総合研究所.1946年に創設され米国の健康と安全を主導する連邦機関であるが,実際は世界中の疾患に対応している.本部は米国ジョージア州アトランタにあり職員は7,000人で,国内外の支部にも8,500人を擁す(過去の投稿).

💿 ECDC
  • 予想通りヨーロッパ版のCDCで,正式名称はEuropean Centre for Disease Prevention and Control(欧州疾病予防管理センター).ヨーロッパの伝染病予防の強化を目的に2005年に設立された機関で,本部はスウェーデンにある.センターは約300人の職員を擁し、十年間の予算は総額5,000万ユーロが投じられる(引用).

(投稿者 川﨑)

2021-06-06

抗微生物薬など

抗微生物薬 (antimicrobial agents, antimicrobials)
  • 微生物(一般に細菌、真菌、ウイルス、寄生虫に大別される)に対する抗微生物活性を持ち、感染症の治療、予防に使用されている薬剤の総称。ヒトで用いられる抗微生物薬は抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗寄生虫薬を含む

抗菌薬 (antibacterial agents) 
  • 抗微生物薬の中で細菌に対して作用する薬剤の総称として用いられる。

抗生物質 (antibiotics)
  • 微生物、その他の生活細胞の機能阻止又は抑制する作用(抗菌作用と言われる)を持つ物質であり、厳密には微生物が産出する化学物質を指す。

抗生剤
  • 抗生物質の抗菌作用を利用した薬剤を指す通称。


(投稿者 川崎)

2021-06-05

怠け者? Definitely No!

労働現場で「気合が足らん」と言われていた症例

👹 所見の解説
  • 舌圧子の上方移動が二段である ➜ 二峰性拍動(pulsus bisferiens/biphasic pulse)
  • 同所見は閉塞性肥大型心筋症(spike and dome型)または大動脈弁逆流(鋭い2峰)
  • 本例の二峰性拍動は後半が前半より小さいが後半のフレも鋭い(dome型ではない)
  • 心エコー図で大動脈弁輪拡張と高度大動脈弁逆流を認めた(大動脈弁は三尖あり)
  • 肥大型心筋症の二峰性拍動は通常,後半成分が鋭くならない(自験例1自験例2

👺 独り言
  • 本例は舌圧子を用いなくても頸動脈の鋭い拍動(コリガン脈)を認めることに注目(集中すれば二峰性も見えてくる).コリガン脈は座位の方がより明瞭に観察できることが多い(重力による虚脱増強のため:自験例).一方,肥大型心筋症であれば頸部の陽性波は通常,頸静脈のa波である(自験例).
  • 本例は労働現場ですぐに休みたがるため職場仲間から「気合が入っとらん!」と言われていたようである.一方,診察室に入って来られた瞬間にコリガン脈から診断したため患者さんと家族にとても驚かれた.「いままでいくつかの医療機関を受診したのに…」と聞いて逆にこっちが驚いた.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-06-04

心不全の増悪因子:FAILURE

  • Forgot medication:薬の服用忘れ
  • Arrhythmia/Anemia:不整脈や貧血
  • Infections/Ischemia/Infarction:感染,虚血,梗塞
  • Lifestyle:塩分過剰摂取やストレス
  • Upregulation of cardiac output:甲状腺疾患や妊娠
  • Rheumatic valve or other valvular diseases/Renal failure:弁疾患あるいは腎不全
  • Embolism:肺塞栓など

🚜 ガイドラインに記載されている心不全の増悪因子(82ページの表50)
  1. 急性冠症候群
  2. 頻脈性不整脈(心房細動,心房粗動,心室頻拍など)
  3. 徐脈性不整脈(完全房室ブロック,洞不全症候群など)
  4. 感染症(肺炎,感染症心内膜炎,敗血症など)
  5. アドヒアランス不良(塩分制限,水分制限,服薬遵守などがで きない)
  6. 急性肺血栓塞栓症
  7. 慢性閉塞性肺疾患の急性増悪
  8. 薬剤(NSAIDs,陰性変力作用のある薬剤,癌化学療法など)
  9. 過度のストレス
  10. 過労
  11. 血圧の過剰な上昇
  12. ホルモン,代謝異常(甲状腺機能亢進・低下,副腎機能低下, 周産期心筋症など)
  13. 機械的合併症(心破裂,急性僧帽弁閉鎖不全症,胸部外傷, 急性大動脈解離など)

🙆 循環器疾患の語呂合わせ(英語ですが…)➜ List of cardiology mnemonics

💁「語呂合わせ」に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-06-03

🎯 今週の一枚

腹部の違和感を訴える症例



(投稿者 酒井(健)/吉岡/川崎)

2021-06-02

🏃 先日のERで著効:看護師さんがやってくれました

👐 スクイージング(Squeezing)
  • 胸郭を使って、肺を絞るような動作からスクイージング。呼気時に両手で胸郭を圧迫し、肺に貯留した痰を中枢へ移動しやすくし、喀痰を補助する役割があるそうです。実際の動画が看護rooにありましたので貼っておきます↓


動画を見て分かる通り、理論的な医療行為というより経験的な手技だと思うので、
  • 呼吸にどれだけ同期させられるか
  • 適切な圧で行えるか
  • 圧を分散させず、狙った場所に力を加えられるか
が難しい(というより再現性が低い)と考えられます。

しかし、スクイージングが喀痰しやすさを促進するという文献は少ないながらにも存在したので、「痰のせいでサーチが低くてどうしようもない、、」といった患者さんに対して試してみるのは大いに有用ではないでしょうか。

(投稿者 土橋)

2021-06-01

心筋梗塞 vs 発熱

♡ 前PCI時代川崎医会誌 1993;19:1-11
  • 対象は心筋梗塞発症24時間以内にICUに入室した感染症合併のない49例で,39例(79.6%)に心筋梗塞発症4.3~51時間(平均23.4時間)の間に37℃以上の発熱あり.38例が2日以内に発熱し,そのピークは1例を除き心筋梗塞発症3日以内であった(範囲は37.0~38.4℃,平均37.2℃で1~2日間続き,平均発熱後3.8日間で解熱).ただし最高体温と最高CPK値に有意な相関なし(下図).


♤ PCI時代J Am Heart Assoc 2017;6:e005687
  • ST上昇型急性心筋梗塞に対して緊急インターベンションを受けた276例中45人が37.7度以上の発熱 (最高体温はインターベンション後4日以内).多変量解析では梗塞後の発熱は大きな心筋梗塞 (オッズ比3.48,95%信頼区間1.71–7.07,P<0.01) および小さい心筋サルベージ指数(オッズ比2.10,95%信頼区間1.01–4.08,P=0.03)と関連していた.ただし最高体温と心筋梗塞サイズや心筋サルベージ指数は有意に相関せず(下図).


機序
  • 壊死した心筋に対する好中球や単球,マクロファージなどの非特異的な反応から合成される各種サイトカイン(インターロイキン-1やインターロイキン-6,インターロイキン-8,腫瘍壊死因子-α,インターフェロン-γなど)の発熱作用によると考えられているようです.さらにこれらのサイトカインによって誘発されたプロスタグランジンE2などによる視床下部領域の体温調節中枢への作用もあるようです.


🉐 関連投稿(発熱と意外な循環器疾患)

(投稿者 川崎)