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2016-10-07

直腸診の所見

左側臥位(Sims体位)で行う

・視診:痔、肛門周囲膿瘍、直腸脱など
・腫瘤:下部直腸癌など
・出血、血便:色調などから上部or下部消化管出血の鑑別
・肛門括約筋の収縮低下:神経因性膀胱
・Douglas窩の圧痛、硬結:子宮内膜症など
・前立腺:大きさ、硬さ、表面、圧痛の有無から前立腺肥大症、前立腺癌、前立腺炎などを鑑別
  前立腺に圧痛がある場合は前立腺炎を疑う
  ※前立腺マッサージは敗血症のリスクあり禁忌!

(投稿者 結城)

2019-06-20

尿道の振子(ふりこ)部 Pendulum urethra

男性尿道の分類(外尿道口〜膀胱頚部)
  1. 亀頭部尿道
  2. 振子部尿道(陰茎の部分)
  3. 球部尿道(肛門から陰嚢)
  4. 膜様部尿道(尿道括約筋に包まれた部分)
  5. 前立腺部尿道(前立腺の中心部)
  6. 膀胱頸部(膀胱と前立腺の境目)

おまけ
  • 亀頭部尿道+振子部尿道+球部尿道=尿道海綿体
  • 膜様部尿道+前立腺部尿道+膀胱頚部=後部尿道

🐹 分かりやすい図 ➜ 尿道狭窄症でお悩みの方へ 堀口明男 Official Site

関連投稿 🐙

(投稿者 川崎)

2018-07-13

前立腺炎とPSA値

急性および慢性前立腺炎におけるの検討(Acta Urol Jpn 1993;39:445-9)より



🐻 慢性はともかく急性前立腺炎でもあまりPSAが上昇しない症例があるようです




😈 PSAが上昇していた急性前立腺炎では抗菌剤の使用で全例14日以内に正常化

(投稿者 川崎)

2023-02-11

前立腺がん:グリソン分類 Gleason grading system

米国の Donald F. Gleason が提唱した前立腺癌の病理組織学的分類(Cancer Chemother Rep 1966;50:125-8) .腫瘍細胞の分化度や異型度ではなくて,浸潤パターンや構造異型に着目し形態を以下5段階に階層化
  1. パターン1:最も高分化な腫瘍(独立した中型腺管が密在し明瞭な結節を作る)
  2. パターン2:単一で独立した腺からなる外接性結節 or 周囲への最小限の浸潤
  3. パターン3:明らかに浸潤性の新生物で隣接する健康な前立腺組織へ進展あり
  4. パターン4:単一の分離腺なし(癒合腺管,篩状腺管,不明瞭な腺管形成など)
  5. パターン5:新生物に腺の分化なし(充実性,索状,孤在性,面疱状壊死など)

上記分類で最も多いパターンと2番目に多いパターンを足してグリソン・スコアを算出する.現在では最低がパターン3であるため,グリソン・スコアは最低の6(=3+3)~最悪の10(=5+5)


最終的にPSA値,グリソンスコア,T分類で総合的にリスク判断
  1. 低リスク ➜「PSA値が10 ng/ml未満」and「グリソンスコアが6以下」and「T分類がT1かT2a」
  2. 中リスク ➜ 低リスクにも高リスクにも当てはまらない場合
  3. 高リスク ➜「PSA値が20 ng/mlを超える」or「グリソンスコアが8~10」or「T分類がT3~T4」

💁 前立腺に関する過去投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2018-02-06

IPSS 国際前立腺症状スコア

世界共通で使用されている前立腺肥大症の症状の客観的評価法
IPSS=international prostate symptom score


合計点 ➜ 軽症(0~7点),中等症(8~19点),重症(20~35点)
  • 0~7 点の軽症なら基本的に投薬は不要で経過観察する
  • 8点以上の中等症以上なら排尿機能と前立腺形態の評価

(投稿者 川崎)

2018-08-22

画像クイズ

炎天下での活動後の倦怠感+強い尿意と便意




(投稿者 川崎)

2025-09-05

WAVE 経尿道的水蒸気治療

  • Water Vapor Energyの略で,前立腺肥大に対する低侵襲外科的治療(2022年9月に本邦保険収載).Rezum™システム(ボストン・サイエンティフィック)を用い経尿道的に前立腺の中心領域に専用針で103℃の水蒸気を噴霧し組織を壊死
  • 従来の手術が適切でない症例に対してのみ保険適用:①全身状態不良のため合併症リスクが高い,②抗血小板薬・抗凝固薬内服により術中出血リスクが高い,③高齢もしくは認知機能障害のため術後せん妄,身体機能低下リスクが高い,など
  •  

- Rezum™システム -

🚑 前立腺に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-05-13

放射線性腸炎 Radiation enteritis

  • 骨盤内臓器への放射線治療に関連して発生した腸炎
  • 原疾患は前立腺癌子宮癌,膀胱癌,肛門部癌など
  • 頻度は前立腺癌で約22%,婦人科系疾患では約20%
  • 症状はS状結腸の出血性変化や潰瘍,狭窄,瘻孔など
  • 時期は早期(照射中~後数週)と晩期(数ヵ月後~)
  • 原因は早期なら腸管上皮細胞への直接的作用(浮腫)
  • 晩期は動脈内膜炎による血管壁肥厚+微小循環障害
  • 重症度は0(異常なし~血管拡張)~Ⅲ狭窄,Ⅳ瘻孔
  • 治療は基本対処療法(内服加療や内視鏡的治療など)


放射線性直腸炎の大腸内視鏡所見

💁 放射線に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2017-09-27

ST合剤が有効だった症例

下腹部痛を主訴にクリニックを受診した中年男性
レボフロキサシンの内服は無効で病院を紹介受診

病歴と直腸診から急性前立腺炎と診断(PSAは未測定)
グラム染色では陰性桿菌が疑われたが培養されず

セフトリアキソンは有効であったが肝機能障害で中止
その後ST合剤に変更して治癒を継続し治癒した

ST合剤(商品名:バクタ,バクトラミン,ダイフェンなど)
  • サルファメソキサゾール(SMX or SMZ)とトリメトプリム(TMP)を5対1の比率で含む抗菌薬の合剤
  • 共に葉酸合成を阻害して抗菌作用 ⇒ 腸内細菌の葉酸合成も阻害するため葉酸欠乏の副作用あり
  • 消化管からの吸収が良好でバイオアベイラビリティが高く,各臓器への移行性も良好(特に前立腺
  • ニューモシスチス肺炎,原虫,トキソプラズマ以外にも尿路系の感染では考慮ただし高K血症に注意

(投稿者 川崎)

2018-07-07

急性腎障害の原因と頻度

  1. 腎前性 ➜ 心不全,脱水,薬物(NSAID,アンジオテンシン変換酵素阻害薬など),他
  2. 腎実質 ➜ 尿細管壊死,急性間質性腎炎(薬剤・感染),糸球体病変(急性腎炎ほか)など
  3. 腎後性 ➜ 前立腺肥大,前立腺癌,他の悪性疾患による尿路系の閉塞,尿閉など


💫 関連投稿

(投稿者 川崎)

2022-05-26

🎯 今週の一枚

労作時の胸痛で来院した症例



(投稿者 川崎)

2016-06-27

バルーン挿入困難な例には「キシロカイン爆弾」!!

真性包茎で亀頭が露出できない場合や、亀頭が露出できても前立腺肥大などでバルーン挿入が困難な場合にオススメなのが・・・・ 「キシロカイン爆弾」!!

10ccもしくは20ccのシリンジの内筒を抜いて、出口を指で押さえながら筒内にキシロカインゼリーを入れます。 エア抜きをして、包皮の間もしくは尿道口が見えている場合は尿道口に突き刺して キシロカインを流しいれます


これにより、浸潤麻酔作用と潤滑剤の作用があいまって、バルーン挿入が容易になります。 ぜひ試してみてください。

【注釈】キシロカイン爆弾という表現は”ねじ子のヒミツ手技”という本から引用させていただいております。詳しくはねじ子を読んでみてください。


(投稿者 吉武)

2025-11-09

免疫染色:CK7とCK20

  • 臓器毎に上皮細胞のサイトケラチン(cytokeratin;CK)は異なる
  • 特にがんではCK(主にCK7とCK20)の発現性で原発巣が推察可能
  • 例:大腸癌はCK7陰性+CK20陽性、肺腺癌はCK7陽性+CK20陰性
  • よって近年の病理では免疫組織化学(免疫染色)は欠かせない手法


鑑別診断の目安

CK7

陽性

陰性

CK20

陽性

尿路上皮癌

卵巣がん(粘液性)

膵癌

胆道癌

結腸がん

直腸がん


陰性

肺腺癌

乳がん

卵巣癌(漿液性)

甲状腺がん

扁平上皮癌

肝細胞癌

前立腺がん

淡明細胞型腎細胞がん

参考)医学書院、ほか

(投稿者 川崎)

2020-01-10

感染症クイズ

  • 尿路系の炎症が疑われる高齢者の無染色尿標本
  • 残尿感や掻痒感,排尿時痛などの自覚症状なし





(投稿者 江後/川崎)

2018-01-13

松下金曜会 「体重減少」

体重減少のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 嚥下障害,早期満腹感,タール便 ⇒ 消化器系疾患
  2. 新規発症の背部痛または神経欠損 ⇒ 前立腺癌,肺癌,乳癌,腎癌,多発性骨髄腫
  3. 過度の渇きまたは神経質 ⇒ 内分泌障害
  4. 身体イメージ障害 ⇒ 神経性食欲不振または過食症
  5. 涙もろい,疲労,快感消失歴 ⇒ うつ病
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2024-01-05

遺伝性乳がん卵巣がん症候群
HBOC: Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome

  • 概要 BRCA1/2病的バリアントによる常染色体顕性遺伝性腫瘍症候群
  • 癌種 乳癌,卵巣癌が多いが,前立腺癌や膵臓癌,メラノーマも関連
  • 検査 2020年にHBOCの診断を目的としたBRCA1/2の検査が保険収載
  • 方法 血液や腫瘍からDNA解析を行う(4週間ほどかかり約20,200点)
  • 結果 Negative,Positive,VUS(variants of uncertain significance)
  • 方針 HBOCと診断された時は遺伝学的診断に基づいた医療介入が可
  • 活用 リスク低減卵管卵巣摘出術や薬物療法・手術方法の選択(下図)
  • 重要 検査の限界(陰性でも他疾患の可能性)や遺伝カウンセリング


乳癌診療における BRCA1/2 遺伝子検査(2023年2月現在)

(投稿者 川崎)

2024-01-31

LOHエル・オー・エッチ症候群 Late-onset hypogonadism

  • 概略 加齢による血中テストステロン低下とそれに伴う症候群
  • 邦名 加齢性腺機能低下症(いわゆる男性の更年期障害のこと)
  • 診断 血中総テストステロン値の低下および臨床症状(下表右)
  • 採血 午前7~11時の空腹時に250 ng/dL未満(できれば2日)
  • 症状 性欲低下,勃起不全,知的活動や見当識の低下(下表左) 
  • 治療 テストステロン筋注(保険適応)やGnRH間欠皮下療法
  • 合併 治療に伴い前立腺癌,赤血球増加症,ざ瘡、乳房痛など


LOH 症候群の臨床症状・徴候(左)とAMS問診表(右)

💁 更年期に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-03-15

PFS: pressure-flow study 内圧尿流検査 

  • 概略 下部尿路機能(特に膀胱機能)を客観的に評価するための機能的検査
  • 対象 尿排出障害(例:前立腺肥大症)や排尿筋低活動を示す神経因性膀胱
  • 方法 排尿時の膀胱内圧,腹圧(直腸内圧),尿流率を同時に測定(下図)



(投稿者 川崎)

2020-04-04

アラカルト

  1. ビタミンB1欠損はwet beriberi, dry beriberi, Wernicke脳症の3種/beriberiはスリランカの公用語シンハリ語で”弱い”を意味
  2. スプライン曲線(spline curve)とは区分多項式で表現された曲線で,散布するデータの大まかな傾向を表すときに用いられる
  3. 乳酸アシドーシスの原因は低酸素血症やインスリン分泌不全などによる嫌気的解糖or重症肝不全で,概ね45mg/dL以上が有意
  4. β3アドレナリン受容体は褐色脂肪細胞や消化管,脳,前立腺,膀胱などに発現/選択的β3受容体作薬は動過活動膀胱治療薬

😎 関連投稿(アラカルト編)

(投稿者 川崎)

2016-09-15

尿路感染症のイロハ

病態が異なるため単純性か複雑性をまず鑑別

分類
 単純性:基礎疾患なし(例,若い健康な女性)
 複雑性:基礎疾患あり(前立腺肥大,結石,カテーテル留置,糖尿病,神経因性膀胱など)

起因菌
 単純性:大腸菌(53-79%),プロテウス(4-5%),クレブシエラ(2-3%)
 複雑性:大腸菌(26-29%),腸球菌(13-17%),緑膿菌(9-16%)
(抗菌薬マスター戦略 2014より)

おまけ
 尿路感染症は除外診断である
 CVA叩打痛・尿中白血球・膿尿・尿中細菌・腎盂拡大など,いずれも診断の感度・特異度は良くない
(McGraw-Hill Professional 2008より)

(投稿者 川崎)