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2026-08-18

専門看護師®と認定看護師®

  • 専門看護師®(Certified Nurse Specialist®)と認定看護師®(Certified Nurse®)はいずれも日本看護協会の登録商標で,専門性の広告が可能です.しかし医師あるいは看護師さん以外のメディカルスタッフには少し分かりにくいかもしれません(投稿者も混乱😥).公益社団法人 日本看護協会のHPデータを生成AI(Opus5)に与えて(食べさせて),分かりやすい表にしてもらいました(内容は要確認).

項目 専門看護師(CNS) 認定看護師(CN)
英語表記 Certified Nurse Specialist Certified Nurse
制度の目的 複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族・集団に水準の高い看護ケアを効率よく提供し、保健医療福祉の発展と看護学の向上をはかる 特定の看護分野の熟練した技術・知識を用い、あらゆる場で水準の高い看護実践を行い、看護ケアの広がりと質の向上をはかる
役割 6つ:実践/相談/調整/倫理調整/教育/研究 3つ:実践/指導/相談
(実践は高い臨床推論力と病態判断力に基づく)
教育要件 看護系大学院修士課程修了、所定の38単位を取得 認定看護師教育機関修了
A課程:600時間以上/B課程:800時間程度
実務研修 通算5年以上(うち3年以上は当該分野) ※両資格共通
特定行為研修 B課程:特定行為研修を組み込んだ教育課程(1〜3区分程度)。B課程認定看護師は「特定認定看護師®」と称することができる
A課程認定看護師も、別途特定行為研修を修了し移行手続きを行うことでB課程(特定認定看護師)になれる
分野数 14分野
がん看護/精神看護/地域看護/老人看護/小児看護/母性看護/慢性疾患看護/急性・重症患者看護/感染症看護/家族支援/在宅看護/遺伝看護/災害看護/放射線看護
A課程 21分野
救急看護/皮膚・排泄ケア/集中ケア/緩和ケア/がん化学療法看護/がん性疼痛看護/訪問看護/感染管理/糖尿病看護/不妊症看護/新生児集中ケア/透析看護/手術看護/乳がん看護/摂食・嚥下障害看護/小児救急看護/認知症看護/脳卒中リハビリテーション看護/がん放射線療法看護/慢性呼吸器疾患看護/慢性心不全看護

B課程 19分野
感染管理/がん放射線療法看護/がん薬物療法看護/緩和ケア/クリティカルケア/呼吸器疾患看護/在宅ケア/手術看護/小児プライマリケア/新生児集中ケア/心不全看護/腎不全看護/生殖看護/摂食嚥下障害看護/糖尿病看護/乳がん看護/認知症看護/脳卒中看護/皮膚・排泄ケア
認定審査 筆記試験(マークシート・四肢択一)100分・40問150点/2026年度はいずれも10月7日実施
有効期間 5年(5年ごとに書類審査で更新)
再認定の要件 過去5年間に100点以上の研究業績等、または24時間の研修 過去5年間に50点以上の自己研鑽等の実績、または24時間の研修
費用
(2026年度・税込)
認定審査料:51,700円
認定料(新規):51,700円
再認定審査料:30,800円
認定料(再認定後):20,900円
認定審査料:51,700円
認定料(新規):51,700円
再認定審査料:30,800円
認定料(再認定後):20,900円
B課程への移行手続き料:3,000円
今後の予定 A課程修了者に対する認定審査は2029年度をもって終了(更新審査・再認定審査は永続的に実施)
A課程教育課程の終了時期は、各教育機関の開講状況により異なる

(投稿者 川崎)

2026-08-14

VSRAD® ブイエスラド

  • 頭部MRIでアルツハイマー型認知症(AD)の原因である脳萎縮の評価法
  • Voxel based specific regional analysis system for Alzheimer's diseaseの略
  • 認知症で最多のアルツハイマー型では海馬傍回(側頭葉)付近が委縮
  • 対象は50歳以上で,脳ドック(MRI)のオプション(追加撮影,約6分)
  • 委縮判定の目安:0~1=なし,1~2=軽度,2~3=中等度,3~=高度

- 60歳男性例 -
(MRIのVSRADで左側頭葉前部の萎縮が強い/SPECTもほぼ同様)

(投稿者 川崎)

2026-06-16

メタロ・バランス Metallo-balance

👥 先日の外来で…
  • 患者さん 「こんど近所でメタロバランスします」
  • 担当医師 「メタロ…バランス…何ですかそれ?」
  • 患者さん 「血液でする癌健診みたいらしいです」
  • 看護師長 「そういえば**医院でもやってたわ」

💁 メタロ・バランス がんリスク検査
  • 血液中の亜鉛など17種の微量元素濃度を測定し、健常人とがん症例のデータから、統計学的手法を用いて現在がんであるリスクを評価
  • 早期がんリスクにも対応した新しいタイプの検査(認知症のリスクも可)。採血のみの簡便な検査で、事前準備も一般的な採血と同じ
  • 対応がん:男性6種類=大腸・胃・肺・すい臓・肝臓・前立腺、女性9種類=大腸・胃・肺・すい臓・肝臓・乳・子宮頸・子宮体・卵巣

(投稿者 川崎)

2026-04-15

第123回日本内科学会講演会 医学生・研修医・選考委の内科学 ことはじめ2026より

😀 個人的に気になった演題

演題 19 機械学習モデルを用いたガットフレイル関連因子の解析
  • ガットフレイル(Gut Frailty)とは、胃腸(Gut)の機能が長期にわたって低下し、弱った(Frailty)状態を示す新たな概念です。便秘や下痢、胃もたれといった不調が慢性的に続くことで、将来的な老化の進行や、がん、糖尿病、認知症(アルツハイマー病)などの全身疾患のリスクを高める要因として注意が喚起されています。

演題 74 飛行機移動を契機に出現した左側大量難治性肝性胸水に対し、腹腔内色素注入による横隔膜交通症を証明し外科的閉鎖を行った一例
  • 横隔膜交通症とは腹腔と胸腔の間の横隔膜に小さな穴(瘻孔)ができ、腹腔内の液体(主に腹膜透析液)が胸腔へ漏れ出る病態。飛行機の離着陸時や急激な天候変化(低気圧)などによる急激な気圧変動を受けた際に、顕性化することがある。

演題 317 MAGIC症候群が疑われる気道病変に対する気道ステント留置症例
  • 再発性多発軟骨炎は、全身の軟骨組織に炎症が生じる疾患です。耳や鼻、目、関節など、軟骨やコラーゲンを豊富に含む組織に多彩な症状を引き起こします。本疾患がベーチェット病を合併した場合は、MAGIC症候群(Mouth And Genital ulcers with Inflamed Cartilage syndrome:炎症性軟骨を伴う口腔および陰部潰瘍)と呼ばれます。

演題 519 HBOC患者の多重癌にみられるBRCA2の2nd hitの多様性
  • HBOC遺伝性乳がん卵巣がん症候群:Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome)は、主にBRCA1またはBRCA2遺伝子に生まれつき存在する変異(病的バリアント)によって、乳がんや卵巣がん、前立腺がん、膵がんなどを発症しやすくなる体質を指します。遺伝性腫瘍の代表的な例であり、親から子へは約2分の1の確率で受け継がれる可能性があります。

😎 当院からの発表演題
  • 演題 157 感染を契機に重症の甲状腺機能低下症に至った一例(糖尿病・内分泌内科 太田羽奏先生)
  • 演題 388 Guillain-Barre症候群様の急激な末梢神経障害を呈しベンラリズマブが奏功した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例(総合診療科 松村実穂先生)

😃 二人ともとてもいい発表でした(松村先生は優秀演題賞ゲット!)

💁 “学会”に関連する過去の投稿 ➜ コチラ(ウェブ版なら右欄からも選択可能)
(投稿者 川崎)

2026-03-28

チャールソン併存疾患指数 Charlson Comorbidity Index

  • さまざまな併存疾患を持つ患者の死亡率(10年生存率)を予測するモデル
  • 米国の疫学などを研究する医師 Mary E. Charlson らが1987年に開発(
  • オリジナルは計19のカテゴリーを考慮(追試結果に基づいて何度か修正)
  • スコアがゼロの場合は併存疾患なく,スコアが高いほど予測死亡率が高い
  • 判断基準の一例:0=低い、1~2=中等度、3~4=高い、≧5=とても高い  
  • 医師にとっては原疾患をどの程度積極的に治療するか決定するのに役立つ

🍃 チャールソン併存疾患指数(の一例)
  • 1点 ➜ 心筋梗塞、うっ血性心不全、末梢血管疾患、脳血管疾患、認知症、慢性肺疾患、リウマチ性疾患、消化性潰瘍、肝疾患(軽症の場合)、糖尿病(コントロールされている場合) 
  • 2点 ➜ 片麻痺または対麻痺、腎疾患、悪性腫瘍(局所性の場合)、糖尿病(コントロールされていない場合)、白血病、リンパ腫
  • 3点 ➜ 肝疾患(中等症/重症の場合)
  • 6個 ➜ エイズ、悪性腫瘍(転移性腫瘍の場合)
  • 追加ポイント ➜ 50~59歳 +1ポイント、60~69歳 +2ポイント、70~79歳 +3ポイント、80歳以上 +4ポイント


(投稿者 川崎)

2026-03-17

日本内科学会 第251回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題4 分節性動脈中膜融解症による腹腔内出血をきたした1例
  • 動脈瘤からの出血を疑い血管造影検査を行ったところ,中結腸動脈瘤のほか血管の数珠状の不正な拡張・狭小化があり,分節性動脈中膜融解症(Segmental arterial mediolysis: SAM)による動脈瘤破裂と診断された.中結腸動脈瘤のコイル塞栓を行い,入院7日後に退院となった.SAMは血管の攣縮や高血圧,動脈硬化,喫煙などが関与するとされる.外傷のない腹腔内出血を認めた際にはSAMを鑑別に挙げ,造影CTによる血管性病変の検索を考慮する必要がある.

演題33 麻雀で徹夜をした後,翌朝大学の講義を受けていて発症したてんかん発作の1例
  • 最近日本では競技としての麻雀が普及し人気を博している.健康麻雀として高齢者の認知症予防に取り入れている所もある.国内外でテーブルゲームでのてんかん発作の報告例があり,特に囲碁,麻雀などはよく目にする.いずれも治療はゲームの中止と経過観察で改善している.本症例は競技中ではなく,その後に起こしていることがこれまでの報告例とは異なっている.

演題51 Cap polyposisを呈するびまん性腸炎を発症したIgG4関連消化管病変の1例
  • X-3年より1日3-4回の水様性下痢を自覚していた. 下部消化管内視鏡検査で横行結腸から直腸にびまん性に血管透見の低下と白色調の付着物を伴う小隆起性病変を認め, Cap Polyposis (CP) と診断した. 【参考】CPは比較的まれな大腸の炎症性疾患であり,病変の表面が線維性膿性滲出物をともなう肉芽組織で帽子(cap)のように覆われていることを特徴とする.CP発症の原因は不明で,幅広い年齢層で発症し,女性に多いとされる.病変は直腸~S状結腸に存在することが多い.症状として下痢,血便,下腹部痛などがあり,ときに低蛋白血症を呈することもあるが,CRPなどの炎症所見は正常範囲であることが多い.

演題166 オピオイド投与中のせん妄に対してオピオイドスイッチングにて改善を認めた1例
  • 放射線治療やNSAIDs,アセトアミノフェンを開始するもコントロール不良であり,X+13日にモルヒネ投与を開始した.疼痛は改善しX+24日に退院したが,その後疼痛が悪化しADLが低下したため,X+38日に再入院した.モルヒネを増量するも改善乏しく,縮瞳やせん妄を認めたため,X+56日にオキシコドンへ変更した.【参考】オピオイドスイッチング(旧称:オピオイドローテーション)は,がん疼痛治療などで現在使用中の医療用麻薬(オピオイド)から別のオピオイドへ変更すること.

演題195 繰り返す身体診察が診断につながった感染性心内膜炎の1例
  • 入院翌日に血液培養からStaphylococcus属が検出された.本症例では初回の身体診察で末梢徴候を認めず,数時間後の再診察で新たに眼瞼点状出血を認めたことが診断の契機となった.感染性心内膜炎は発熱等の非特異的な症状のみでの発症が多く早期診断が難しい疾患であるが,末梢徴候等の身体所見が診断の鍵となりうる.過去の報告では点状出血の出現時期は発熱から数日以内といった表現に留まる.本症例では発熱から16~20時間後に点状出血が出現しており,発症当日から繰り返し末梢徴候を確認する有用性が示唆された.

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-02-07

🌀 BPPVならぬPPPD

  • BPPV: Benign Paroxysmal Positional Vertigo(良性発作性頭位めまい症) 
  • PPPD: Persistent Postural-Perceptual Dizziness(持続性知覚性姿勢誘発めまい) 

😨 PPPD 
  • 持続性のふらつき・不安定感を中核症状とする機能性めまい疾患
  • 非回転性のめまいが3月以上継続し、立位・動作・視覚刺激で悪化
  • 何らかの前庭症状を先行後に発症することが多く、重症例が多い
  • 40-60代の女性に多く、めまい疾患の15~20%(BPPVに次いで多い)
  • 自然寛解が少なく、長期に生活機能障害や抑うつ・不安をきたす
  • 治療は認知行動療法、前庭リハビリ、薬物療法(SSRIとSNRI)など


- PPPDの診断基準 -

💁 めまいに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-09-05

WAVE 経尿道的水蒸気治療

  • Water Vapor Energyの略で,前立腺肥大に対する低侵襲外科的治療(2022年9月に本邦保険収載).Rezum™システム(ボストン・サイエンティフィック)を用い経尿道的に前立腺の中心領域に専用針で103℃の水蒸気を噴霧し組織を壊死
  • 従来の手術が適切でない症例に対してのみ保険適用:①全身状態不良のため合併症リスクが高い,②抗血小板薬・抗凝固薬内服により術中出血リスクが高い,③高齢もしくは認知機能障害のため術後せん妄,身体機能低下リスクが高い,など
  •  

- Rezum™システム -

🚑 前立腺に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-09-04

今週の一枚 🎯

上腹部痛と動悸を訴えるショックバイタルの超高齢者(認知症あり)


👺 偽性 Smaller SMV sign
  • 通常では上腸間膜静脈(SMV)が上腸間膜動脈(SMA)よりも大きい
  • 本例ではSMVの方が小さい(Smaller SMV sign/スモーラーSMV徴候)
  • 同サインを認めればSMAの閉塞(血栓症や塞栓症,解離など)を疑う
  • しかし本例ではSMA周囲の脂肪織濃度の上昇はなくDダイマーも陰性
  • 最終診断は発作性の頻脈性心房細動(+脱水など)による循環虚脱

👹 独り言
  • グーグルおよびGoogleScholarの検索では"pseudo smaller SMV sign"や"pseudo smaller superior mesenteric vein sign"は何もヒットしませんでした.
  • しかし本例の様に循環虚脱を生じている症例ではsmaller SMV signが偽陽性になることは容易に想像できると思われますのでここにアップしておきます.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-07-08

😊 看護学生に教えてもらいました

  • 指導医師 「あの患者さん,喜寿が77歳って知ってたよ」
  • 看護学生 「喜寿,知っていた…どういうことですか?」
  • 指導医師 「認知症らしいけど,しっかりしてるってこと」
  • 看護学生 「それって,結晶性知能だと思うのですが…」
  • 指導医師 「けっしょう…せい…ちのう?」
  • 看護学生 「ええ,結晶性知能流動性知能の結晶性」
  • 指導医師 「…けっしょうって…どんな漢字かくの?😢」

結晶性知能(AI概要を参考)
  • 定義:長年の経験や教育、学習を通じ獲得される知能
  • 内容:言語能力、理解力、判断力、洞察力、知識など
  • 加齢:20歳以降も緩徐に発達して高齢になっても維持

流動性知能(AI概要を参考)
  • 定義:新しい状況に適応する情報を獲得し処理する能力
  • 内容:推理力や問題解決能力、記憶、計算、直感力など
  • 加齢:20代をピークに低下傾向(認知症で低下が目立つ

(いつもながら素晴らしい看護師のかげさん🐱🍌デザフェスL240•241 のX投稿より)

(投稿者 川崎)

2025-06-02

心尖拍動の呼吸負荷(座位)

心機能の評価目的で来院(座位)

👉 解説
  • 座位で明瞭な心尖の拍動を認める(矢印)
  • 持続時間の長い抬起性拍動で心肥大の疑い
  • 拍動の最外側部は左乳輪外で心拡大の疑い
  • 矢印の上下肋間にも拍動あり心拡大に合致
  • 拍動は吸気で不明瞭化,呼気で明瞭化した
  • 本例はLVEF 20%で遠心性心肥大を認めた

👍 現場実況
  • 患者さんとの初診時の挨拶前,頚静脈に注目していたが拍動を視認しなった.「心不全であっても代償されているのかな~」と思っていた.実際にご本人も,「日常生活では息切れなどの自覚症状はない」と述べた.
  • しかし(動画から分かるように)荒い息遣いが気になった.こういう場合は,日常生活を無意識に制限しているか,認知症を合併してることが多い(非代償性心不全でも自覚症状がないという認知症の自験例 → ココ
  • 本例には明らかな認知機能障害はないようなので,極めて狭い範囲での生活が予想された.心不全(HFrEF)に対するGDMT(guideline-directed medical therapy/診療ガイドラインに基づく標準的治療)を開始
  • 本例の心尖拍動は吸気時に不明瞭化し,呼気時に(少し?)明瞭化している.これは呼吸に伴う胸郭容積の変化を考慮すれば納得いく変化.心尖拍動の評価時には,頚静脈と異なり呼吸負荷は不要(と思っています)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-03-19

口腔内セネストパチー(口腔異常感症)

  • 奇異な表現で訴えられる,多彩で変動する口腔内の異物感や違和感である
  • 口腔内の不快感を訴えるが実際に異物はないと理解はしていることが多い
  • ネバネバ,ベタベタ,ヒリヒリ,乾燥,味覚異常,異物感,知覚過敏など
  • 精神科よりも歯科や耳鼻咽喉科など身体科を受診することが圧倒的に多い
  • 舌痛症(口腔灼熱症候群)と重複する症状も多く明瞭な分類が困難である
  • 訴えを傾聴し安易に否定しない/難治性で向精神薬等の有効率は50%以下
  • 全身に異常感覚が拡大する場合や,精神症状が強い場合は精神科と連携要
  • 特に高齢者では認知機能や精神状態、口腔癌など器質的疾患の確認を要す


(投稿者 川崎)

2024-10-18

嗜銀しぎん顆粒性認知症 Argyrophilic Grain Disease

  • 概略 嗜銀顆粒を特徴とする病理学的に定義された脳疾患
  • 初報 独のH BraakとE Braak(Neurosci Lett 1987;76:124-7
  • 疫学 高齢者に多くて65歳で9.3%,100歳以上で31.3%と報告
  • 症状 緩徐進行の健忘性軽度認知障害(ドネペジルには不応)
  • 合併 高頻度に神経精神症状(易怒性,頑固,自発低下など)
  • 画像 左右差のある側頭葉内側前方の萎縮,機能・血流低下
  • 所見 髄液バイオマーカーやアミロイドPETは原則として正常
  • 診断 確定には病理学的評価が必要(通常は死後にのみ可能)


好銀性粒子病の神経病理学的特徴

(投稿者 川崎)

2024-08-20

瞬電しゅんでん

☆ 先日の朝の会議で...
  • 昨日の雷雨による瞬電でCTに不具合が生じました.幸い再起動で問題はありませんでしたが,今後は各部署で瞬電に対する対策が必要です.瞬電が疑われた時の確認項目を各自検討してください.

📗 瞬電ウィキペディア
  • 瞬断とは、電源や、通信などの信号が、一瞬途切れる現象。瞬電、瞬停とも呼ばれる。通信業界で通信回線の接続が短い時間切れてしまう現象を指すほか、動画・音声についても、一瞬途切れることを瞬断と指すことがある。 

 📘 瞬低電学誌 2008;128:598-601) 
  • 日本工業規格 JIS C 61000-4-11では,瞬時電圧低下(瞬低)の概念を「電圧ディップ」という用語で定義しており,電力系統のある地点における半周期から数秒の期間,継続する突然の電圧低下としている。
  • また同規格ではこの直後に,「短時間停電」についても定義しており,概して1分を超えない供給電圧の消失としている。 後者の短時間停電は,瞬時停電,略して「瞬停」と呼ばれる場合があり,瞬低と誤解されやすい。
  • 短時間停電は負荷側の電圧がゼロになる現象(図1)であり,瞬低とは発生のメカニズムが異なり,対応策も変わってくる。瞬低問題の多くは,① 雷の発生 → ② 送電線へ落雷 → ③ 送電線に地絡等の異常発生 → 瞬低が発生 → 需要家機器へ の影響発生という順に起こる。

😑 独り言
  • 瞬電は耳あたりがいい言葉かもしれませんが,よく考えると変な日本語です.瞬間的に電気が流れる意味になりそうです(認知症と同じ=認知しまくる病気).
  • 正確な用語が大切なビジネス(特に医学)では瞬低がいいようにも思いますが,耳で聞いても何のことかイメージできないかも...瞬停と耳で区別できないし 😓

(投稿者 川崎)

2024-07-05

プリオン病 Prion disease

  • 概略 プリオン(蛋白性感染粒子)によって引き起こされる稀な神経疾患
  • 病型 クロイツフェルト・ヤコブ病 や GSS病致死性家族性不眠症 など
  • 経過 急速進行性の認知症,運動失調症,ミオクローヌス,無動性無言など
  • 伝達 異常プリオン蛋白質を介し正常蛋白質を次々に異常化し増殖(≒感染)
  • 疫学 ヒトのプリオン病は約1~2人/100万人/年の発症率(本邦で600人弱)
  • 治療 治療法は未確立(通常は感染して1-2年程度で死亡/数年生存例あり)
  • 特徴 通常の滅菌・消毒法で不活性化不能(蛋白消化酵素にも一部は抵抗)
  • 対策 器材の単回使用,高温による焼却,NaOCl,高濃度アルカリ洗浄など
  • 検査 消化管内視鏡による感染リスクは極めて低い(変異型は否定できず)
  • 現場 非侵襲的診療や看護,介護でプリオン病が感染する科学的根拠はない


(投稿者 川崎)

2024-03-16

アリセプトと失神

📞 先日,先輩医師からアリセプトによる失神を3例経験したと教えてもらいました


  • アリセプト(一般名ドネペジル塩酸塩)はアルツハイマー型とレビー小体型の認知症の治療薬
  • 神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素コリンエステラーゼを阻害して効果を発す
  • アセチルコリンは心臓のムスカリン受容体にも作用して抑制的効果から徐脈や低血圧をきたす
  • 洞不全症候群(その頻度不明),洞房ブロック・房室ブロック・失神(各頻度0.1〜1%未満)
  • アリセプトはQT延長(0.1〜1%未満)から心室頻拍(Torsade de pointes含)・心室細動あり
  • 過量投与に対する処置は抗コリン作用を有するアトロピン(アセチルコリンのアンタゴニスト)


💁 失神に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-01-22

心不全と難聴

時々息遣いが荒くなる難聴例(端座位)

👂 解説
  • 指示が通らないため安静の頸静脈所見は判定困難
  • 左上肢挙上で内頸静脈の明瞭な陥凹が出現(矢印)
  • 本人の発語が混入して心音は十分には評価できず
  • 最終的に収縮の保たれた心不全(HFPEF)であった

🙉 追加コメント
  • 米国の70歳以上の横断的な国民健康栄養調査では,難聴の有病率は心不全症例で74.4%と,非心不全症例の63.3%より高率です(JAMA Otolaryngol Head Neck Surg 2018;144:273-5).さらに心不全のある高齢者では難聴が強いほど活動性が低下することも報告されています(Clin Interv Aging 2020:15:635-43).
  • 上記の全米調査で心不全および難聴のある参加者のうち補聴器を着用しているのはわずか16.3%でした.聴力障害なら筆談で対応すればいいのではと思われますが,心不全患者では認知症が43%とかなり高率です(J Card Fail 2017;23:464-75).そんな時こそ左上肢の挙上負荷が役立つかもしれないので追加してみてください.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2024-01-19

ジビエ Gibier(仏語)

  • ハンターが狩猟で捕獲した食材の野生鳥獣(ソバージュ,sauvage [仏語])
  • 本邦でも15年ほど前から認知され,学校給食でも4割の道府県が導入(下図)
  • ジビエを介した人獣共通感染症の病原体はウイルス,細菌,寄生虫など多岐
  • 例えば野生シカ肉や野生イノシシ肉によるE型肝炎やO157など(詳細は下表)
  • ジビエ処理の標準はない(生食は避け中心部まで熱が通る十分な加熱が必須)


学校で出食されているジビエ給食

日本におけるジビエが原因で発生した人獣共通感染症(食中毒)事例

(投稿者 川崎)

2024-01-10

プルースト効果 Proust Effect

  • 特定の匂いから過去の関連した出来事の記憶が想起される心理学的な現象
  • 仏小説家 Valentin Louis Georges Eugène Marcel Proust (1871-1922) に由来
  • 彼は発見者ではなく小説『失われた時を求めて』でプルースト効果を描写
  • 具体的には紅茶に浸したマドレーヌの匂いから主人公が幼少期を思い出す
  • 機序は五感の中で嗅覚のみが大脳辺縁系(≒本能)を直接刺激するため?
  • マーケティングや学習,リラックス,認知症患者への刺激などに応用可能

(投稿者 川崎)

2023-11-13

症状があてにならない時

息切れがあるのかないのかはっきりしない症例

😶 臨床現場
  • 座位では僅かに拍動あり? ➜ 心不全ありとは言えず
  • 吸気負荷で内頸静脈の隆起?(拍動なし)➜ 心不全?
  • 左上肢挙上で周期的な陥凹出現 ➜ 心不全ありと判断
  • 最終診断は慢性左心不全(HEpEF)➜ SGLT2i を投与

🔗 復習
  • 高齢者の心不全例では自覚症状が曖昧なことがあります.加齢に伴う身体活動の低下や各種知覚センサーの鈍化が原因と推測されます.また認知機能障害の合併も念頭に置く必要があります(自験例:ニコニコしている症例).システマティックレビュー(J Card Fail 2017;23:464-75)では,心不全患者で認知症の頻度が43%に達していました(95%信頼区間30~55).怪しければ吸気負荷に加えて左上肢挙上負荷前屈負荷の追加が役立ちます.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)