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2020-12-23

深爪・陥入爪・巻き爪

臨床現場 💨
  • 医師A「深爪って専門用語で何て言うんですか?」
  • 医師B「う~ん,陥入爪(かんにゅうつめ)?」
  • 医師C「過剰切断爪なんかだったりして…笑」

😎 なんでも調査隊
  • 学会誌にも深爪という記載が散見されるため医学用語として使用できると思います.深爪は陥入爪(かんにゅうそう)や巻き爪(まきづめ・まきつめ)の原因
  • 陥入爪(Ingrown nail)とは爪甲が側爪郭を損傷し,炎症を引き起こした状態.若い男女に多く,様々な外因によって引き起こされる一過性の病態のようです.
  • 一方,巻き爪(Pincer nail)とは爪甲が過度に彎曲した状態.中高年齢の女性に多く,遺伝的素因や生活環境などによる爪変形が継続する病態と考えられます.


左:陥入爪(Ingrown nail) 右:巻き爪(Pincer nail)

🉐 爪に関連する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2018-09-13

クレナフィン爪外用液10%

【特徴】
  • 新規トリアゾール系化合物であるエフィナコナゾールを有効成分とする日本初の外用爪白癬治療薬である。
  • 爪白癬の原因真菌(皮膚糸状菌)に対して高い抗真菌活性を有し、更にケラチンとの親和性が低く、爪甲の透過性に優れることから、爪表面に塗布することにより爪中・爪床において高い抗真菌活性を発揮する。
  • ハケ一体型のボトルで、薬液を爪面に容易に塗り広げることが可能である。

従来、承認されている爪白癬治療薬は経口抗真菌薬のみであったが、肝障害等の副作用や薬物相互作用がみられることがあり、特に高齢者や合併症により複数の薬剤を服用している患者では使用が制限される場合があった。外用爪白癬治療薬という新たな治療選択肢が提供され、より多くの患者のQOL向上が期待される。
なお、現在では2剤目の外用爪白癬治療薬ルコナック爪外用液5%が発売されている。

【添付文書】
クレナフィン爪外用液ルコナック爪外用液

(投稿者 小森)

2020-05-14

📌 今週の一枚

ふらつきでERに搬入された症例



(投稿者 川崎)

2024-04-11

今週の一枚 🎯

肥大型心筋症で通院中の患者さんから相談を受けました

💅  爪甲そうこう剥離症(Onycholysis)
  • 爪剥離は冬に基部から始まり上方へ進行
  • 夏には自然に治癒(この数年繰り返し)
  • 服用薬はなくⅣ音を除き身体所見は正常
  • 栄養や甲状腺機能を含む血液検査は正常
  • 皮膚科的には爪甲剥離を除いて異常なし
  • 職業は通常デスクワークで寒冷刺激なし

👋 本態性爪甲剥離症(Idiopathic onycholysis)
  • 爪甲剥離症の原因としては,感染症(真菌など),乾癬,外傷または損傷,薬物反応(テトラサイクリンなど),栄養不良,甲状腺疾患,紫外線暴露,刺激性反応などがある.
  • 本例は特発性爪甲剥離症(Idiopathic onycholysis)と診断したが,爪甲剥離症が季節的なことから,冬の低温多湿などの環境条件が病状の悪化に関連している可能性がある.
  • 爪甲剥離には下図に示すように様々な型があるが,いずれも爪の先端~中央に生じていることに注目.本例は爪床基部から生じているようであるが,その原因は不明であった.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-04-15

🎯 今週の一枚

心疾患を患う症例が最近,爪を切っても先がすぐ黒くなると訴えた



(投稿者 川崎)

2024-04-21

爪脱臼

  • 外傷で生じる爪根脱臼(根元のみ)と爪甲脱臼(全部)がある
  • ただし爪脱臼が医学用語かは疑問(GoogleScholarで検索ゼロ
  • 安易な抜爪は回避してできれば保存療法(例:シラー法など)
  • ただし爪が完全にはずれてもおよぞ半年から1年で生え変わる

参考)救急医の頭の中,ほか

修復例:ネイルプレートを挿入し非吸収性縫合糸で固定

💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-10-21

🎯 今週の一枚

下腿浮腫で受診した高齢者の指爪



(投稿者 川崎)

2023-12-14

今週の一枚 🎯

多量の利尿薬でも息切れが続く慢性心不全症例



(投稿者 川崎)

2017-11-07

Yellow nail syndrome

黄色爪症候群(おうしょくそうしょうこうぐん)
1964年にSammanらによって提唱された疾患概念(Br J Dermatol 1964;76:153―157


  • 症状 成長遅延を伴う黄色爪,リンパ浮腫,肺病変(胸水・気管支拡張症・肺炎・慢性副鼻腔炎など)
  • 診断 上記3症状のうち成長遅延を伴う黄色爪+リンパ浮腫 or 肺病変で診断することが多いようです
  • 原因 先天性なリンパ還流異常が存在し,後天的に感染などを契機に顕在化すると考えられている
  • 治療 ビタミンEやクラリスロマイシン,利尿薬,ステロイド局注,ドレナージ・シャント術など(すべて対症療法)
  • 余後 37例で検討した生存期間中央値は11年(約半数で黄色爪改善:その半数は無治療であった)

おすすめ1 ⇒ 両側胸水を認めた黄色爪症候群の1 例(日呼吸会誌2010;48:458-462
おすすめ2 ⇒ 一目瞭然!目で診る症例」問題編(日内会誌 2016;105:1069-1071

(投稿者 川崎)

2023-04-01

忘備録

先週に開催された『第20回 循環器 Physical Examination 講習会』より

  • 拍動しない外頸静脈は評価に用いない(首を回転させると変化もする)
  • 心尖拍動は指先全体,雑音のスリルは手掌遠位部,胸骨拍動は手掌近位部
  • 楽音用雑音は dove-coo や seagull cry でレバイン分類は4度以上が多い
  • 僧帽弁逆流では軽度なら高調音(blowing),重症なら低調音が加わる
  • 僧帽弁逆流でも音が小さいときにはⅠ音とⅡ音の聴取は可能である
  • YouTubeのフィジカル Stanford Medicine 25 はお薦め(例:AR)
  • MRは3分類:変性(MVP他),心室性(テザリング),心房性(弁輪部拡大)
  • 心房性MRでは左腋窩でⅢ音(S3)が聴取しやすい
  • Ⅰ音の規定因子は心収縮力・タイミング(弁の開放程度)・弁自体
  • S雑音(S murmur)は鎖骨下部~心尖部までS字状に伝播(過収縮で出現?)
  • 外傷部位や手術創の聴診を行うこと(シャントから高心拍出性心不全など)
  • 前尖の僧帽弁逸脱では背中や椎体で雑音を聴取する
  • 血液の比重は1.05
  • 息切れ+S3 ➜ 心不全(非代償性),胸痛+S4 ➜ ACS(急性冠症候群)
  • 「知りたいことはすべてオンラインにある」
  • Muehrcke line は爪下の浮腫なので爪の発育によって移動しない
  • Mees’ lineは爪自体の異常:爪の発育で移動して圧迫では消えない
  • 手掌・足底の皮疹はPHSと覚える:P 掌蹠膿疱症・H 手足口病・S 梅毒
  • 羽ばたき振戦は高CO2血症でも生じる
  • Lincoln singはARによる足の拍動(リンカーン大統領の写真で足のぶれ)
  • 拳骨テスト(Fist sign)は先端巨大症で手を握っても爪が隠れない(容積増大)
  • 胸部X線は側面像から見る(見逃しやすいところから始める)
  • 心房細動では頸静脈波のx谷が浅くなる
  • ADSの右脚ブロックは一次孔欠損なら左軸,二次孔欠損なら正常軸または右軸

聞き間違いがあるかも...😅スイマセン

💁 忘備録に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-07-20

今週の一枚 🎯 クインケ脈のスマホ法

無症状の大動脈弁逆流例(中等症〜重症)の爪床

👶 解説
  • 明らかな拍動(クインケ脈/Quincke's pulse)はなかった
  • 爪床の圧迫でも出現せず(動画なし:陽性になった自験例
  • ただしスマホのライトに爪床を置くと明瞭な拍動が顕性化

🔦 診察室実況
  • スマホのライトを用いたクインケ徴候の検出方法はtwitterなどでも有名です.用指的な爪床圧迫とは異なり,微妙な力加減が一切不要でオススメです.
  • 実は頸静脈拍動を見るためのペンライトでもやってみました.僕のライト(下図)は巨匠のお薦めで,ペンライト界のメルセデス・ベンツだそうです.
  • 爪床拍動はペンライトの方がスマホよりはるかに明瞭でしたが,患者さんが指の違和感を訴えました.自分でやってみると数秒後にかなりの熱感 😱


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(投稿者 川崎)

2022-06-23

🎯 今週の一枚

検診で心雑音を指摘された症例

😄 解説
  • テーブル上に置いた右示指に特記すべき異常なし(傷は小石を扱う職業)
  • 指先を下方に押し付けると爪床に周期的な色調変化が出現(クインケ脈
  • よく見ると爪床だけでなくて指先端にも色調変化あり(動画中の矢印)
  • 指先圧迫を解除すると爪床〜指先全体に認めた色調変化も消失している
  • 拡張期雑音があり(ランブルなし),エコーでは中等度は大動脈弁逆流

😎 つぶやき
  • 大動脈弁逆流症によるクインケ脈(Quincke pulse)は本ページに何度も登場しています.大動脈弁逆流では肘の水槌脈と同じくらいよく認める身体所見と思います.
  • クインケ脈はそのまま認めることもありますが(自験例),通常は他動的な爪の圧迫(自験例)や自動的な指先の圧迫(本例)を加えると検出感度が上昇します.
  • 誘発方法(負荷不要>他動的圧迫>自動的圧迫)と出現部位(指先全体>爪床のみ)の組み合わせから,大動脈弁逆流の重症度判定がある程度可能と思っています.

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(投稿者 川崎)

2018-04-22

テリー爪とリンジー爪

Terry’s Nails
  • 爪床の乳白色部が80%まで増加し遠位端の0.5-3mmのみピンク色(Lancet 1984;323:896-9
  • 肝疾患に加えて,腎疾患,心不全,糖尿病,甲状腺機能亢進症,栄養不良でも認められる
  • 英国の医師 R. Terry が肝硬変に伴う所見として最初に報告した(Lancet 1954;266:757-9

Lindsay’s Nails
  • 爪床の乳白色部が20~60%ならLindsay’s nail (half-and-half nail) と呼ばれてる
  • 米国の医師 Philip G. Lindsay が初めて報告(Arch Intern Med 1967;119:583-7
  • 爪遠位部のβメラノサイト刺激ホルモン蓄積が原因と考えられ慢性腎疾患と関連

(投稿者 川崎)

2022-09-30

ボー線条 Beau's line

  • すべての指趾の爪甲表面のほぼ同位置に認める短軸方向の溝(隆起とくぼみ)
  • 機序は爪甲を作っている爪母の機能の一時的な低下によると考えられている
  • 名前の由来は初報のフランス人医師 Joseph Honoré Simon Beau (1806–1865)
  • 原因は麻疹,手足口病,川崎病など発熱性疾患や感染症,亜鉛欠乏,薬剤他
  • 爪溝の幅は原因疾患の罹病期間と相関し,その位置から罹病時期も推測可能



💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2017-02-18

CRTは2秒未満

CRT=capillary refilling time
爪床血流充填時間あるいは爪床圧迫テスト
  • 意義:末梢の循環を評価するための簡便な指標
  • 方法:爪床を圧迫し,解除後の色調回復を観察
  • 判定:解除2秒未満に爪床に赤みが戻れば正常

脱水やショック,低体温などが疑われる時はやってみよう
CRTが2秒以上であればトリアージではに分類される
ただし新生児や高齢者,女性ではCRTは延長しやすい

(投稿者 川崎)

2021-11-11

🎯 今週の一枚

数ヵ月前から労作時の息切れを感じるようになった症例



(投稿者 川崎)

2022-04-28

🎯 今週の一枚

人名が冠された身体所見3つとは?



(投稿者 川崎)

2021-12-09

🎯 今週の一枚

拡張期の心雑音を指摘され来院した症例



(投稿者 川崎)

2026-01-16

成功体験

- 息切れで来院した症例 -

👀 解説
  • 通常時には爪床に特記すべき異常所見なし
  • 爪床の圧迫時に色調変化(クインケ徴候)
  • おまけ:検者の爪床にはクインケ徴候なし

😊 独り言
  • 本例は心音で明瞭な拡張期雑音を聴取しました.そこで循環器外来を見学していた初期研修医1年目の先生に爪床を圧迫してもらいました.
  • すると明瞭な拍動が出現したため,大動脈弁逆流と診断してくれました.その後に行った心エコー図でも高度の大動脈弁逆流を認めました.
  • その先生はとても感動していました.このような成功体験を積むことが身体所見を学ぶ近道です.ただし志望は循環器以外のようですが...

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(投稿者 川崎)

2019-12-26

日本内科学会 第226回近畿地方会より

🐤 参加できなかったのですが抄録集から個人的に気になった演題

演題8 1度寛解を得たが5年後に再発をきたしたMiller-Fisher症候群の1例
  • Miller-Fisher症候群はフィッシャー症候群とも呼ばれ,急性の外眼筋麻痺+運動失調+腱反射消失を三徴とする病態.先行感染や髄液蛋白細胞解離などがありギラン・バレー症候群の亜型と考えられている.

演題45 呼吸不全を契機に診断に至ったネマリンミオパチーの1例
  • ネマリンミオパチーとは生直後あるいは乳児期より顔面を含む全身の筋緊張低下(フロッピーインファント)を来す遺伝性筋疾患の一つ.乳児期早期に死亡する乳児重症型,歩行可能で非進行~緩序進行の良性先天型,そして成人発症型に分類

演題 64 Submitral aneurysmをマルチモダリティーにて評価し得た1例
  • Submitral aneurysmとは左室筋組織と僧帽弁輪間の結合組織に瘤を形成した病態.先天的に脆弱な部分に好酸球やリンパ球が浸潤して瘤化すると考えられている.アフリカ系人種に多くアジア人では稀

演題67 左房内異常構造物をきっかけにVACTER連合症候群の診断に至った若年女性の1例
  • VATER症候群(ヴァーター症候群)とは椎体異常(V),肛門奇形(A),気管食道瘻(TE),橈骨奇形及び腎奇形(R)の5徴候を特徴とする病態.そこに心奇形(C)や四肢奇形(L)が合併した場合にVACTERL連合と称される.

演題188 構音障害、不随意運動を認めたBickerstaff脳幹脳炎症例
  • ビッカースタッフ脳幹脳炎とは眼球運動・運動失調・意識障害を三徴とする自己免疫疾患で病変の首座は脳幹.症状は1月以内にピークとなりその後は徐々に回復に向かうのが,四肢筋力低下の後遺症を生じる例もある.30歳前後の若年者に多い.

演題216 黄色爪症候群による胸水貯留の1例
  • 黄色爪症候群Yellow nail syndrome)とは成長遅延を伴う黄色爪+胸水+リンパ浮腫を3徴候とする病態.リンパ系の異常が原因と考えられているが,腫瘍随伴症候群や膠原病,薬剤誘発性でも生じえる.

(投稿者 川崎)