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2026-01-16

成功体験

- 息切れで来院した症例 -

👀 解説
  • 通常時には爪床に特記すべき異常所見なし
  • 爪床の圧迫時に色調変化(クインケ徴候)
  • おまけ:検者の爪床にはクインケ徴候なし

😊 独り言
  • 本例は心音で明瞭な拡張期雑音を聴取しました.そこで循環器外来を見学していた初期研修医1年目の先生に爪床を圧迫してもらいました.
  • すると明瞭な拍動が出現したため,大動脈弁逆流と診断してくれました.その後に行った心エコー図でも高度の大動脈弁逆流を認めました.
  • その先生はとても感動していました.このような成功体験を積むことが身体所見を学ぶ近道です.ただし志望は循環器以外のようですが...

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-06-22

パテラ Patella

  • 英語で膝蓋骨を意味し,発音はパラ(pəˈtel.ə/音声).世間ではペット犬の膝蓋骨脱臼として使用されています.整形外科の先生に尋ねたら,ヒトの膝蓋骨脱臼をパテラと呼ぶことはないと言われました. 
  • パテラになった犬には次のような症状が出現するようです ➜ スキップしたり跳ねたりする,脚を引きずる,起き上がらない,動きが硬くぎこちない,ひざを外側に向けて座る(参考:KINS WITH動物病院

🐶 分類
  • 膝蓋骨内方脱臼:子犬に多く遺伝的な要因あり
  • 膝蓋骨外方脱臼:大型犬に多く骨格異常と関連
  • 外傷による脱臼:転倒や事故に関連して生じる

🐕 重症度
  • グレードⅠ:用手的に外したり戻せる状態で症状には乏しい
  • グレードⅡ:脱臼と整復を繰返す状態で痛みを伴うことあり
  • グレードⅢ:常に外れていて(戻せる)歩き方に支障が出る
  • グレードⅣ:常に外れていて(戻せず)歩行に異常をきたす

🐾 対応
  • 予防:床材調整,体重管理,適度の運動,爪管理など
  • 内科:サポーター,サプリメント,消炎鎮痛薬など
  • 外科:滑車溝造溝術,脛骨粗面転移術,骨切り術など

超小型および小型犬種における膝蓋骨内方脱臼の発生率

💁 膝蓋骨に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-03-06

今週の一枚 🎯

心雑音で来院した症例

👀 解説
  • 安静では指先に特記すべき所見なし
  • 圧迫時の爪床の中部~遠位部に注目
  • 白色とピンク色の色調変化に気づく
  • 最終診断は二尖弁の大動脈弁逆流症

👂 独り言
  • 心音(特にⅢ音やⅣ音などの低調音)は,何度も聴いて耳に覚え込まします.視覚も同じです.何度も見ていると僅かな変化にも気が付きます.
  • この動画はそういった眼の練習に最適と思われます.本例は中等度の大動脈弁逆流ですが,中等度以上なら,ほぼクインケ徴候は観察できます.
  • 本コンテンツには大動脈弁逆流例の爪床変化が多くアップされています(コチラから).爪圧迫以外の描出ワザも是非,マスターしてください.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

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(投稿者 川崎)

2024-04-21

爪脱臼

  • 外傷で生じる爪根脱臼(根元のみ)と爪甲脱臼(全部)がある
  • ただし爪脱臼が医学用語かは疑問(GoogleScholarで検索ゼロ
  • 安易な抜爪は回避してできれば保存療法(例:シラー法など)
  • ただし爪が完全にはずれてもおよぞ半年から1年で生え変わる

参考)救急医の頭の中,ほか

修復例:ネイルプレートを挿入し非吸収性縫合糸で固定

💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-04-11

今週の一枚 🎯

肥大型心筋症で通院中の患者さんから相談を受けました

💅  爪甲そうこう剥離症(Onycholysis)
  • 爪剥離は冬に基部から始まり上方へ進行
  • 夏には自然に治癒(この数年繰り返し)
  • 服用薬はなくⅣ音を除き身体所見は正常
  • 栄養や甲状腺機能を含む血液検査は正常
  • 皮膚科的には爪甲剥離を除いて異常なし
  • 職業は通常デスクワークで寒冷刺激なし

👋 本態性爪甲剥離症(Idiopathic onycholysis)
  • 爪甲剥離症の原因としては,感染症(真菌など),乾癬,外傷または損傷,薬物反応(テトラサイクリンなど),栄養不良,甲状腺疾患,紫外線暴露,刺激性反応などがある.
  • 本例は特発性爪甲剥離症(Idiopathic onycholysis)と診断したが,爪甲剥離症が季節的なことから,冬の低温多湿などの環境条件が病状の悪化に関連している可能性がある.
  • 爪甲剥離には下図に示すように様々な型があるが,いずれも爪の先端~中央に生じていることに注目.本例は爪床基部から生じているようであるが,その原因は不明であった.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

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(投稿者 川崎)

2024-04-09

扁平苔癬へんぺいたいせん Lichen planus

  • Lichen planusの発音:ˈlaɪkən ˈplaː.nus/ライケン プラァーヌス/実際の音声
  • 皮膚や粘膜,爪,毛髪を侵す慢性炎症性自己免疫疾患(ただし実際は苔癬でない)
  • 特徴的な多角形扁平丘疹と斑+その上に網目状の微細な白色鱗屑(Wickham線条)
  • しばしばそう痒が強く,口腔扁平苔癬は癌化する可能性がある(他の部位では無)
  • 特発性が多いが一部は薬剤性(金や抗マラリア薬など)や感染と関連(HCVなど)
  • 限局性ならステロイド外用薬,汎発性ならステロイド全身投与や紫外線療法など


HCV感染がある69歳男性に発症した扁平苔癬

💁 苔癬に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-03-25

指先拍動徴候 Throbbing fingertip sign

息切れと心雑音で受診した症例

😀 解説
  • 無負荷の状態では爪床の色調変化(クインケ徴候)は陰性
  • 爪床圧迫で僅かにQuincke's pulseを認める?(動画中の*)
  • そこでスマホ光源法を追加したがクインケ脈はやはり陰性
  • しかし指先拍動徴候(throbbing fingertip sign)あり(→)
  • 最終診断は中等症MR+軽症〜中等症ARによる慢性心不全

    😄 追加コメント
  • 指先拍動徴候(throbbing fingertip sign)は指先の容積変化で,大脈を反映していると考えられます.非常にわずかな変化なので通常の肉眼で視認することは難しいと思われますが,ライトアップすれば本例のようにわかりやすくなります.
  • 本例の指先拍動徴候は非圧迫で観察できている点がポイントかもしれません(圧迫法で出現したthrobbing fingertip sign).つまりクインケ徴候よりも感度が高い可能性があります.経験された方はコメント欄に記載してもらえると嬉しいです😊

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(投稿者 川崎)

2024-03-08

AR:指先拍動徴候(throbbing fingertip sign)

重症の大動脈弁逆流例(症状なし)

💅 解説
  • 無負荷状態ではクインケ徴候陰性(陽性例
  • 爪床圧迫を追加したがそれも陰性(陽性例
  • そこでスマホ法を追加したが陰性(陽性例
  • さらにスマホ法に圧迫法を追加したが陰性
  • しかし照明の境界部分が明瞭に拍動(矢印)

 😎 解釈
  • 大動脈弁逆流症は一回拍出量が増大する大脈です.これが指先の大きな容積変化を生じ,拍動として観察されているのではと推測します.
  • 被検者ではなくて検者(つまり指を抑えている本人)の拍動が伝わっているのかなとも思いましたが,自分の拍動とは異なるリズムでした.
  • この症例は個人的に指先拍動(throbbing fingertip)と呼んでいます.ARの新たな(?)身体所見として有用かは症例の集積が必要ですが...

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(投稿者 川崎)

2024-02-22

今週の一枚 🎯

心不全増悪に対して利尿薬を追加した症例
外来の再診時には手がとても冷たくなっていた

👽 解説
  • 再診時には内頸静脈の拍動は完全に消失
  • 手指や爪床に末梢チアノーゼは認めない
  • 症状に関して特に言及なし(元々乏しい)
  • 採血ではCr上昇,BUN上昇,BNP大幅低下
  • 利尿薬の過剰投与 ➜ 血管内脱水と判断
  • 利尿薬を減量して早期のフォローを予定

💣 WRF (worsening renal function)
  • 心不全例では利尿薬(特にループ系)の追加で血清クレアチニンの上昇を認めることがあります.WRF(腎機能悪化)と呼ばれ,その定義は48時間以内に絶対値で0.3mg/dL以上あるいは前値より50%以上の上昇などです.
  • 機序は交感神経/RAA系の亢進による末梢血管のトーヌス亢進や体液量減少による心拍出量の減少などが考えられます.このWRFは心腎連関の一つですが,予後悪化の指標であることが知られているため注意が必要です.
  • 本例のように座位で内頸静脈拍動が明瞭だった症例(=中心静脈圧が高度上昇)で,利尿薬の追加後に頸静脈拍動が綺麗さっぱり消失した時には要注意です.必ず手を触ってみて冷たくなっていないか確認してください.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

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(投稿者 川崎)

2024-02-13

機械工の手 Mechanic’s Hands

  • 母指の尺側および他4指の橈側を中心に手指皮膚の角化(亀裂やひび割れ他)が生じた病態
  • 抗合成酵素症候群(Anti-synthetase syndrome: ASS)で認めることがある筋外症状のひとつ
  • 病変分布は物を掴むなど物理的刺激を受ける部位に生じるケブネル(Köbner)現象で説明可
  • 合併は爪周囲紅斑 52%,ゴットロン徴候 39%,ヘリオトロープ発疹 23%,レイノー現象 21% 


進行性の近位筋力低下を訴える45歳女性

💁 筋炎に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-12-31

バート症候群 Bart syndrome

Bart's syndromeの記載を初めて見たときに,Barth Syndrome(バース症候群)やBirt-Hogg-Dube(BHD)症候群(バート・ホッグ・デュベ症候群)などと混乱したため,ここにまとめておきます.

バート症候群(Bart syndrome)
  • 概要 局所的な皮膚欠如,水疱形成,爪の変形を特徴とする疾患
  • 初報 米国の皮膚科医Bart BJら (Arch Dermatol 1966;93:296-304)
  • 形態 常染色体優性(顕性)遺伝で固定原線維の超微細構造異常
  • 治療 創傷ケアと抗生物質投与で感染制御,デブリードマンなど
  • 経過 通常数ヵ月以内に治癒するが瘢痕と脆弱な皮膚が残存する


バート症候群の新生児の手足

(投稿者 川崎)

2023-12-14

今週の一枚 🎯

多量の利尿薬でも息切れが続く慢性心不全症例



(投稿者 川崎)

2023-12-07

今週の一枚 🎯

先週から急に出現した動悸を訴える症例

😎 解説
  • 左側の肘部〜前腕にかけて明瞭な拍動を認める
  • 触診で動脈性の拍動 ➜ 上腕動脈のコリガン脈
  • 爪床のクインケ徴候は圧迫法で僅かに陽性??
  • ライト法を追加したがこちらでもはっきりせず
  • この症例の最終的な診断は急性の大動脈弁逆流

👿 臨床現場
  • 実は本例は初診時のフィジカルで大動脈弁逆流と診断できませんでした.ギャロップがあり心不全とは思いましたが,明らかな心雑音を聴取しませんでした.よって肘部の動脈拍動は,高齢者によくある偽コリガン脈と判断してしまいました.今から思うとその拍動は直線状であるため本物のコリガン脈っぽいのですが...
  • 慢性ARと比較して急性ARでは一回拍出量の増加が少ないため,クインケ脈が出現しにくいのではと思われます(ただし関連論文は見つかりませんでした).同様に急性大動脈弁逆流では心雑音が出現しにくく,おまけに心エコー図でも逆流シグナルが描出しにくい症例があるので要注意です(特に頻脈時:自験例).

👀 クインケ徴候に関する過去の投稿 ➜ コチラ

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(投稿者 川崎)

2023-11-17

爪囲そうい紅斑 Periungual erythema

  • 爪縁に沿って紅斑, 血管拡張, 出血などを生じた病態
  • 症状は発赤,熱感,疼痛などで診断は視診に基づく
  • 単なる感染症でも生じるが,膠原病と関連しやすい
  • 特に皮膚筋炎で高率に合併(微小血管障害による)

発熱と咳嗽で来院した64歳の男性
最終診断は筋症状を伴わない皮膚筋炎+急速進行性間質性肺炎

💁 膠原病に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-07-20

今週の一枚 🎯 クインケ脈のスマホ法

無症状の大動脈弁逆流例(中等症〜重症)の爪床

👶 解説
  • 明らかな拍動(クインケ脈/Quincke's pulse)はなかった
  • 爪床の圧迫でも出現せず(動画なし:陽性になった自験例
  • ただしスマホのライトに爪床を置くと明瞭な拍動が顕性化

🔦 診察室実況
  • スマホのライトを用いたクインケ徴候の検出方法はtwitterなどでも有名です.用指的な爪床圧迫とは異なり,微妙な力加減が一切不要でオススメです.
  • 実は頸静脈拍動を見るためのペンライトでもやってみました.僕のライト(下図)は巨匠のお薦めで,ペンライト界のメルセデス・ベンツだそうです.
  • 爪床拍動はペンライトの方がスマホよりはるかに明瞭でしたが,患者さんが指の違和感を訴えました.自分でやってみると数秒後にかなりの熱感 😱


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(投稿者 川崎)

2023-07-06

今週の一枚 🎯 いつも患者さんから教えてもらっています 🙇

中等度の大動脈弁閉鎖不全の症例

😀 解説
  • 爪床が僅かながら周期的な色調変化(クインケ脈
  • 自ら指先を机に押し付けてもらうと色調変化消失
  • ただし押し付けを解除後の数拍は色調変化が明瞭

😅 臨床現場
  • 患者さんに大動脈弁逆流で出現する身体所見を説明しながら,一緒に爪を見ていました.僕は陰性かなと思っていたけど,患者さんが「先生,拍動が見えるよ」と逆に教えてくれました.確かによく見たらわずかに拍動がありました.指先を机に押し付けて解除時に拍動が出現することも教えてくれました.
  • クインケ脈にも程度があると思っています.その程度(負荷不要>他動的圧迫>自動的圧迫)と部位(指先全体>爪床のみ)の組み合わせから,ある程度は大動脈弁逆流の重症度判定が可能でしょうか(過去の投稿).本ページには多数のクインケ徴候が投稿されていますのでよろしければご確認ください(コチラ).

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(投稿者 川崎)

2023-04-01

忘備録

先週に開催された『第20回 循環器 Physical Examination 講習会』より

  • 拍動しない外頸静脈は評価に用いない(首を回転させると変化もする)
  • 心尖拍動は指先全体,雑音のスリルは手掌遠位部,胸骨拍動は手掌近位部
  • 楽音用雑音は dove-coo や seagull cry でレバイン分類は4度以上が多い
  • 僧帽弁逆流では軽度なら高調音(blowing),重症なら低調音が加わる
  • 僧帽弁逆流でも音が小さいときにはⅠ音とⅡ音の聴取は可能である
  • YouTubeのフィジカル Stanford Medicine 25 はお薦め(例:AR)
  • MRは3分類:変性(MVP他),心室性(テザリング),心房性(弁輪部拡大)
  • 心房性MRでは左腋窩でⅢ音(S3)が聴取しやすい
  • Ⅰ音の規定因子は心収縮力・タイミング(弁の開放程度)・弁自体
  • S雑音(S murmur)は鎖骨下部~心尖部までS字状に伝播(過収縮で出現?)
  • 外傷部位や手術創の聴診を行うこと(シャントから高心拍出性心不全など)
  • 前尖の僧帽弁逸脱では背中や椎体で雑音を聴取する
  • 血液の比重は1.05
  • 息切れ+S3 ➜ 心不全(非代償性),胸痛+S4 ➜ ACS(急性冠症候群)
  • 「知りたいことはすべてオンラインにある」
  • Muehrcke line は爪下の浮腫なので爪の発育によって移動しない
  • Mees’ lineは爪自体の異常:爪の発育で移動して圧迫では消えない
  • 手掌・足底の皮疹はPHSと覚える:P 掌蹠膿疱症・H 手足口病・S 梅毒
  • 羽ばたき振戦は高CO2血症でも生じる
  • Lincoln singはARによる足の拍動(リンカーン大統領の写真で足のぶれ)
  • 拳骨テスト(Fist sign)は先端巨大症で手を握っても爪が隠れない(容積増大)
  • 胸部X線は側面像から見る(見逃しやすいところから始める)
  • 心房細動では頸静脈波のx谷が浅くなる
  • ADSの右脚ブロックは一次孔欠損なら左軸,二次孔欠損なら正常軸または右軸

聞き間違いがあるかも...😅スイマセン

💁 忘備録に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-03-30

今週の一枚 🎯 ツルゴールの低下ならぬ消失

疲労感で紹介受診した高齢者

💧 解説
  • 座位で手背は心臓よりも低位にあったが静脈は見えず
  • 皮膚の張り(ツルゴール,turgor)が低下(回復≧2秒)
  • 最終的に本例は感染症に伴う脱水と診断され入院した

💦 独り言
  • 簡便な脱水指標としてツルゴールの低下やCRT(capillary refilling time/爪床血流充填時間)の延長が有名ですが,高齢者ではあまり当てになりません.しかし本例のようにツルゴールが消失していれば信頼していいと思います.
  • 脱水の他の身体所見として腋窩の乾燥,口腔・鼻粘膜の乾燥,舌の皺,眼球の陥没などが知られています(過去の投稿).なお脱水ならば血管内脱水(Volume depletion)と血管外脱水(dehydration)を要鑑別(過去の投稿

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(投稿者 川崎)

2023-03-22

手足症候群 Hand-Foot Syndrome

😅 先日の研究会で...

  • 概要 抗がん剤により手と足(特に手掌と足底)に生じる皮膚有害反応
  • 歴史 以前はフッ化ピリミジン,近年はカペシタビンやキナーゼ阻害薬
  • 所見 紅斑・腫脹.角化,色素沈着,水疱,爪甲変化,知覚異常・疼痛
  • 機序 薬剤による表皮細胞への直接的・間接的障害+外的な機械的刺激
  • 検査 手足症候群と因果関係のある臨床検査値異常は報告されていない
  • 鑑別 湿疹(洗剤皮膚炎や指掌角皮),白癬,凍瘡,掌蹠膿疱症,乾癬
  • 対処 生活指導(物理・熱刺激・日光の回避),皮膚保護,2次感染予防
  • 投薬 休薬,尿素軟膏やヘパリン類似物質など,NSAIDs,ステロイド他

原因となる医薬品と頻度

グレード 臨床領域 機能領域
1 しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、 無 痛性腫脹、無痛性紅斑、色素沈着、爪の変形 日常生活に制限を受ける ことのない症状
2 腫脹を伴う有痛性紅斑、 爪甲の高度な変形・脱落 日常生活に制限を受ける症状
3 湿性痂皮・落屑、水疱、潰瘍、強い痛み 日常生活を遂行できない症状



紅斑・腫脹の実例

💁 抗がん剤に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-09-30

ボー線条 Beau's line

  • すべての指趾の爪甲表面のほぼ同位置に認める短軸方向の溝(隆起とくぼみ)
  • 機序は爪甲を作っている爪母の機能の一時的な低下によると考えられている
  • 名前の由来は初報のフランス人医師 Joseph Honoré Simon Beau (1806–1865)
  • 原因は麻疹,手足口病,川崎病など発熱性疾患や感染症,亜鉛欠乏,薬剤他
  • 爪溝の幅は原因疾患の罹病期間と相関し,その位置から罹病時期も推測可能



💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)